「消えたエスプレッソ・マシーン」、メルボルンの最新カフェ事情/それでも恋するメルボルン

それでもするメルボルン

「消えたエスプレッソ・マシーン」、メルボルンの最新カフェ事情

バーク・ストリート・モールから歩いて数分、既にメルボニアンから高評価を受けている確かな味。店内では軽い食事もできる
バーク・ストリート・モールから歩いて数分、既にメルボニアンから高評価を受けている確かな味。店内では軽い食事もできる

リトル・コリンズ・ストリートにあるこの小さなカフェを初めて見た時は驚いた。カフェにあるはずの巨大なエスプレッソ・マシーンがない。白を基調にした店内はカフェにしてはすっきりし過ぎていて、カウンターの上にはビール・サーバーのようなノズルだけが見える。「エスプレッソ・マシーンは、全てカウンターの下に入ってるよ」とスタッフが教えてくれるまで、あまりの最新のカフェ・デザインの仕様に、しばしボーッとしたほどだ。

今年3月下旬にオープンした「Industry Beans Little Collins」はフィッツロイにある同店の第2号店。5年程前にオープンした本店は元工場をリノベーションしたカフェで、緑溢れる店内が印象的。一方で、シティーの新店舗は、無駄を極力までそぎ落としたようなデザインが個性的だ。店内はカウンター席のみ、仕事や買い物の合間に立ち寄るテイクアウェイの客が中心だ。シンプルで機能性を追求したオペレーションは、オーダーからコーヒーを受け取るまで一貫していている。

まず、店舗内では「現金を扱わない」。支払いは全てカード払い、店舗内から現金を完全に排除する画期的な試みだ。オーストラリアはカード社会で、確かに、最近は現金を持ち歩くことが少なくなった。カード払いの方が間違いが少ないばかりか、忙しい時間帯に一刻も早くコーヒーが飲みたい人にとっては、煩わしいお金のやり取りをしなくて済むので実にありがたい。レジ係がタッチ・スクリーンにオーダーを入れると、バリスタは自分の前にある専用のタッチ・スクリーンでオーダーを確認する。この辺りもテクノロジーをフル活用し、いかにスムーズに回すか工夫がされている。

使用しているコーヒー豆は全て購入可能。エスプレッソは季節ごとにブレンドを変えるそう
使用しているコーヒー豆は全て購入可能。エスプレッソは季節ごとにブレンドを変えるそう

そして、何と言っても一番の注目は最新のエスプレッソ・マシーンだろう。イタリアのエスプレッソ・マシーンのメーカー「La Marzocco」とアメリカの「Modbar」が共同開発したマシーンで、完全埋め込み型のマシーンを使用したカフェはメルボルンでは初めて。しかも、このカフェは単にスタイリッシュなだけではない。こだわり抜いた豆を独自にローストしているため味も極上で、フラットホワイト、ラテなどフロスされたミルクはシルキーで滑らか。また、週替わりでシングル・オリジンのコーヒー豆を変えていて、フィルターやアイスコーヒーも楽しめる。

日進月歩を続けるメルボルンのカフェだが、昔ながらのカフェと最先端のカフェが共存し、カフェ・シーンを牽引しているのがメルボルンの面白さであり、魅力でもある。お互いを引き立てながら、この街のカフェ文化はますます豊かになっていくのだろう。

Industry Beans
345 Little Collins St., Melbourne
営業時間:7AM~4:30PM(平日)、8AM~4PM(土・日・祝)
Tel: (03)9417-7034
Web: www.industrybeans.com


大木和香
泣いたり、笑ったり、怒ったり、メルボルンで暮らす毎日はいろいろなことがあるけれど、日々発見することがたくさん。2児のママ・エディターが綴る、メルボルンのおいしいもの情報。インスタグラムでは「日々の徒然」や「食いしん坊日誌」を、ブログではメルボルンのお店やライフスタイルも紹介している。
講談社「Mi-mollet」ブログ(www.mi-mollet.com/category/blog-oki
インスタグラム(@waka_melbourne

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