メルボルン・カップ観戦&必勝ガイド2017

本記事の情報は9月19日時点のもの
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国家を止める競馬「ストップ・ザ・ネーション」の愛称を持つメルボルン・カップが、11月7日(火)に開催される。

毎年11月第2火曜日に同市内のフレミントン競馬場で開催される同レースは、今年で157回目。世界で唯一、開催日が祝日となる国家公認の競馬で、10万人以上の観客を集め、賞金総額620万豪ドル、フル・ゲート24頭、芝3,200mと世界最高水準の3歳馬以上のレースである。

一昨年、単勝101倍という史上最も高いオッズで女性騎手ミシェル・ペインがメルボルン・カップを制し、また昨年は8番人気のアルマンダン(K・マカヴォイ騎手、R・ヒクモット厩舎、52kg)が優勝するなど、メルボルン・カップは世界で最も荒れるレースと言われ予想はかなり難しい。そこで、優勝馬を予想し、メルボルン・カップを楽しむためのポイントを紹介する。

ハンディキャップ

実力が違う出走馬の条件を均等にするために、良い結果を残した有力馬ほど重い重量が課される。活躍した馬に賭けるのか、結果は残していないが、重量が軽い馬に賭けるのか、かなり迷うところだ。昨年は、軽ハンディで8番人気のアルマンダンが勝利して、重ハンディのボンダイビーチとカレンミロティックは惨敗した。

日本馬

長距離を得意とする日本馬・アルバートに期待が高まる
長距離を得意とする日本馬・アルバートに期待が高まる

昨年は天皇賞2着のカレンミロティック(平田修厩舎)は期待外れの23着に終わった。今年は、アルバート(調教師:堀宣行)が出走予定。長距離を得意としており、フレミントン競馬場3,200mの超長距離には有利と見られる。今年春の天皇賞4位のアドマイヤデウスは(梅田智之厩舎)は今年8月にVIC州D・ウィアー厩舎へ移籍してコーフィールド・カップ、メルボルン・カップに出走する予定で高い前人気である。

メルボルン・カップやスプリング・レーシング・カーニバルでは日本馬が毎年活躍し、今年で9頭目になり豪州のファンも注目している。

2006年に日本馬2頭、デルタブルースとポップロックが1、2着を独占し、在住日本人では連勝複式でこの2頭を買って大金を手にした人は多く、日本馬の独占は当時のニュースでも話題になった。夢の再来を期待したい。

スプリング・レーシング・カーニバル

フレミントン競馬場はレース当日、多くの競馬ファンで溢れかえる
フレミントン競馬場はレース当日、多くの競馬ファンで溢れかえる

10月から11月初旬にかけてVIC州G1レースが集中的に行われる。

コーフィールド・カップ(10月21日)、ジローン・カップ(10月25日)、コックス・プレート(10月28日)、ビクトリア・ダービー(11月4日)、メルボルン・カップ、VRCオークス(11月9日)、VRCステークス(11月11日)の7戦を主なレースとしてスプリング・レーシング・カーニバルと呼ぶ。

ビクトリア・ダービーからVRCステークスまでを「メルボルン・カップ・ウィーク」と言い、G1の4レースが集中するため街中がお祭りムードに包まれる。メルボルン・カップの参考となる重要なレースは、コーフィールド・カップとコックス・プレートである。コーフィールド・カップとメルボルン・カップの両レースで優勝するとカップス・ダブルと呼ばれ名誉なこととされるが、優勝馬はハンディ重量が付加される。

昨年の有力馬に注目

初回登録で出走が予想される有力馬を見てみる。()は昨年の順位。ちなみに、昨年の優勝馬アルマンダンが今年の一番人気となっている。

Pペンザンス、ビッグオレンジ(5位)、アワーアイバンホー(10位)、フーショットシバーマン(11位)、ザユナイテッドステーツ(14位)、ハートネル(15位)、ボンダイビーチ(16位)、アルムーンキシュ(18位)、プリファーメント(20位)

