【QLD】モンスター・マシンが爆走 GOLD COAST 600

10月19日(金)~21日(日)にオーストラリアで最も人気の高いモーター・スポーツ・イベント「バージン・オーストラリア・スーパーカー・チャンピオンシップ」(以下、VASC)がサーファーズ・パラダイスを舞台に開催される。かつて「V8スーパーカー・シリーズ」と呼ばれていたレースで、期間中は多くの観客がゴールドコーストを訪れ、街は興奮の渦に包まれる。迫力満点のレースの魅力を余すところなく紹介する(記事の情報は9月4日時点)。(文=内藤タカヒコ)

VASCとは?

VASCとは、2016年まで「V8スーパーカー・シリーズ」(通称V8)と呼ばれて長年にわたって親しまれ、同年7月より「バージン・オーストラリア・スーパーカー・チャンピオンシップ」に名称が変更されたレースのことだ。

オーストラリアとニュージランドの16カ所で開催され、ドライバー及びチームが獲得するポイントで年間チャンピオンが決まる仕組みとなっている。

ゴールドコーストで開催されるレースは、その中の第14戦で、正式名称は「ボーダフォン・ゴールドコースト600」。

1年を通してポイントを争うが、VASCのユニークな点は、開催場所によりコースの距離や時間などの条件が異なることだ。ゴールドコーストの場合はエンデューロ・カップと呼ばれるレースで、2人のドライバーがペアとなり1台の車で300キロのレースを2日間で2回行う(この他にスーパー・スプリント、国際スーパー・スプリント、スーパー・ストリートがある)。

VASCの車両

F1やラリーなどモーター・スポーツでは、さまざまな種類の車両が使われるが、VASCで使用されるのは「ツーリング・カー」と呼ばれるレーシング・カーだ。

ツーリング・カーとは市販車をベースにチューン・アップし安全性を強化した車両のことで、レースの種類によって細かな規定が決められている。VASCの場合、FR(フロント・エンジンで後輪駆動)で、4シート、V型8気筒または直列4気筒のターボ・エンジンの車両が使用され、フォード・ファルコン、ホールデン・コモドア、日産・アルティマの3種類が参戦している。

市街地サーキットの魅力

VASCのレースの多くは専用のレース場で行われるが、ゴールドコーストでは「市街地サーキット」と呼ばれる一般道を封鎖して作られる一時的なレース場で開催される。

市街地サーキットには、世界3大レースの1つであるF1のモナコ・グランプリなどがあり、専用のレース場とは異なる魅力で溢れ、多くのモーター・スポーツ・ファンを魅了している。

市街地サーキットの最大の魅力は、普段一般道として使われている道路が突然サーキットに変貌する点だ。仕事や買い物で利用している見慣れた道路を、時速250キロ以上のスピードでモンスター・マシンが駆け抜けていく光景はまさに衝撃的だ。

大迫力のエンジン音、タイヤやオイルの焦げる臭い、至近距離で繰り広げられるバトルなど見どころがいっぱい
大迫力のエンジン音、タイヤやオイルの焦げる臭い、至近距離で繰り広げられるバトルなど見どころがいっぱい

また、観客とマシンの距離が近いことも特徴だ。通常のレース場では安全のためのエスケープ・ゾーンが十分に確保され、観客との間には一定の距離が保たれている。一方で、市街地サーキットではこの距離が短く、文字通り「目の前」をレーシング・カーが駆け抜けていく。また、コースの幅が狭く追い越すポイントが限定されるため、ドライバーの技量が試されるのも特徴であり、見どころだ。テール・トゥ・ノーズ(前のマシンの後部と後のマシンの先端部が、触れそうなほど接近すること)、サイド・バイ・サイド(2台のマシンが並んだ状態)などのバトル・シーンを楽しめる。

追い越しポイントが少ないため、偶発的なイエロー・フラッグ(コース上で何らかのトラブルが発生し、安全確保のために追い越しが禁止される)にレース展開が左右されたり、ピット・インのタイミングやドライバーの交代などチームとしてレース全体をどう戦うのかといった作戦も重要視される。

もし住まいや滞在先のホテルなどからレースを観ることができるなら、通常のレースでは絶対に観られないアングルから観戦することもできるだろう。運が良ければ、トラムの中からもレースを観ることができるかもしれない。

レースの見どころ

レースは、金曜日に練習走行、土曜日に第1レースの予選と決勝、日曜日に第2レースの予選と決勝が行われる。

シーズンの全体としてのゴールドコーストでのレースを見た時、同レースは、年間タイトルの行方に注目が集まる1戦となる。昨シーズンのドライバー・チャンピオンはジェイミー・ウィンカップ、チームはシェル・V・パワー・レーシング・チームが王座を獲得した。しかし、両者とも2位との差はごくわずかで、レースは大いに盛り上がりを見せた。

当稿執筆時点での2018年ポイント・ランキングは、ドライバー・チャンピオンではシェーン・ファン・ギズバーゲンが首位。2位にスコット・マクローリン、3位にジェイミー・ウィンカップが着け、この3人が首位の座を僅差で争っている。チームでは首位にレッド・ブル・ホールデン・レーシング・チーム、2位にシェル・V・パワー・レーシング・チームとなっており、この2チームによる熾烈なタイトル争いからも目が離せない。

また先頃、V8スーパーカー・シリーズで3回の年間チャンピオンに輝いた大ベテランのドライバー、クレイグ・ラウンズが今季限りで第一線を退くことが発表された。レギュラー参戦を辞退し、今後はスポット参戦になる予定だが、今季タスマニア・スーパー・スプリントで優勝し、ポイント・ランキングでも当稿執筆時点で4位の偉大なベテラン・ドライバーの走りにも注目したい。

