美食の街の食通もうならせる、ビストロ料理/それでも恋するメルボルン

それでもするメルボルン

美食の街の食通もうならせる、ビストロ料理

「Lightly cured kingfish, cultured cream, fennel & cucumber($19)」、新鮮なヒラマサの刺し身に、イクラ、フェンネルとグリーントマトのソースが添えてある
「Lightly cured kingfish, cultured cream, fennel & cucumber($19)」、新鮮なヒラマサの刺し身に、イクラ、フェンネルとグリーントマトのソースが添えてある

今年初めて行ったレストランの中の1つが「French Saloon」で、私など足元に及ばないほどの、食通の友人が太鼓判を押すビストロだ。更に、仕事でお会いした食ガイド本『The Good Food Guide』の女性編集者も一押しのお店でもある。「古い建物の2階を改装したビストロで、雰囲気も食事もまるでパリにいるみたいよ」と、言っていたのを思い出す。そういえば、20代前半はフランスのファション、街、フランス語の響きに憧れてフランス映画を食い入るように見ていた。あの日々から20年。人生とは皮肉なもので、フランスから遠く離れたオーストラリアで、いまだフランスに思い焦がれている。

レストランが軒を連ねるハードウェア・レーンとリトル・バーク・ストリートの角にある建物の2階がこのビストロだ。入り口は通り過ぎてしまうほど、質素でひっそりとしているが、店内は夜7時で既に満席だ。なんと表現するのが一番良いのだろうか。店内の雰囲気も、全ての料理に流れるトーンも全てがフランスそのものだ。過度な演出はなく、シンプルだが、どこまでも洗練されている。

まずは、最初の一杯を選ぶことから始めよう。金色にはじけるシャンパン、フランス産のシャブリ、ビクトリア産のシャルドネにしようかと、悩むことさえうれしいワインがそろう。「優秀なソムリエがいること」もこの店のすばらしい点だ。ブドウの品種、産地、値段を伝えると、料理に合ったワインを選んでくれる。決して、高いワインばかりを薦めるお店ではないので、安心して食事が楽しめる。

あまりのおいしさに、翌月も再訪してしまった一皿。前菜は旬の食材が多いので、新しいメニューになっていることも
あまりのおいしさに、翌月も再訪してしまった一皿。前菜は旬の食材が多いので、新しいメニューになっていることも

さて、アラカルトのメニューだが、これは仕入れによっても変わるので、まずはその日のお薦めを聞いてみよう。右の写真「Sea Urchin Blini ($7.50)」は、まさに旬を味わう一皿だった。大ぶりのウニだが味は繊細で、悶絶絶倒のクリーミーさ、「後を引くおいしさ」とはこういうことを言うのだろう。魚介のメニューはネタの仕入れや扱いがきちんとできているか、その店の良し悪しがよく分かる。旬の魚介類や野菜を使った料理は、ぜひオーダーしておきたいところ。更に、フレンチ好きが行き着く王道メニュー「Homemade charcuterie plate ($18~29)」や新鮮なビーフを使った「French Saloon steak tartare ($21)」も期待を裏切らないフランスの味だ。丁寧に惜しみなく手が掛けられた定番メニューから、刺し身を使ったモダンなビストロ料理まで全て絶品。その美しい盛り付けに見惚れつつ、深い感動を味わえるはずだ。

French Saloon Bar & Bistro
46 Hardware Lane, Melbourne VIC
営業時間:月~金12PM~深夜(土・日はプライベート・イベントの予約のみ可能)
Tel: (03)9600-2143
Web: www.frenchsaloon.com


大木和香
泣いたり、笑ったり、怒ったり、メルボルンで暮らす毎日はいろいろなことがあるけれど、日々発見することがたくさん。2児のママ・エディターが綴る、メルボルンのおいしいもの情報。インスタグラムでは「日々の徒然」や「食いしん坊日誌」を、ブログではメルボルンのお店やライフスタイルも紹介している。
講談社「Mi-mollet」ブログ(www.mi-mollet.com/category/blog-oki
インスタグラム(@waka_melbourne

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