第66回シドニー映画祭お薦め作品ガイド

第66回シドニー映画祭お薦め作品ガイド

毎年恒例の大型映画祭シドニー・フィルム・フェスティバルが、12日間にわたりシドニーの9拠点で開催される。今年も豪州を始め世界各国の新作や注目作が目白押しで、邦画作品の公開もあり。ワールド・プレミア公開作品、短編フィルムやコンペティション参加作品の他、今回の目玉となる「世界のドキュメンタリー映画特集」では、有名人のスキャンダルから宇宙の冒険まで幅広く光が当てられる。お薦め作品の情報を参考に、鑑賞チケットを予約して会場へ足を運ぼう。

Sydney Film Festival

■日程: 6月5日(水)~16日(木)
■会場(記事本文中では略記):State Theatre(STATE)、Event Cinemas George Street(EC)、Hayden Orpheum Cremorne(HOC)、Ritz Cinema Randwick(RITZ)、Dendy Newtown(DNEW)、Dendy Opera Quays(DOQ)、Hoyts Entertainment Quarter(HEQ)、Casula Powerhouse(CASULA)、Art Gallery of New South Wales(AGNSW)
■料金:大人$21、コンセッション$18、17歳以下$14、10枚綴り$162.50、20枚綴り$305、30枚綴り$420、ユース(15~24歳)6枚綴り$75 ※オンライン購入手数料あり。イベント参加は別料金
■チケット購入:オンライン(下記)、電話(Tel: 1300 733 733)、またはボックス・オフィス(シドニー・タウン・ホール)
■備考:作品ごとにクラシフィケーション、または鑑賞可能な年齢の設定あり 
★公式ウェブサイト: www.sff.org.au

オープニング作品

PALM BEACH豪、2018年、ドラマ/コメディー、All Ages

 シドニー郊外のパーム・ビーチで誕生日パーティーを企画したフランク(ブライアン・ブラウン)は、かつてのバンド仲間らと感動の再会を果たすが、ある秘密が明かされると一気に緊張ムードに。イギリス/豪州の女優・監督レイチェル・ウォードが、往年の友情、美しい景色、機知に富んだ会話を盛り込んで描くコミカルな人間ドラマ。

オープニング上映:6月5日(水)7:30PM/STATE
一般上映:6月10日(月)4:15PM/STATE

クロージング・イベント

CLOSING NIGHT GALA 2019各賞の受賞作品上映、入場は18+

 世界各国の作品を上映するだけでなく、映画作品のコンペティションも同時開催しているシドニー映画祭。その最終日のイベントとして、シドニー映画賞や短編映画賞などの受賞作品が発表される。どの作品がクロージング作品として上映されるかは直前までお楽しみに。会場となる絢けんらん爛豪華なステート・シアターで、特別な夜を過ごそう。

6月16日(日)7:30PM/STATE

注目! 世界のドキュメンタリー映画特集

UNTOUCHABLE米、2019年、ドキュメンタリー、R18+

 アメリカの著名映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの栄光と失墜に光を当てる。社会的地位を利用した女優などへの数々のセクハラや性的暴行が明るみに出た彼は、2018年に逮捕され、「#MeToo」運動の中で時の人となった。本作では、実際の被害者女性による生々しい証言も交え、出来事の背景に鋭く迫っている。

6月10日(月)4PM/EC
6月13日(木)6:30PM/DNEW

XY CHELSEA英、2019年、ドキュメンタリー、18+

 元兵士のチェルシー・マニングスは、米軍ヘリがイラクで民間人を射殺する衝撃映像などの機密情報を漏ろうえい洩させたことから、有罪判決を受け刑に服した。トランスジェンダーとして、内部告発者として、彼女はこれからどんな人生を歩むのか。政府告発の背景から1人の人間としての心理まで、チェルシーの「生」にスポットを当てる。

6月11日(火)6:30PM/DNEW
6月16日(日)6:45PM/EC

APOLLO 11米、2018年、ドキュメンタリー、G

 これまで未公開だった映像や音声満載で、アポロ11号の月への旅路と地球生還を描く奇跡のドキュメンタリー。NASAの有人月面飛行から今年で50年となることを記念し、トッド・ダグラス・ミラー監督が10年を掛けて完成させた。各国の宇宙開発競争が活発化し、月への冒険の夢が花開いた1969年当時を知る人も知らない人も大興奮間違いなしの93分。

6月10日(月)9:30AM/STATE
6月15日(土)2PM/CASULA 他

ONE CHILD NATION中/米、2019年、ドキュメンタリー、15+

 サンダンス国際映画祭で高く評価された、中国の1人っ子政策を描く注目作。1979~2015年に行われた人口抑制策がもたらした誘拐や女児の育児放棄など、社会の崩壊につながりかねない衝撃的な実態を、当事者世代の監督らが関係者へのインタビューやリサーチを通して暴く。6月7日の上映は監督によるQ&Aセッションあり。

6月7日(金)1:45PM/STATE

SKIN米、2018年、ドラマ、15+

スキンヘッドが愛を知った時

 白人至上主義者として育ったバイロンはスキンヘッドとして暴力に明け暮れる毎日だったが、3人の子持ちのジュリーを好きになったことで苦痛に満ちた選択を迫られる。『リトル・ダンサー』で少年ビリーを演じたジェミー・ベルの迫真の演技は必見。

