サクラハウス「再会」

サクラホテル/ホステル、サクラハウス

世界中から毎年約110カ国籍のゲストが訪れるという、東京のサクラハウス。ここでは毎日国際色豊かな光景が広がっている。そこで本コラムでは、このサクラハウスのスタッフたちが、ユニークなゲストたちやエピソードをご紹介。

サクラハウスとは?
1992年の創業以来、海外からのゲストに東京でのマンスリー・アパートやシェアハウス、ドミトリー・タイプの住まいを提供。東京23区を中心に便利な駅近物件を130カ所ほど構え、日本文化・国際的なイベント、ワークショップなども随時実施している。

再会

先日、Kさんがサクラホテルに訪れた。Kさんとは、私がサクラホテル神保町に配属された直後、ホテル内のカフェに深夜によく出入りしていたお客さんの1人だ。当時大学生だったKさんは、現在、社内言語が英語の外資系IT企業で日々忙しく働いているようで、先日は久々の来店だった。

Kさんが深夜のカフェに入り浸っていた当時は、オーストラリア留学前で英語学習の相談とかこつけてフロントで長話をするのが常だった。宿泊している外国人ゲストも観光相談や雑談をしにフロントにやって来るので、その度にKさんに「ほら、出番」とよくけしかけたものだが、Kさんは途端にシャイになるのだった。ゲストの顔を見ず、どぎまぎと私を見て英語と日本語をごちゃまぜに話す始末。そんな内気なKさんが出発数日前にあいさつするために来店してくれ、店先まで見送ったのが最後に会った時だったから、先日はうれしい再会だった。

連日多くのゲストでにぎわうサクラホテル神保町のフロント
連日多くのゲストでにぎわうサクラホテル神保町のフロント

オーストラリアでは、ブリスベンにある大学で1年間寮生活を送っていたという。現地学生が利用する学生寮に放り込まれてしまい、廊下ですれ違う学生からのあいさつですら聞き取れないという言葉の壁にKさんはぶつかる。おおらか、フレンドリー、酒席がにぎやか、分かりやすい性格、というのが当時のKさんにとってのオーストラリア人の印象だったという。初の一人暮らし、初の海外での生活そのものもKさんにとっては戸惑いの連続だった。ただ、シャイなKさんが最も苦手としていた表情や身ぶり・手ぶりなどのオーバーリアクションが実生活であまり求められず、打ち解けられる友人が徐々に増えていったという。

学校と寮の往復がほとんどで、「留学生活自体は地味だった」と本人は言う。しかし、私の見る限り、今ではもう内気なKさんの面影は無ければ妙に浮かれた雰囲気も無く、どっしりと落ち着いている。かつてフロントでは英語学習談義で盛り上がり、そして留学後は、英検1級、TOEIC990など、オーストラリア留学を通して英語学習の面で大きな成果が見られたようだが、現在の活躍を聞く限り、オーストラリア滞在で得たのは語学力だけではなかったようだ。
里一人(サクラホテル神保町)

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