第19回日本映画祭、総力リポート!

第19回日本映画祭
総力リポート!▶▶▶

第19回日本映画祭「田口トモロヲ・
多部未華子インタビュー」▶▶▶

第19回日本映画祭【編集部シネマ・レビュー】16作品▶▶▶

第19回日本映画祭・総力リポート

話題の日本映画が一堂に会す年に一度の祭典「日本映画祭」。在住日本人はもちろん、日本好きのローカルにも注目されているイベントだ。19回目の開催となった今年は全豪6都市で全40作品が上映された。シドニーでは11月5日~15日の間に渡って開催。編集部ではオープニング、ゲスト登壇イベントなど主要イベントを抑えるとともに編集部員2人、映画好きの外部ライターの計3人で見られる限りの映画を鑑賞した。映画祭のリポート・総括からインタビュー、怒涛の作品レビューなど盛りだくさんの内容をお届けする。取材・文=馬場一哉、関和マリエ

オープニング作品『バクマン』©2015 “BAKUMAN。” Film Partners

オープニング作品『バクマン』©2015 “BAKUMAN。” Film Partners

シドニー市内に日本映画祭初となるストリート・バナーが敢然と立ち並ぶ中、11月5日、「イベント・シネマズ」内ゴールド・クラス・ラウンジではオープニング作品『バクマン。』(大根仁監督)の公開に先駆け、レセプションが開催されていた。招待客がビールやワインを片手に談笑しながら盛り上がる中、河井克行・内閣総理大臣補佐官がゲストとして登壇しあいさつを行った。

「第19回日本映画祭のオープニング・レセプションでご挨拶できることを嬉しく思います。私自身は今回初めてオーストラリアを訪れましたが、政治、国際安全保障、ビジネス、文化の点においてオーストラリアと日本の関係性は非常に強いと感じています。そんな中、文化外交の成長は非常に重要です。映画は私たちをただ楽しませるだけでなく、他国やその文化を学び理解するためにも役立ちます。19年前、たった3作品の上映で始まったオーストラリアの日本映画祭は、現在では日本国外で行われる最も大きな日本映画祭となり、昨年は3万人以上を動員するまでになりました。どうぞ映画祭を大いに楽しんでください」

総理大臣補佐官の高らかなあいさつの後、今度はロバート・コック・シドニー市議会議員が登壇。「シドニーは多様な価値観を持つマルチカルチュラルな都市で、日本人コミュニティーの存在も非常に重要です。そんな中、今回の映画祭で日本のアートとしての映画作品を観る機会を得られることはとても価値のあること。期間中にはダーリング・ハーバーで『祭 in シドニー』も開かれます。多くの方々が日本文化を楽しむことを願っています」と話した。

(左)街中には「日本映画祭」のストリート・バナーが複数並んだ(右)オープニング当日、受付は訪れた人で混雑した
(左)街中には「日本映画祭」のストリート・バナーが複数並んだ
(右)オープニング当日、受付は訪れた人で混雑した

例年12月に行われる日本の祭りイベント「祭り in シドニー」の開催時期が早まったこともあり今年は奇しくも日本映画祭と日本祭りが同時期に行われることとなった。それもあり開催中の週末、日本祭りで日本ならではの太鼓演奏のイベントなどを楽しみながら屋台でご飯を食べ、その後日本映画を鑑賞するというような日本尽くしの1日を楽しむことも出来るようになったのである。

レセプション終了後、一同はスクリーンへと移動した。

(左)オープニング・レセプションでは当地を訪れていた河井克行・内閣総理大臣補佐官が登壇(中)ロバート・コック・シドニー市議は日本映画祭の意義を語ってくれた(右)日本映画祭のアンバサダーにはマスター・シェフのアダム・リアウさん
(左)オープニング・レセプションでは当地を訪れていた河井克行・内閣総理大臣補佐官が登壇
(中)ロバート・コック・シドニー市議は日本映画祭の意義を語ってくれた
(右)日本映画祭のアンバサダーにはマスター・シェフのアダム・リアウさん

オープニング作品『バクマン。』が上映されるスクリーンではほぼ満員の客席を前にジャパン・ファウンデーション・シドニーの遠藤直所長が「Bringing Japan to you」のメッセージとともにパートナー企業やボランティアへの謝意を述べ開幕のあいさつを行った。その後、今年の日本映画祭カルチュラル・アンバサダーに選ばれたアダム・リアウさん(シェフ、TVプレゼンター、マスターシェフオーストラリア2010優勝者)が登壇。初めて日本に触れた時の体験を話してくれた。

