第64回シドニー・フィルム・フェスティバル開催


第64回「シドニー・フィルム・フェスティバル」が6月7日に開幕する。今年も世界中から集められた長編、短編、ドキュメンタリー、アニメなど新旧288本の多彩な作品が、12日間にわたってシドニー各地で上映される。今年10周年を迎えた公式コンペティションでは12本の出品作が審査され、閉幕日に大賞が発表される予定だ。有名女優が出る大作から無名の外国映画まで一挙に楽しめるのが映画祭のだいご味。また、今年は黒澤明監督作品の特集が組まれており、映画史に残る名作を大画面で堪能出来るまたとないチャンスなのでお見逃しなく。(構成・文=大倉弥生)


INFORMATION
■期間:2017年6月7日(水)~18日(日)
■時間:上映プログラムはウェブサイトを参照
■会場:イベント・シネマ(ジョージ・ストリート)、ステート・シアター、デンディ(ニュータウン、オペラ・キーズ)、NSW州立美術館、ヘイデン・オピューム・ピクチャー・パレス(クレモーン)、リッツ・シネマ(ランドウィック)他
■料金:シングル・チケット大人$19.90 、コンセッション$17 、10 枚綴り(Flexi10)$159、20枚綴り(Flixi20)$298、30枚綴り(Flixi30)$397、手数料$2.75~、オープニング·ナイトなど特別イベントは別料金
■チケット購入:オンライン(下記サイトから)または電話(1300-733-733)、チケット売り場(2/10 Hickson Rd, The Rocks)にて
■備考:上映作品の大半が18歳以上の指定有り

公式ウェブサイト:www.sff.org.au

◆オープニング作品◆

WE DON’T NEED A MAP(豪、2017年、ドキュメンタリー)

サザンクロスは誰のもの


豪州国旗にあしらわれ、先住民が崇める南十字星が、近年過激な愛国主義者たちによってナチスのカギ十字のように使われているのではないか。そんな懸念を持ったワーウィック・ソーントン監督(『サムソンとデリラ』)が、南十字星をキーワードにオーストラリアの現在をユーモラスかつ刺激的に読み解くエッセイ・フィルム。

▼オープニング・ナイト・ガラ:6月7日(水)7:30PM ステート・シアター
一般上映:6月11日(日)1:35PM、13日(火)4:35PM ステート・シアター

◆クロージング作品◆

OKJA(韓・米、2017年、ドラマ)

少女とスーパー・ピッグの友情ドラマ


韓国の山奥で少女ミジャは巨大豚のオクジャを10年も世話していたが、突然現れたアメリカ人がオクジャを連れ去ってしまう。オクジャは実は大企業の所有物だったのだ。「親友」を取り返そうとニューヨークへ乗り込むミジャ。やがて社長の恐るべきもくろみが暴かれる。韓国人ポ・ジュノ監督の腕が冴える洋画。

▼クロージング・ナイト・ガラ:6月18日(日)7:30PM ステート・シアター 
一般上映:6月18日(日)8:45PM イベント・シネマ(ジョージ・ストリート)

◆必見! 世界のクロサワ特集◆

©Toho. Co.Ltd.
©Toho. Co.Ltd.

日本映画の黄金期を作り上げただけでなく、コッポラ、スピルバーグ、ルーカス、スコセッシなどハリウッドの有名監督にも多大な影響を与えた映画監督、黒澤明(1910-1998)。1950年代の作品から晩年の80年代の作品まで、名作10本が上映される。

▼上映作品:『羅生門』『生きる』『七人の侍』『蜘蛛の巣城』
『隠し砦の三悪人』『用心棒』『天国と地獄』『赤ひげ』『影武者』『乱』

七人の侍 SEVEN SAMURAI(1954年、モノクロ)


村の収穫物を狙う野武士の襲撃に苦しめられている貧しい農民たちを、行きがかりで助けることになった侍たちの戦いを描く。プロットの面白さ、人物描写の深さ、迫力ある戦闘シーンで世界をうならせた作品。志村喬、三船敏郎など、名優たちの存在感にも圧倒される。『荒野の七人』などハリウッドで2回リメイクされた映画の金字塔。

6月11日(日)10:15AM  NSW州立美術館

天国と地獄 HIGH AND LOW(1963年、モノクロ)


ある日、丘の上の豪邸に住む権藤のところへ「子どもをさらった」と電話が入り、高額の身代金が要求される。しかし、誘拐されたのは権藤の子ではなく、住み込み運転手の子だった。果たして運転手の子どもに身代金を払う価値はあるのか。犯人探しや謎解きではなく、犯罪者の「理由」に焦点を当てた社会派サスペンス。

6月17日(土)10:15AM NSW州立美術館

影武者 KAGEMUSHA(1980年)


戦国時代、武田信玄の死を敵にも配下にも隠すため、瓜二つの盗人の男が信玄の身代わり「影武者」に仕立て上げられる。ニセモノが大将でも軍団が存続していく喜劇を描いて、権力の意味を問う。仲代達矢が信玄と影武者の2役を演じる。膨大な製作費が投じられた壮大な合戦シーンは見もの。

6月18日(日)10:15AM デンディ・オペラ・キーズ

THE BEGUILED(米、2017年、サスペンスドラマ)

白い肌に囚われた男の運命は


南北戦争中のアメリカ南部。負傷して森の中で倒れていた北軍兵士は人里離れた女子寮に助け入れられる。黒一点の兵士の存在はやがて女性たちの深い欲望を目覚めさせることに。『白い肌の異常な夜』のリメイク。ソフィア・コッポラ監督。

6月17日(土)8:40PM ステート・シアター
6月18日(日)11:55AM ステート・シアター

怒り RAGE(日本、2016年、ミステリー・ドラマ)