有力調教師とオーナーに注目

有力調教師は名門厩舎を経営し、政財界などの富裕層オーナーから高価の有力競走馬を預かり、高額賞金の競馬レースに出走させる。巨大な資金とネットワークを持つ一流調教師は、数多くの有力な若い馬を育てている。有力調教師が出してくる馬は勝つ可能性が高い。

昨年の優勝馬アルマンダンのオーナー、ロイド・ウィリアムズは、クラウン・カジノの創設者でありギャンブル界や豪州の新聞・テレビ業界にも影響力を持つ経済界の大物であり、メルボルン・カップで過去最多の5回の優勝を勝ち取っている有名馬主でもある。R・ヒックモット厩舎とのコンビで連覇を狙っている。

今年は一体どの馬が難条件のレースを制するのか
今年は一体どの馬が難条件のレースを制するのか

世界的な競馬シンジケートであるゴドルフィンが昨年から本格的にメルボルン・カップに進出してきた。

ドバイの王族が巨額資金を出資して、世界中に牧場と多数の有力馬を保有し、世界の競馬界に旋風を巻き起こしている。ゴドルフィンの名は、サラブレッドの源流の1つ、ゴドルフィン・アラビアンに由来する。昨年は、3着ハートネル、4着キウイ、12着オーシャングラファー、7位ビューティフルロマンス、21着シークレットナンバーの5馬を送り込んだ。

専属調教師のチャーリー・アップルビー、サイード・ビン・スルールで初優勝を目指す。

ロバート・ヒックモット:昨年優勝馬アルマンダンと2012年優勝馬グリーンムーンを調教。ヒックモットはAFLの元選手でロイド・ウィリアムズに見出された。今年は、アルマンダン、アロフト、アムララー、ボンダイビーチなどが出走予定。

ダレン・ウェア:VIC州の田舎町の調教師。地方競馬では有名であったが、一昨年の史上初のメルボルン・カップ優勝女性騎手ミシェル・ペインが騎乗するプリンスオブペンザンスを調教したことで一躍人気調教師に躍り出た。

チャーリー・アップルビー:ゴドルフィン軍団が送り込む有力調教師。フランシスオブアッシジ、キウイ、キッドメネバーなど多数が出走予定。

ガイ・ウォーターハウス:シドニー出身で、13年のフィオレンテでメルボルン・カップに優勝した初めてのオージー女性調教師である。

ジェイムズ・カミングス:メルボルン・カップ12回の優勝を誇る伝説の調教師で一昨年他界したバート・カミングスの孫。今年はゴドルフィンのハートネルで勝負する。

デビッド・ヘイズ:メルボルン・カップ1回、ジャパン・カップ1回を含むG1レース87回の優勝を誇り、既に豪州競馬殿堂入りの名トレーナーである。昨年はクライテリオン、アルムーンキシュで出走。

有力ジョッキーに注目

出走前は勝ち馬予想と馬券購入が何よりの楽しみ
出走前は勝ち馬予想と馬券購入が何よりの楽しみ

欧米、アジア、日本で活躍する世界的なジョッキーが集結する。どの騎手も実力がずば抜けている。

ケリン・マカボイ:SA州出身。2000年と昨年の2度メルボルン・カップで優勝した名ジョッキー。欧州でも大きなレースで優勝して経験豊富。今年もアルマンダンに騎乗予定。

ヒュー・ボーマン:世界ランク1位。昨年はフーショットザバーマンで5着。今年もクリス・ウォーカー厩舎の馬に騎乗と見られる。

ライアン・ムーア:世界ランク2位。英国人。14年メルボルン・カップ優勝馬プロテクショニストに騎乗。欧米のG1レース、ジャパン・カップなどを制し、昨年までに94勝を挙げておりファンが多い。昨年は2番人気のボンダイビーチに騎乗したが、13着。

ジョアン・モレイラ:世界ランク5位。ブラジル出身。香港での愛称は「雷神」。昨年はハートブレイクシティーに騎乗して鼻差の2位。

クレイグ・ウィリアムズ:欧州、豪州、アジア、日本でG1レース39勝を誇る辣腕騎手であるがメルボルン・カップだけは未勝利であり、今年こそ執念で勝ち取るかが見どころ。