「私の日本についての初めての体験は寿司でもテリヤキでもなく、実は映画でした。約15年前、オーストラリアを離れ日本の東京で仕事をしていたのですが、そんな時に『たんぽぽ』という古い日本映画を観ました。ラーメンを題材にした80年代のダーク・コメディー映画です。ラーメンは食べたことがありませんでしたが、映画に流れるムードがとても興味深かったです。異文化の中へ入っていくために映画ほどふさわしいものはなく、映画を観ることを通して他の人生や愛を経験できるだけでなく、知らない土地を訪れることもできます。もちろん、知らない食べ物を味わうことも。ぜひこの映画祭で『A Bite of Japan』を楽しんでください」

アダムさんの言葉が終わるといよいよオープニング作品の上映へ。人気マンガの実写映画ということもあり、会場にはマンガ好きそうなローカルな若者の姿が多く見られた。

今年のラインアップの特徴

オープニング・イベントに続く今回の映画祭一番の目玉は11月9日に行われたゲストによる舞台あいさつだ。今回シドニーでは恋愛映画『ピース オブ ケイク』から主演女優の多部未華子さんと田口トモロヲ監督が登場するとあって会場には大勢の人が訪れていた。

(左)ファンとの握手にも気軽に応じる多部未華子さん (右)舞台あいさつでひときわ大きな声であいさつをする田口トモロヲ監督
(左)ファンとの握手にも気軽に応じる多部未華子さん
(右)舞台あいさつでひときわ大きな声であいさつをする田口トモロヲ監督

2人は映画の上映前にウェルカム・スピーチを行い、上映後には再びスクリーン前に現れ観客からのQ&Aに応えた。雰囲気は終始和やかで、握手を望むファンにも丁寧に対応していたのが好印象だった。2人の実際の言葉は次ページの本紙独占インタビューでお届けしたい。同イベントで驚かされたのはイベント終了後、2人に近づいてのフォト・セッションが許可されたこと。触れられるような位置にまで近付き写真を撮ることなど、なかなか日本のイベントではないだろう。このあたりの距離感の近さも海外の日本映画祭の魅力と言えるかもしれない。

(左)2ショット・セッションでは「僕が必要なければどきますよ」と笑いを誘った田口監督(右)観客も2人に近付き撮影をすることが許された。日本ではなかなかない光景だ。
(左)2ショット・セッションでは「僕が必要なければどきますよ」と笑いを誘った田口監督
(右)観客も2人に近付き撮影をすることが許された。日本ではなかなかない光景だ。

今回、インタビュー会場では日本の映画文化をアセアンに対して発信する役割を担っているジャパン・ファウンデーョン「アジア・センター」の許斐雅文さんにもお会いすることができた。許斐さんは昨年まで長年にわたり当地の日本映画祭のディレクターとして活躍し、その功績を買われ、今年5月に「アジア・センター」に移った。日本映画を広く海外に発信する役割として今回の上映作品も彼が選んだという。

「今年の映画祭の作品は昨年の『るろうに剣心』のようにファンを一発でひきつけるような派手な作品は少ないですが、味のあるスパイスの効いた作品が多いです。好きな映画と観客を呼べる映画は異なるので作品選びはいつも悩みますね。今回で言うと『バクマン。』や『海月姫』『暗殺教室』『ビリギャル』あたりが観客を呼びやすいメジャーな作品。逆に僕個人が押したい『野火』や『恋人たち』は恐らくあまり人は入らないかもしれません。ですが、こういった作品もまた観てもらいたいですね。また、ウェブサイトなどでレーティングが高い作品も入れるようにしています。今回で言うと『百円の恋』『きみはいい子』『幕が上がる』などがそうです。どれも良いですよ」

例年、許斐さんお勧めの作品で外れはほとんどない。それもあり、今回編集部では彼のお薦め作品は観られる限り鑑賞し、レビューを書くことにした。その怒涛のレビューは別ページにあるのでぜひご覧頂ければと思う。

年々規模を拡大し続け、動員数では世界の日本映画祭の中で最大と言われているオーストラリアの日本映画祭。来年の開催も今から心待ちにしたい。

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