下赤所 啓太 さん アメリカの1ドル札 ほか

下赤所 啓太 さん下赤所 啓太 さん
宝物:アメリカの1ドル札

 将来は看護師の資格を取り、永住権を目指しているという啓太さん。日本で腰の怪我を負った時、専門の治療が必要となり多くの病院をいくつもはしごするという目に遭った。そんな不自由をした経験がもとで、医療の分野に興味を持ったという。
 漠然としていた留学への道を考える中、背中を押してくれたのはどんな時も一緒に過ごしてきた13年来の親友。「歳をとってからじゃ遅いんだぞ。やらないで後悔するぐらいなら、今やっとけ」。そのひと言がきっかで来豪を決意したという。そしてその親友が手渡してくれた、アメリカの1ドル札。「古い言い伝えでは、お守りの効果があるみたいなんです。持ってるといいことがあるかもっていうんで、いつも財布の中に入れています」
 先延ばしにしていた留学の時期を早め、早々に来豪。現在、語学学校へ通い始めて5カ月が経った。実際にシドニーで暮らし、さまざまな文化背景を持つ友だちとの出会いの中で、将来に対する自分の考えがはっきりと見えてきたと言う。あの時に来豪しなければ出会わなかっただろう友だちとの出会いが、今の自分にとって一番大きなプラス。そして、看護師不足というオーストラリアの現状を知り、資格を取って人の役に立ちたいという想いがさらに強くなった。乗り越えなければいけない壁はたくさんあるものの、最大限の努力をしたいと言う。
「なくした財布が、3度も無事に戻ってきたんです。今じゃこんなにボロボロですが、これはやっぱりお守りなのかもしれません(笑)。これから、専門学校に進み、まだまだ先は長いですが、将来の目標に向けて頑張りたいです。やらないで後悔するのはもったいないと実感していますから」。あの時の言葉、そして手渡してくれた1ドル札。かけがえのない出会いのきっかけをくれた親友に、とても感謝していると語ってくれた。


坂本裕美 さん坂本裕美 さん
宝物:上司からの手紙

 ワーキング・ホリデー・ビザで来豪して10カ月。シドニーに来る前は、貿易事務の仕事に携わっていた裕美さん。会社を辞める際、今までお世話になったお礼の気持ちを込めて社員全員にメールを送った。出発する前、最後に受け取った1通のメールは当時の上司から。そこには、『4年間、お疲れ様でした。惜しまれて去るのも良いもの。いつでも帰って来てください』と書かれてあり、これまでの思い出が一気に込み上げてきて涙があふれた。
 当時の会社は、アジア各地に支店を置くグローバルな商社。裕美さんが入社したてのころ、研修のため香港へ出張した。厳しい指導と言葉の壁に「もう、辞めたい」と、泣いてばかりの日々が続いた。そんな時、気にかけてくれ励ましてくれたのが当時の上司。
「いつも厳しい顔しか見たことがなかったんです。最初は恐い人だって思ってたんですけど、その時に本当は優しい人なんだなって分かりました」
 日本に戻ってからは、貿易事務部門という英語が欠かせない部署での忙しい日々。日本と香港、会う機会はそれほど多くはないが、電話やメールでのやりとりの中、仕事のノウハウや電話応対など多くのことを学ばせてもらった。後に、同僚から“自分の娘のような気持ちでいつも心配していた”ということを聞き、感謝の気持ちでいっぱいだったという。
「この会社に入社したことがきっかけで、海外に興味を持ちました。だから、今こうやってオーストラリアで頑張っていられるのも、当時の仲間や上司のおかげなんです。やるからには精一杯頑張って、ビジネス・イングリッシュを身に着けて帰りたいんです」
 仕事で辛い時には、いつもこのメールを読み返し、自分を励ましている裕美さん。同時にもらった餞別をこれからのスキル・アップのために使い、日本に帰ったらTOEICと貿易実務検定試験を受け、再び貿易関連の会社に勤めたいと笑顔で語ってくれた。


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