町の小さなカフェのキノコ料理/それでも恋するメルボルン

それでも するメルボルン

町の小さなカフェのキノコ料理

メルボルンは冬木立が目に付くようになり、厚手のコートを着る日がめっきり増えた。この季節はカフェに出かけても、少しこっくりとした味が食べたくなるものだ。

フリンダース駅からサンドリンガム・ラインに乗ること15分、メルボルンの南東にあるバラクラーバ(Balaclava)は、第2次世界大戦以降にユダヤ人や東欧からの移民が多く移り住み、独自の文化が色濃く残るエリアだ。そこに90年代のグランジ・ロック時代を彷彿させるインディーズ・カルチャーが混在し、それが町の魅力になっている。この狭いエリアにはこぢんまりとした個性的なカフェが多く、それらは町の佇まいにぴったりと合っている。中でも、カーライル通り沿いにあるカフェ「Batch Espresso」はニュージーランド出身のオーナー兄妹が切り盛りし、素朴で何度も立ち寄りたくなるお店。昔の絵画や古本が飾られたノスタルジックな店内は、どこか田舎のカフェに来たような、ほっこりとした気分にさせてくれる。

キノコがたっぷりの1皿。スライスしたペコリーノ・チーズを添えることで味にコクが出る
キノコがたっぷりの1皿。スライスしたペコリーノ・チーズを添えることで味にコクが出る

メニューはシンプルながら、どれもシェフの腕の良さが分かる料理ばかり。「Creamy Mixed Mushrooms」($15)はシメジ、マッシュルーム、椎茸など数種類のキノコがたっぷりとのった1皿。タイムとガーリックでソテーされたキノコは香りも歯ごたえも良く、クリーミーなソースにピッタリだ。キノコとタイムは実に良く合う。一体誰がこの組み合わせを最初に発見したのだろうか?キノコの滋味(じみ)深い風味とタイムのスッキリした香りは食欲をそそり、口の中で合わさることでおいしさが倍増する。まるでビストロ料理のような満足度の高い1品だ。

他にも、ハリッサとスーマックのスパイスを使った「Spicy Potato Rosti」や「Kedgere」(ケジャリーと発音)と言って、インド由来のイギリス料理でスモークされたシマアジとコリアンダーが入ったピラフ料理など、個性的な料理が楽しめる。コーヒーはメルボルンのロースター「Supreme」のカスタム・ブレンドを使っているので、おいしさも保証付きだ。

寒空の下、立ち寄ったカフェで熱いコーヒーと、心を満たす料理を味わう小さな幸せ。地元に根付いたカフェはいつだって人を温かく迎え、そこにはゆっくりとした特別な時間が流れている。

■「Batch Espresso」
Shop 1, 320 Carlisle St., Balaclava VIC
営業時間:月〜金6:30AM〜4:30PM、土・日7AM〜5PM
Tel: (03)9530-3550

泣いたり、笑ったり、怒ったり、異国で暮らす毎日はいろんなことがあるけれど、日々発見することがたくさん。「この街に恋するように暮らしたい」がモットーの2児のママ・エディターが綴る、メルボルンのライフスタイル、美味しいもの情報。(文=大木和香)

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