モーニントン半島が教えてくれる「本当の美食」/それでも恋するメルボルン

それでもするメルボルン

モーニントン半島が教えてくれる「本当の美食」

ワラビーのタルタル(上)、マグロのカルパッチョ(左下)、繊細な肉質で豪州の最高傑作と言われる「ソルトブッシュ・ラム」のステーキ(右下)
ワラビーのタルタル(上)、マグロのカルパッチョ(左下)、繊細な肉質で豪州の最高傑作と言われる「ソルトブッシュ・ラム」のステーキ(右下)

初夏のモーニントン半島は本当に美しく、ポート・フィリップ湾とウエスタン・ポート湾の2つの湾に挟まれたその土地には海の幸、山の幸が溢れ、そして何よりも極上のワインに恵まれている。今回訪れた「パリンガ・エステート・レストラン」はメルボルン版のミシュラン・ガイド「グッド・フード・ガイド」や、多くのレストラン・レビューでも高評価を獲得しているモーニントン半島を代表する名店だ。

色彩豊かに飾られたデザートとチーズ・プレートの両方をチョイス
色彩豊かに飾られたデザートとチーズ・プレートの両方をチョイス

青空と濃緑のコントラストが美しいレッド・ヒルの丘陵地帯を抜けると現れる小さなワイナリーの入口。大きなワイナリーを想像していたので通り過ぎてしまったが、1歩中に入ると美しいモダン・エレガントな建物が迎えてくれる。そもそも、パリンガ・エステートが広く知られている理由に、すばらしいワインの醸造技術が挙げられる。ワインに情熱を注ぐオーナーが造り出すピノ・ノワールは毎年、数々の賞を受賞していて、それらは気軽にワイン・テイスティングで楽しむことができる。何と言ってもワイナリー・ランチの醍醐味は、ワインに完璧にマッチしたコース料理を気負わずに楽しめることに尽きるだろう。前菜とメインの2コース($65)、デザートかチーズ・プレートが付いた3コース($80)があり、数人で行けばデザートとチーズを両方頼んでシェアもできる。前菜は、オーストラリア人でも驚くという「ワラビーのタルタル」を注文。フリンダース島で獲れたワラビーの生肉を軽くスモークしポン酢で和え、仕上げにわさび入りのクレーム・フレシェを合わせるという、日豪仏が融合した珍しい一皿だ。他にも、ごま油としょうゆがほのかに香る「マグロのカルパッチョ」や「キング・ジョージ・ホワイティングと海藻のピュレ」など、ところどころに日本の食材やテクニックが使われている。気になって聞いてみると、やはりそこには日本人シェフの姿が。さっそくスー・シェフを務める中澤眞さんに話を伺ってみると、ヘッド・シェフであるアダム・ベケット氏は日本食材の大ファンで、積極的に取り入れているそうだ。

肥沃な大地から獲れた旬の食材を丁寧に料理し、美しく盛り付ける。それらを青く広がる空とブドウ畑を見ながら、ワインと一緒に食べる幸せ。これを本当の美食と言うのだろう。その美食の裏を支えるのが日本の繊細な技と和食材だ。非日常の空間で脳も心も開放し、移ろいゆく季節を愛でつつ食す。同地へ訪れる人びとは「真の贅沢」の味わい方をきっと知っているのだろう。

■Paringa Estat
44 Paringa Rd., Red Hill South, VIC
営業時間:ランチ水~日12PM~、ディナー金・土6:30PM~
※2018年12月26日~2019年1月26日は、ランチ毎日12PM~、ディナー木~土6:30PM~
Tel: (03)5989-2669
Web: www.paringaestate.com.au


大木和香
泣いたり、笑ったり、怒ったり、メルボルンで暮らす毎日はいろいろなことがあるけれど、日々発見することがたくさん。2児のママ・エディターが綴る、メルボルンのおいしいもの情報。インスタグラムでは「日々の徒然」や「食いしん坊日誌」を、ブログではメルボルンのお店やライフスタイルも紹介している。
講談社「Mi-mollet」ブログ(www.mi-mollet.com/category/blog-oki
インスタグラム(@waka_melbourne

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