メルボルン・カップ2015観戦・必勝ガイド

155th Melbourne Cup Carnival 2015

春は人気レースが目白押し

ストップ・ザ・ネーション(Stop the Nation)、“国家を止める競馬”の愛称を持つ「第155回メルボルン・カップ」(賞金総額640万ドル)は毎年11月の第1火曜日、今年は11月3日にビクトリア(VIC)州メルボルン近郊のフレミントン競馬場(芝3,200メートル)で10万人以上の観客を集めて開催される。

冬のAFL、ラグビー、夏のクリケットの人気スポーツがシーズン・オフの10月から11月初旬にかけてVIC州ではスプリング・レーシング・カーニバルと呼ばれる競馬のG1レース(競馬レースの最高レベルGrade1)が集中的に行われる。コーフィールド・カップ(10月17日)、ジローン・カップ(10月21日)、コックス・プレート(10月24日)、ビクトリア・ダービー(10月31日)、メルボルン・カップ、VRCオークス(11月5日)、VRCステークス(11月7日)の7戦を主に指す。特にビクトリア・ダービーからVRCステークスまでのメルボルン・カップ・ウィークにはG1レースが集中して街中が華やかさに包まれる。休暇を取る人も多く、仕事にも身が入らない1週間となる。メルボルン・カップの馬券売上総額は、日本円にすると700億円にも達するという。

コーフィールド競馬場(2,400メートル)で開催されるコーフィールド・カップ(賞金総額300万ドル)は、「メルボルン・カップの前哨戦」と言われ、両レースで優勝することはカップス・ダブルと呼ばれ大変な名誉とされる。優勝馬はメルボルン・カップに一番近い馬であるが、付加されるハンディキャップ重量を見ながら参考にしたい。メルボルン・カップは出走馬の戦績により主催者が決めた重量を背負って走るハンディキャップ戦だ。50~55kgの軽量ハンディの馬が活躍するケースが多く、最重量トップ・ハンディを課されて優勝した馬は数少ない。

女性たちの華やかなファッションにも注目
女性たちの華やかなファッションにも注目

競馬開催日が祝日(VIC州のみ)となるのは世界でも豪州だけであるが、これはメルボルン・カップが単なる競馬レースではなく、ファッション、文化などを含んだ豪州最大のビッグ・イベントであるからだ。職場でも公然と馬券購入が話題となる。

メルボルン・カップは女性の豪華なファッションに注目が集まるがVIC州各地でご当地自慢の競馬が開催され、いずれも正装に身を包んだ紳士淑女が見られる。派手な帽子と華やかなファッションの女性が街にあふれて、VIC州は競馬とファッションに包まれる。レースごとにファッション・ショーが開かれるが、決して競馬の添え物ではなく、多額の賞金を懸けたビッグ・イベントであり、競馬以上に人気を集める。

なお、メルボルン・カップの出走登録は9月上旬から3回に分けて行われ、400頭ほどの馬が1,650ドルを支払って登録する。徐々に馬数が絞られて10月31日の最終登録では4万9,500ドルを支払ってフル・ゲート24馬が決定される。登録料は返還されず獲得賞金から差し引かれる。参加料が高額なため、勝ち目が少ない馬主は参加できないシステムとなっている。優勝賞金360万ドル、2位90万ドル、6~10位は同額の12.5万ドルである。つまり11~24位は登録料分の損となる。

今年の注目馬は?

9月20日現在、1番人気の日本馬フェイムゲーム
9月20日現在、1番人気の日本馬フェイムゲーム

昨年は日本馬のアドマイヤ・ラクティが本命に推されて大いに盛り上がった。しかし結果は最下位に沈み、その後、厩舎で心臓麻痺により亡くなるという悲劇が起こった。直線での鋭い差し足でコーフィールド・カップを快勝し、カップス・ダブルを願う多くのファンの支持を集めて本命となったが、58.5kgと最重量ハンディを背負っての出走となった。レース中盤までは2番手を保ったが、終盤遅れて最下位となった。

