カルチャー・アイ「SMASH! 2016」

CULTURE EYE カルチャー・アイもっと知りたいオーストラリアの歴史や楽しみ方を、気になるイベントや、この国にまつわる文化作品を通してご紹介。毎日見る景色とは違った視点から、今まで知らなかったオーストラリアの魅力や奥深さに出合えるかも。

(取材・文=関和マリエ)

今回のピックアップ▶▶▶ SMASH! 2016

今年で10周年を迎えた「SMASH!」は、シドニーのジャパン・ファウンデーションなどの協賛の下、日本のポップ・カルチャーを大々的にフィーチャーしたイベントだ。アニメや漫画以外にも映画、ゲーム、アプリ、ボーカロイドなどを軸に、そのキャラクター、物語、ファッション、音楽を含む全てをSMASH! で体験できる。

会場で印象的なのは、キャラクターのコスチュームをまとったコスプレイヤーたちの姿。やはり多いのは日本のキャラクターで、『ワンピース』『セーラームーン』などの定番アニメ・漫画から『ラブライブ!』『テラフォーマーズ』など近年の作品、『ポケットモンスター』やジブリ作品など実にさまざまなコスプレ姿の参加者が、そこかしこで談笑し、食事をし、買い物やショーを楽しむ。彼らの存在はSMASH! のカラーを決定付ける要素の1つだ。

コスプレ参加者たちによる「Cosplay Cat walk」の一幕。日本のアニメや漫画、ゲームなどのキャラクターを中心に、ディズニーやアメコミ作品、スターウォーズなどの人気映画の登場人物のコスチュームで身を包んだ参加者もいた
コスプレ参加者たちによる「Cosplay Cat walk」の一幕。日本のアニメや漫画、ゲームなどのキャラクターを中心に、ディズニーやアメコミ作品、スターウォーズなどの人気映画の登場人物のコスチュームで身を包んだ参加者もいた

プログラムには、特に優れた扮装の一般コスプレイヤーがランウェイを歩くショーや、この日のために準備してきた応募者がコスプレ姿で原作の1場面を演じるミニ・ステージなどもあり、観客は原作や元のキャラクターを思い浮かべながらも、今観ているそれを別の1つの「作品」として心から楽しみ拍手を送る。ポップ・カルチャーは単に「観る」だけのものではなく、そこにコミットする参加者の存在を前提とし、しかし単なる自己表現手段やコミュニケーション・ツールというだけではなく、それら全てを引っくるめて成立し、人びとを熱狂させている。求められているのは、生活や自分自身から切り離された、眺めるだけの文化ではないのだ。

多彩なゲスト陣もSMASH! の見どころの1つ。人気声優の野中藍さん(『銀魂』椿平子役など)のトークやアフレコ実演に会場が沸いた
多彩なゲスト陣もSMASH! の見どころの1つ。人気声優の野中藍さん(『銀魂』椿平子役など)のトークやアフレコ実演に会場が沸いた

広い会場内にはカラオケ大会やイラストの展示、手作りの2次創作品のマーケットなど、一般参加者の突出した才能に触れられる場面が多い。デジタルな2次元のモチーフを扱いながら、3次元の手作り感と人間らしさがセットでそこにある。

にぎわっていた会場の1つが、川口克己さんという玩具メーカー社員兼プラモデル作りの達人によるショー。プラモデルを組み立てながらコツを解説する彼の手元がスクリーンに映し出され、観客は1つも見逃すまいと真剣な面持ちで見入っている。文化が、それを愛し携わり続ける人の熱意なしでは発展も継承もなし得ないならば、SMASH! の参加者たちは間違いなくポップ・カルチャーの当事者だと感じた。

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