隊長が見た!今話題の映画

 辛口コメントで映画を斬る、映画通の日豪プレス・シネマ隊長と編集部員たちが、レビューやあらすじとともに注目の新作を紹介 ! レイティング=オーストラリア政府が定めた年齢制限。G、PG、M、MA15+、R18+、X18+があり、「X18+」に向かうほど過激な内容となる。作品の評価は5つ星で採点結果を紹介。
 

her/世界でひとつの彼女
Her
    ドラマ/MA15+

今月のムービー・レビュー

公開中 満足度★3.5
隊長が観た!

俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中に15分間だけ繋がるという不思議な穴を発見する『マルコヴィッチの穴』でデビューし、続く『アダプテーション』では、チャーリー・カウフマンのちょっとヘンテコ風味な脚本をうまくまとめた、スパイク・ジョーンズ監督。元フォトグラファーで、ミュージック・ビデオの監督として高い評価を受けていただけに、映像のこだわり方に彼独自の世界観があって、映画でもそれが遺憾なく発揮されている。個人的に大注目している監督だ。

今作は、2009年の『かいじゅうたちのいるところ』以来、4年ぶりの長編映画。雰囲気は、2010年に同氏が脚本と監督を務めた、ロボットの恋を描いたSF短編ラブ・ストーリー『アイム・ヒア』に近いものがある(YouTubeでも見られるので見てみては)。今回はロボット同士の恋愛ではなく、人間とコンピュータのオペレーティング・システムの恋がテーマ。

舞台は近未来のロサンゼルス。手紙の代筆を行う男性ライターが、最近妻と別れて意気消沈していたが、ある日、新しい人工知能を持ったコンピュータのオペレーティング・システムが開発され、それをインストールして使い始めたところ、恋心を抱くようになってしまう…というストーリー。

優しいトーンの色調と心地良い音楽で、映画が始まってから5分で映画の世界観にドップリ浸かれた。近未来が舞台だがレトロ・モダンなほのぼのとした雰囲気で、木製のコンピュータや、ホアキン・フェニックスのハイ・ウエストのズボンなど、小物1つ1つのデザインに暖かみがある。エレベーターのシーンでは、木のシルエットが映し出されて、まるで森の中を上下しているように感じられたが、手前の木と奥の木では、シルエットの移動に時間差があったりと、細部まで計算されていた。また、監督がミュージック・ビデオ出身なだけあり、インディ・バンド「アーケイド・ファイア」を音楽に起用していて、その音楽と映像がとてもマッチしていた。

けれども、唯一納得がいかなかったのが、オペレーティング・システムと恋に落ちること。ハンド・サイズのデバイスを片手に、カメラを使って遊園地を回るシーンなど、説得力を持たせるためか、いろいろな仕掛けがあるのだけれど、普通の人なら“声”だけの相手より、実際に触れることのできる生身の人間を選ぶと思うので、実感がわかない。スカーレット・ヨハンソンのハスキーでセクシーな“声”には惹かれるものがあったが、素の可愛らしさが出ていた“生身”のエイミー・アダムスの方がいい。『ロミオとジュリエット』の時代から、障害のある恋は燃え上がるものだけど、やっぱり人と機械ではね…。

ちなみに“声”役はもともとサマンサ・モートンが務めていて、最終的にスカーレット・ヨハンソンに差し替えられたそうだが、これは正解だったと思う。ローマ映画祭で、スカーレットは“声”だけで最優秀女優賞を受賞している。ストーリーには入り込めなかったけど、スパイク・ジョーンズの世界は十分堪能できる、お薦めの1作だ。


ロボコップ
Robocop
     アクション/レーティング未定

今月のムービー・レビュー

2月6日公開予定 満足度★3.5

1987年の大ヒットSFアクション『ロボコップ』が、近未来に舞台を移しリメイクされた。巨大企業オムニコープ社のロボット・テクノロジーに支配された世界。勤勉な警官アレックス・マーフィー(ジョエル・キナマン)は勤務中に瀕死の重症を負うが、オムニコープ社の最新のロボット技術によりサイボーグ警官“ロボコップ”として、再び命を与えられる。驚異的な力を手に入れたロボコップのアクションと、その力を手に入れてしまった彼と家族の過酷なストーリーは見逃せない。


リベンジ・マッチ
Grudge Match
     コメディー/M

今月のムービー・レビュー

1月30日公開予定 期待度★★★

ロバート・デ・ニーロとシルヴェスター・スタローンが共演するコメディー映画。引退したボクサーであるヘンリーとビリーは、30年来の遺恨があった。それは2人が戦うタイトル・マッチの前夜にヘンリーが突然引退してしまったことだった。2人は再戦の機会を得て恨みを晴らそうとするが…。以前、デ・ニーロは『レイジング・ブル』、スタローンは『ロッキー』でボクサーの役を演じて人気を博しただけに、ファンの注目を集めている。監督はピーター・シーガル。


ラスト・べガス
Last Vegas
     コメディー/M

今月のムービー・レビュー

2月6日公開予定 期待度★★★★

ロバート・デ・ニーロ、マイケル・ダグラス、モーガン・フリーマン、ケヴィン・クラインら、ハリウッドを代表する俳優陣が共演する豪華コメディー映画。幼少のころからの仲良し還暦4人組の1人が、自身の年齢より半分下の女性と結婚することになった。結婚前の最後の独身生活を楽しむため、4人はラスベガスに繰り出すのだが、そこでは友情が揺るぎかねないほどのトラブルが待っていた…。今までありそうでなかった、オスカー俳優たちのコラボが話題に。


ウルフ・クリーク2
Wolf Creek 2
     ホラー/MA15+

今月のムービー・レビュー

2月20日公開予定 期待度★★★

2005年に公開されたオーストラリアのホラー映画の第2弾がついに公開。実話を基に作られたこの作品は、オーストラリアのアウトバックを訪れたバックパッカーが殺人鬼にとらわれてしまうという恐怖のサバイバル劇で、米サンダンス映画祭で上映されるなど、世界的にも話題になった。今作では、アクション・シーンがより充実。そして、あの殺人鬼ミック・テイラーが帰ってくる・・・。暑い夏の日が一気に涼しくなる作品だ。

 

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