今年もフェイムゲーム(宗像義忠調教師)とホッコーブレーヴ(松永康利調教師)の2頭がコーフィールド・カップとメルボルン・カップに登録している。フェイムゲームは9月20日時点では一番人気。この2頭に賭けて、日本馬が1、2着を独占して大いに話題となった「2006年の再来」を期待したい。

■外国調教馬が急増
 昨年の優勝馬は、ドイツ調教馬のプロテクショニスト(Protectionist)であったが、外国調教馬が数多く出走するのもメルボルン・カップの特徴である。メディアパズル(02年・アイルランド)、デルタブルース(06年・日本)、アメリケイン(10年・フランス)、ドゥーナデン(11年・フランス)と12年で5回も外国調教馬が優勝している。
 昨年の出走24頭中で豪州調教馬(NZ含む)は6頭のみであり、外国調教馬が優勝する可能性は依然として高い。今年もプロテクショニストは2連覇を狙って出走する予定であり、本命に近い。空路で到着する外国馬はメルボルン西郊のウェリビー競馬場で検疫厩舎を受ける。

今年8月に亡くなった名調教師のバート・カミングス(左)
今年8月に亡くなった名調教師のバート・カミングス(左)

■バート・カミングスと調教師たち

 メルボルン・カップ史上最多の12回の優勝を誇りメルボルン・カップの王様(カップス・キング)とも呼ばれた名調教師のバート・カミングスが今年8月30日に87歳で亡くなった。
 最後のメルボルン・カップ優勝は08年のビュードであったが、その後も毎年、カミングスの調教馬は注目を集めた。昨年は孫のジェームス・カミングスと一緒に調教したプレシーデンスが出走して6位に入っている。筆者も何度も競馬場で写真を撮ったが、まさに豪州を代表する人物の1人であった。カミングスの獲得したメルボルン・カップはMCG(メルボルン・クリケット・グラウンド)の豪州競馬博物館に展示されている。今年もジェームスが調教したプレシーデンスが出走登録しており注目を集める。バート・カミングス最後の調教馬に賭けてみるのも面白い。
 ゲイ・ウォーターハウスは、13年にフィオレンテでメルボルン・カップ優勝を果たした初めての豪州人女性調教師となり一躍時の人となった。父トミー・スミスもメルボルン・カップで2回優勝している調教師父娘である。昨年も有力視されたThe Offerや上位を狙うPornichetで勝負をかけてくる。
 11年の優勝馬グリーンムーンを調教したロバート・ヒックモットはAFLの名門メルボルン・デーモンズの元選手。クラウン・カジノの創設者でありメルボルン・カップを過去最多の4回獲得した馬主ロイド・ウィリアムズに見出された。今年はAmralah、Observationalの2頭が馬主ウィリアムズと調教師ヒックモットのコンビの馬だ。
 そのほか、昨年2位のRed Cadeaux、3位のWho Shot Thebarmanをはじめ、今年好調のMongolian
 Khanにも注目したい。


170年以上の歴史と伝統を誇るフレミントン競馬場

■ファッション
 メルボルン・カップではファッションが大きな注目を集める。メルボルンの老舗デパート、マイヤーが開催するファッション・コンテスト(ファッション・オン・ザ・フィールド)は、豪州ファッション界の最高峰でもある。プロ・モデル部門と一般部門があり10月28日まで応募ができる。最先端のファッションまたはクラシックかつ独創性などが求められ、帽子の着用が義務づけられている。2万ドル相当のマイヤー商品券や宝石、ゴールドコーストへの旅行券など優勝賞品総額は5万ドルを超える。
 女性の派手な帽子は、マイヤーをはじめ大手デパートや市内のどこでも買えるが、男性用となると数少ない。名門店はフリンダース駅ドーム口隣にあるシティー・ハッターズはメルボルン・カップの公式帽子店である。

■メルボルン・カップへはおしゃれをして行こう
 会場ではほとんどの人々が派手なファッションに身を包んでいる。一般入場者にはドレス・コードはないが、男性はネクタイ・ジャケット着用など正装に準じるドレス・アップが求められている。着物や浴衣姿の日本人も最近は増えている。

