vol.17 S.L.A.M. Rally

メルボルン・ロック・シティ

メルボルン・ロック・シティ
vol.17

S.L.A.M. Rally

 前回、メルボルンのロック・シーンのアイコンだったToteが閉店を余儀なくされ、1,000人以上が抗議のために集まったと書きました。もうご存知の方も多いかと思いますが、その後、この抗議行動はメルボルンのライブ・ミュージック・シーン全体に広がり、抗議の署名はネット上で1万人を超え、去る2月23日、市中心部でS.L.A.M.(Save Live Australian Music)ラリーが開催されました。
 晴天に恵まれたその日、人気テレビ音楽クイズ番組Rock Wizの司会者Brian Nankervisに先導されて州立図書館から州議事堂まで行進したのは、実に1万数千人、一説には2万人近くとも言われます。
 ラリーの最前列には、国民的なシンガーのPaul KellyやClare Bowditch、You Am IのフロントマンTim Rogers、たまたまツアーに来ていたアメリカの人気シンガーAmanda Palmerをはじめ大物ミュージシャンがずらり。Paul Kellyは州議事堂前のスピーチで、自分はこのライブ・ミュージック・シーンに育ててもらったという意味を込めて“This is my University ! ”と言い、大きな拍手を受けました。
 また、実際に自分たちがレギュラーで出演していたお店が閉店を余儀なくされたという無名のミュージシャンたちにもスピーチの機会が与えられました。最後はラリーの主催者でBakehouse StudioのオーナーQuincy McLeanと、今回の抗議署名をはじめFair Go 4 Live Musicという運動を長年主催してきたBar OpenのオーナーJon Perringが「今年が選挙の年だということを忘れないように!」というスピーチで締めました。
「I Tote & I Vote」というプラカードも目立っていた今回のラリーは、遅々として具体的な解決策を示さないブランビー州政権にとって予想外に大きなプレッシャーとなったことは確実です。
 ロックはもちろんジャズやラテン、グリークなど多種多様なミュージシャン、そして乳母車の幼児からかなり年配の方まで、よく言われる「メルボルンのライブ・ミュージック・シーンの大きさとそれを支える層の厚さ」が、はっきりと具体的な形で示されたという意味でも歴史的な1日だったといえるでしょう。
S.L.A.M.Web Site: www.slamrally.org/
Fair Go 4 Live Music Petition: www.tonedeaf.com.au/petition


NAOプロフィル
本名は安齋直宗。キーボーディスト、アレンジャーとしてTHE BOOM、坂田おさむなど数多くのミュージシャンのツアーやレコーディングに参加。テレビ・コマーシャルやベネッセの「しまじろう」シリーズなどの子ども向けの楽曲も多く制作している。2003年メルボルンに移り、バンドLAURAのプロデュースで「Beat Magazine Single of the year 2004」を受賞するなど、地元のインディーズ・シーンに欠かせないエンジニア・プロデューサーとして多忙な日々を送る。
■NAOウェブサイト:web.mac.com/nao24db

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