ダミアン・オリバー:13年のフィオレンテなどメルボルン・カップ優勝3回を誇る。06年メルボルン・カップでは日本馬ポップロックに騎乗し2着に入り、優勝した日本馬デルタブルースと共に記憶に新しい。昨年は、ガイ・ウォーターハウス調教のエクソスフェリックに騎乗し、5着に入賞している。

ファッション

華やかに埋め尽くされる女性たちのファッションにも注目
華やかに埋め尽くされる女性たちのファッションにも注目

 スプリング・レーシング・カーニバルの期間中のメルボルンの街は華やかなファッションの女性で埋め尽くされる。メルボルンの老舗デパート「マイヤー」が開催するファッション・コンテスト、ファッション・オン・ザ・フィールドは、豪州ファッション界の最高峰でもある。一般部門は11月1日まで応募ができる。昨年、フレミントン競馬場の中にファッションやエンターテインメント専門の施設ザ・パークがオープンして、ますます魅力が増している。
 メルボルン・カップの一般入場者にはドレス・コードはないが、男性はスーツ、ネクタイ、皮靴の着用など正装に準じるドレス・アップが求められている。着物や浴衣姿の日本人も最近は増えているが、海外からの来場者は、フォーマルな民族衣装の着用が歓迎されている。

レース
 メルボルン・カップ・デーには全10レースが行われる。第1レースは午前10時40分出走。メルボルン・カップは第7レースで午後3時出走。一般観客席には、臨時馬券売り場が設けてある。複勝(Place)と単勝+複勝(Each Way)は当たる確率が高いのでこれを数レース試してみるのがお薦め。The Age紙、Herald Sun紙には特集ページが組まれてあるので最新情報を入手できる。

会場への行き方
 フリンダース駅から早朝から多数の特別列車が出る。トラムは、フリンダース駅エリザベス通りで57番トラム。サザンクロス駅にも停車するが満員で乗車できないこともあるので注意。

競馬場
 一般入場券($79)は当日、競馬場では発売されていないので、ネットやフェデレーション・スクエアの特設売り場、フリンダース駅、サザンクロス駅などで事前に購入しておくこと。会場へはアルコール飲料は持ち込めない。開場は午前8時半で、会場に着いたら、まずレース・コースのすぐ前に陣取ることがコツ。レースがスタートすると全員が立ち上がるので芝生席では最前列付近以外ではレースが全く見えない。家族連れのエリアもあり、子どもたちも楽しめる施設もある。身体障害者も入場可能。アルコール禁止区域なので安心して楽しめる。
 スマートフォンでフレミントン競馬場ガイドのアプリをインストールしよう。

馬券購入ガイド

競馬場、フェデレーション・スクエア特設馬券売り場、クラウン・カジノ、ネットなどいろいろな方法で馬券は買える。

●Win(ウィン:単勝)選ぶ馬は1頭。1着の馬を当てる。
●Win(ウィン:単勝)選ぶ馬は1頭。1着の馬を当てる。
●Place(プレイス:複勝)選ぶ馬は1頭。3着までに入る馬を当てる。
●Each Way(イーチ・ウェイ:単勝と複勝の組み合わせ)選ぶ馬は1頭。1着に入ればWinの配当、3着までに入ればPlaceの配当というお得な馬券。
●Quinellas(キネラ:連勝複式)選ぶ馬は2頭。1着、2着を当てる。1着、2着が逆でもOK。
●Exacta(エグザクタ:連勝単式)選ぶ馬は2頭。1着、2着を正しく当てる。
●Trifectas(トライフェクタ:3連単)選ぶ馬は3頭を着順通りに当てる。
●First Four(ファースト・フォー:4連単)選ぶ馬は4頭を着順通りに当てる。

これ以外にも複数のレースにわたって賭ける馬券もある。

■Melbourne Cup
会場:Flemington Racecourse(448 Epsom Rd., Flemington VIC)
日程:11月7日(火)3PM出走
Web: www.flemington.com.au/melbournecupcarnivalwww.racingvictoria.net.au

文・写真=イタさん(板屋雅博)
日豪プレスのジャーナリスト、フォトグラファー、駐日代表。
東京の神田神保町で叶屋不動産(http://kano-ya.biz/)を経営

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