6月6日(木)6:15PM/EC
6月8日(土)7PM/RITZ 他

VAIニュージーランド、2019年、ドラマ、15+

7つの島国、7つのストーリー

 フィジーやトンガなど南太平洋の7つの島国を舞台に、先住民の女優が7歳の少女から曾祖母の年代まで、年齢は異なるがバイという同じ名の女性の「ある1日」を演じる。女性たちの姿と共に各地の自然や文化を、女性監督たちが情熱を込めて描く。

6月14日(金)8:30PM/DOQ
6月15日(土)7:30PM/CASULA 他

ALPHA, THE RIGHT TO KILLフィリピン、2018年、サスペンス、15+

フィリピン麻薬戦争、勝者は誰か

 大統領の指令の下、麻薬の売人などが超法規的に射殺されているフィリピンの実情をサスペンス仕立てで描く。一見真面目なSWATの指揮官エスピノと、片やスラムで家族を養うために麻薬を作るアルファの人生が交錯する。スタイリッシュな映像に注目。

6月8日(土)4:30PM/EC
6月10日(月)4:45PM/DOQ

ROLLING THUNDER REVUE: A BOB DYLAN STORY BY MARTIN SCORSESE米、2019年、ドキュメンタリー、All Ages

音楽と映画、2人の天才がタッグ

 1975~76年のアメリカでジョーン・バエズやミック・ロンソンらを迎えて敢行されたボブ・ディランのツアーを、巨匠マーティン・スコセッシ監督が追った話題作。ライブやインタビューを含む143分の映像が、当時の音楽シーンを熱く伝える。

6月11日(火)8:45PM/STATE

CHILDREN OF THE SEA 海獣の子供日、2019年、アニメ、All Ages

アニメーションは『鉄コン筋クリート』制作陣

 学校にも家にも居場所のない少女、ジュゴンに育てられた少年とその兄、3人の出会いが地球に不思議な変化を引き起こす。壮大なスケールで海の神秘を描く五十嵐大介の長編漫画を原作に、監督は『宇宙兄弟♯0』の渡辺歩、音楽は久石譲が担当。

6月15日(土)4:15PM/HEQ
6月16日(日)4:30PM/STATE

JESUS 僕はイエス様が嫌い日、2018年、ドラマ、All Ages

子ども時代の友情を思い出させてくれる

 雪深い地方へ転校してきた小学生ユラ(佐藤結良)は、同級生と参加する礼拝に戸惑いながらも次第にイエス様の力を感じ始める。気鋭の若手監督・奥山大史(当時22歳)が手掛け、第66回サンセバスチャン国際映画祭で最優秀新人監督賞などに輝いた話題の新作。

6月14日(金)6:10PM/EC
6月15日(土)4:30PM/EC

IN THE REALM OF THE SENSES 愛のコリーダ日/仏、1976年、ドラマ/ロマンス、R18+

邦画界に衝撃を与えた愛と性の物語

 鬼才・大島渚監督が日本のエロスを描き一大センセーションを巻き起こした往年の名作。純愛の末路とも猟奇殺人とも言われた「阿部定事件」を基にした官能的なドラマを、1日限定のオール・ナイト上映で他3作品と共に49ドルで楽しめる。

6月9日(日)12:05PM/DNEW

PAIN AND GLORYスペイン、2019年、ドラマ、18+

アルモドバル監督3年ぶりの新作

 『オール・アバウト・マイ・マザー』などを生んだスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督の、現在と過去が交錯する自伝的映画。ジェンダーや芸術の自由、母との関係に悩みながら成長する監督役をアントニオ・バンデラス、母親役をペネロペ・クルスが演じる。

6月7日(金)6PM、8日(土)11:45AM /STATE
6月15日(土)8:30PM/HOC

COLD SWEATイラン、2018年、スポーツ/ドラマ、15+

国際大会を夢見る女性アスリートたち

 海外のフットサル大会への出場が決まり、長年の夢がかなうはずだったイランの女性選手に、出国には夫の許可が必要という法律が立ちはだかる。イスラム社会の実話に基づく物語が、宗教、性差、政治などにまたがる現代のさまざまな問題を提起する。

6月9日(日)2PM、4PM/CASULA
6月14日(金)6:15PM/DOQ

AMAZING GRACE米、2019年、音楽/ドキュメンタリー、All Ages

40年以上を経てよみがえる奇跡の歌声

 圧倒的な歌唱力を誇る伝説の歌手アレサ・フランクリンの、1972年の教会コンサートのドキュメンタリー。編集技術の問題などで長年お蔵入りになっていた感動のパフォーマンス映像が、ついに公開される。人気作につきチケット購入はお早めに。

6月9日(日)4:45PM/STATE
6月10日(月)4:15PM/RITZ

DIVINE LOVEブラジル/ウルグアイ/デンマーク/ノルウェー/チリ、2018年、SF、18+

SFで描くブラジルの政治と宗教

 2027年のブラジルでは、宗教グループ「神聖な愛」がレイヴやグループ・セックスを繰り広げていた。公務員のジョアンナは、離婚手続きに訪れたカップルを「神聖な愛」のセックス・セラピーに誘い込む。現政権への抵抗メッセージを含んだSF。

6月5日(水)8:30PM/EC
6月13日(木)6PM/EC

DOLCE FINE GIORNATAポーランド、2019年、ドラマ、15+

「炎上」の時代の言論の自由とは?

 イタリアの村で快適に暮らすポーランド人の詩人マリア。テロ事件の翌日に行われた自身の受賞式で移民を擁護した彼女のスピーチは、予期しない大論争を巻き起こす。知的な会話とストーリーで、すぐに「炎上」する現代の言論状況を考えさせられる。

6月11日(火)7PM/EC
6月13日(木)2PM/STATE

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る