素性の知れない人を愛せますか


殺人現場に残されたのは「怒」の血文字。犯人が逃走して1年後の千葉、東京、沖縄。ふらりと現れた謎の男は犯人なのか。出演は渡辺謙、宮崎あおいの他、妻夫木聡と綾野剛が同性愛のカップルを演じたことでも話題に。李相日監督。

6月11日(日)8:30PM イベント・シネマ(ジョージ・ストリート)
6月14日(水)8:15PM デンディ・ニュータウン

THE OTHER SIDE OF HOPE(フィンランド・独、2017年、ドラマ)

シリア難民と食堂オーナーの友情物語


人生の転機を図ってレストランを始めた元営業マンは、シリア難民の男を雇うことに。難民が「哀れみの対象」でも「社会的脅威」でもなく、1人の人間として描かれる。監督は底辺の人間を描くことに定評あるアキ・カウリスマキ。

6月11日(日)6:05PM ステート・シアター
6月12日(月)11:35AM ステート・シアター
6月18日(日)5:55PM ヘイデン・オピューム

風に濡れた女 WET WOMAN IN THE WIND(日本、2016年、ドラマ)

日本のロマン・ポルノ復活


1970年代に低予算、10分に1回の濡れ場という条件で制作された日活ロマンポルノの復活企画作品。女性に興味のない男(永岡佑)に自由奔放な女(間宮夕貴)が絡んだコメディータッチのストーリー。塩田明彦監督。

6月12日(月)6:05PM デンディ・オペラ・キーズ
6月16日(金)8:45PM デンディ・オペラ・キーズ

TASTE OF CHERRY(イラン、1997年、ドラマ)

人生の味がするイラン映画の傑作


昨年死去したイラン映画の巨匠アッバス・カロスタミ監督を追悼し、日本でも公開された『桜桃の味』を上映。自殺のほう助者を探し歩く自殺志願の中年男を通して、人生の意味を静かに問いかける傑作。

6月10日(土)12PM デンディ・ニュータウン

DIAMOND ISLAND(カンボジア・仏・独、2016年、ドラマ)

美しい映像が光るほろ苦い青春ドラマ


田舎から首都プノンペンに来て開発地区の建築現場で働く純朴な18歳の青年が、大人の世界に足を踏み入れ成長していく物語。どのシーンもみずみずしい感覚が溢れる、カンボジア系若手監督の作品。

6月9日(金)6:30PM デンディ・オペラ・キーズ
6月17日(土)8:35AM デンディ・オペラ・キーズ

BELLE de JOUR(仏・伊、1967年、ドラマ)

フランス映画のクラシック『昼顔』


幸福な生活をパリで送る医師の妻(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、自らの性的幻想を満たすため昼間だけ高級娼婦として働き始める。奇才ルイス・ブニュエル監督のエロチシズムは50年を経た今も色あせない。

6月7日(水)6PM デンディ・オペラ・キーズ
6月10日(土)4PM ヘイデン・オピューム

MY LIFE AS A ZUCCHINI(スイス・仏、2016年、アニメ)

ファミリー向けフレンチ・アニメ


主人公のズッキーニは9歳でアルコール依存症の母を亡くし孤児院へ。新しい「家族」の中で困難にぶつかりながら前向きに生きていく姿が描かれ、子どもだけでなく大人も勇気が湧いてくる。

6月10日(土)10AM イベント・シネマ(ジョージ・ストリート)
6月12日(月)11AM キャスラ・パワー・ハウス
6月17日(土)1:35PM デンディ・ニュータウン
6月18日(日)10:45AM イベント・シネマ(ジョージ・ストリート)

AMA-SAN(ポルトガル・スイス・日本、2016年、ドキュメンタリー)

海女さんを世界に伝えるドキュメンタリー


アワビやサザエを素潜りで採る志摩半島の海女を取材したポルトガル人女性監督の作品。海の幸に敬意を払って働く40代~70代の3人の海女の日常を丁寧に描く。海女と共に観客も海の底へと誘い込むような美しい映像。

6月10日(土)10:15APM イベント・シネマ(ジョージ・ストリート)
6月13日(火)10AM ステート・シアター

THE FARTHEST(アイルランド、2017年、ドキュメンタリー)

宇宙の果てには何がある


1977年にNASAが打ち上げた2つの宇宙探査機ボイジャーは、この40年間でさまざまな発見をもたらし今も宇宙を遊泳中。果たして宇宙に生命体を存在するのか。探査計画の歴史をたどり、驚異の映像で宇宙の旅を疑似体験出来る。

6月16日(金)8:30PM デンディ・オペラ・キーズ
6月18日(日)9:30AM ステート・シアター

BARBECUE(豪、2016年、ドキュメンタリー)

よだれが出てくるバーベキュー映画


オーストラリア人監督がバーベキューの神髄を見つけるべく、世界各地のオリジナルなバーベキュー・シーンを取材。人と集って食べることの楽しさを再認識させてくれるドキュメンタリー。日本の焼き鳥も登場する。

6月14日(水)6PM デンディ・オペラ・キーズ
6月17日(土)3PM キャスラ・パワーハウス
6月18日(日)8:10PM デンディ・ニュータウン

WORKERS CUP(英、2017年、ドキュメンタリー)

もう1つのワールド・カップ


2022年サッカーW杯の開催地カタールの会場建設現場では、数千人の移民労働者が家族と離れ劣悪な環境下で働いている。何の楽しみもない彼らのために企画された会社対抗サッカー試合の記録。男たちが燃える!

6月11日(日)10:30AM イベント・シネマ(ジョージ・ストリート)
6月18日(日)2:05PM デンディ・オペラ・キーズ

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