■バラとメルボルン・カップ
 メルボルン・カップに合わせて世界中から選ばれた200種類以上、数万本のバラがフレミントン競馬場を豪華に飾る。バラの色が女性のファッションにも大きく関係していることに注目したい。胸元に当日の花をアレンジしたい人は、地元の花屋にかなり以前から注文しておくことが必要だ。
 コーフィールド・カップはホワイトローズ、コックス・プレートはセシルブラナー・ローズ、ビクトリア・ダービーはコーンフラワー、メルボルン・カップはイエロー・ローズ、オークス(女性の日:牝馬戦)はピンク・ローズ、VRCステークスはレッド・ローズが特徴。

■レース
 メルボルン・カップ・デーでは全10レースが行われる。開場は午前8時半。第1レースは午前10時40分出走。メルボルン・カップは第7レースで午後3時出走。
 一般観客席(芝生席)には臨時馬券売り場が設けてあり、売り場のおじさんは気軽に馬券の買い方を教えてくれる。PlaceとEach Wayは当たる確率が高いのでこれを数レース試してみるのがお勧め。The Age紙またはHerald Sun紙にはそれぞれ特集ページが組んであるので最新情報を入手できる。

■会場への行き方
 フリンダース駅(8番・9番ホーム)から多数の特別列車が出る。9時ごろから着飾った男女が集まり、11時を過ぎると日本のラッシュ・アワー並みの大混雑となる。サザンクロス駅にも停車するがほぼ乗り込めない。トラムは、フリンダース駅からエリザベス通りで57番トラムに乗る。

■競馬場
 一般入場券($74)は、オンラインやフェデレーション・スクエア特設売り場、フリンダース駅、サザンクロス駅などで購入しておくこと。10月16日までは$70で購入できる。当日、フレミントン競馬場では購入できない点に注意。
 会場へはアルコール飲料は持ち込めない。場内でアルコール飲料を買う場合にはパスポートなどの年齢証明書を見せてリスト・バンドを入手する。
 午前中にできるだけレース・コース近くの場所を確保すること。本番レースがスタートすると全員が立ち上がり最前列付近以外ではレースがまったく見えない。レースをよく見たい場合はスタンド席になるが別にチケットの購入が必要。アルコール禁止区域の家族連れのエリアもあり、子どもたちや体の不自由な人が楽しめる施設もある。

馬券購入ガイド

競馬場、フェデレーション・スクエア特設馬券売り場、クラウン・カジノ、オンラインなどいろいろな場所・方法で馬券は買える。配当は買った場所で多少異なる。下記以外にも複数のレースにわたって賭ける馬券もある。

●Win(ウィン:単勝)…選ぶ馬は1頭。1着の馬を当てる。昨年の配当例は約8ドル。
●Place(プレイス:複勝)…選ぶ馬は1頭。3着までに入る馬を当てる。昨年の配当例は2着5ドル、3着3ドル。
●Each Way(イーチ・ウェイ:単勝と複勝の組み合わせ)…選ぶ馬は1頭。1着に入ればWinの配当、3着までに入ればPlaceの配当というお得な馬券。
●Quinellas(キネラ:連勝複式)…選ぶ馬は2頭。1着、2着を当てる。順位は逆もOK。昨年の配当例は87ドル。
●Exacta(エグザクタ:連勝単式)…選ぶ馬は2頭。1着、2着を正しく当てる。昨年の配当例は155ドル。
●Trifectas(トライフェクタ:3連単)…選ぶ馬は3頭を着順通りに当てる。昨年の配当例は2,173ドル。
●First Four(ファースト・フォー:4連単)…選ぶ馬は4頭を着順通りに当てる。昨年の配当例は1万5,381ドル。

■Melbourne Cup 2014
会場:Flemington Racecourse(400 Epsom Rd., Flemington)
日程:11月3日(火)3PM出走
Web: www.melbournecup.comwww.racingvictoria.net.au

文・写真=イタさん(板屋雅博)
日豪プレスのジャーナリスト、フォトグラファー、駐日代表
東京の神田神保町で叶屋不動産(http://kano-ya.biz/)を経営

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