VASCは伝統的にフォード対ホールデンの争いとして楽しまれ、地元ホールデンを応援するオージーが多い。レース規定が変更された13年からは、日産も参戦しているが、18年をもってワークス活動(メーカーが自己資金でレース活動を行うこと)を終了すると発表した。ゴールドコーストで日産ワークスの勇姿が見られる最後のチャンスとなる。ただしメーカーとしては参戦しないが、プライベートで日産車を使うチームが出場する可能性は残されている。

雨天となった昨年の第1レース(土)は、チャズ・モスタート、スティーブ・オーウェン組のスーパー・チープ・オート・レーシングのフォード・ファルコンが優勝した
雨天となった昨年の第1レース(土)は、チャズ・モスタート、スティーブ・オーウェン組のスーパー・チープ・オート・レーシングのフォード・ファルコンが優勝した
2日目の第2レース(日)はスコット・マクローリン、アレクサンドル・プレマット組のシェル・V・パワー・レーシング・チームのフォード・ファルコンが優勝
2日目の第2レース(日)はスコット・マクローリン、アレクサンドル・プレマット組のシェル・V・パワー・レーシング・チームのフォード・ファルコンが優勝

イベントも楽しもう

レース期間中は会場内の至る所でレース・カーや、さまざまなマシンが展示され、間近でじっくり見ることができるのも楽しみだ。

10月20日(土)の夜には恒例の音楽イベント「ブロードウォーター・サウンド・コンサート」がブロードウォーター・パークランドで開催される。同日のレース観戦チケットを購入した人はそのまま入場できる。出演アーティストはフォリナー、ライブ、シェパードで、コンサートの詳細が決まり次第ウェブサイトで発表される。

メイン・レースのVASCの他に、市販ピックアップ・トラックや、ポルシェ911 GT3によるレース・イベント、モトクロス・バイクのショー、出走ドライバーによるパレードなども行われ、自動車好き、レース好きには楽しみなイベントが盛りだくさんとなる。これらイベントの詳細も決定次第ウェブサイトで発表されるので、最新情報をチェックするようにしておこう。

レース期間中は人気チームのオリジナル・グッズやレース関連商品を扱うショップがマッキントッシュ・アイランドに店舗を構え、軽食やドリンクも提供される。レース好きが集まることで有名な名物スポットの「クーパーズ・ロール・バー」「日野スポーツ・デッキ」などもオープンするので、こちらもぜひ訪れてみたい。

チケット・インフォメーション

■ゴールドコースト市街地サーキット
全長:2.96km、平均速度:146km/h、最高速度:265km/h

ゴールドコースト市街地サーキット

お得な前売りチケットは、ウェブサイト(premier.ticketek.com.au/shows/show.aspx?sh=GOLDIE18)で好評発売中。当日券も発売される予定で、詳細が決まり次第公式ウェブサイトで発表される。

チケットは観戦場所別に3種類ある。「トラック・サイド」は立ち見の自由席で、1~3日間の種類があり、各所に設けられたバーやカフェ、ギフト・ショップ、ファミリー・ゾーンなどの利用が可能。お祭り気分を味わいたい人にお薦めで、保護者が同伴であれば12歳未満は入場が無料となる。

「ファン・スタンド」はレースの観戦ポイントとなる5つのエリアにあるシート席(自由席)で、各エリア間を自由に移動できる(3歳以下は無料)。「プラチナ・グランド・スタンド」は屋根のある指定席で、ピット・レーンの反対側や、シケイン(追い越しポイントになる複合カーブ)といったレースの醍醐味を堪能できる7つのエリアに設置され、保護者が同伴であれば12歳以下は入場無料となる。

また、上記以外にもピットを間近に見学できるチケット「ピット・レーン・ウォーク」も同ウェブサイトで発売中で、値段は大人30ドル(観戦チケットが別途必要、12歳未満は保護者同伴で入場無料)となっている。

トラック・サイド

3日間 2日
(金・土か土・日)
1日(金) 1日(土) 1日(日)
大人 $125 $120 $55 $95 $85
コンセッション $110 $105 $45 $85 $75

ファン・スタンド

3日間 2日
(土・日)
1日(金) 1日
(土か日)
大人 $225 $190 $75 $125
コンセッション $215 $180 $70 $115
小人(4~12歳) $145 $125 $65 $85
ファミリー(大人2人+小人2人) $520 $430 $180 $290

プラチナ・グランド・スタンド

3日間
大人 $320
コンセッション $300

交通規制に注意しよう

レースの開催に伴い、10月15日(月)の深夜から10月23日(火)の早朝まで、コースとその周辺の道路が交通規制の対象になり、通行止めや双方向通行道路になる。また一部のバスも運休される。

更に安全確保のため速度規制も行われ、対象区間は時速50キロに制限され、場所によっては40キロに制限される(交通規制の期間は道路によって異なる)。

このため市内各所で交通渋滞が予想されたり、目的地まで車では行けないこともあるので最新の交通情報をチェックするなどして注意しよう。

当稿執筆時点では交通規制の詳細が発表されていないため、変更になる可能性もあるが、事前にQLD州政府のウェブサイトを参照したり、下記電話番号に問い合わせ、最新の交通情報を確認しよう。

道路交通規制の問い合わせ先
■Tel: 131-940
■Web: www.qldtraffic.qld.gov.au

バスの運行状況の問い合わせ先
■Tel: 131-230
■Web: www.translink.com.au

Vodafone Gold Coast 600
■会場:サーファーズ・パラダイス、メイン・ビーチ、ブロード・ウォーター
■日程:10月19日(金)~21日(日)
■Web: www.supercars.com

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