テニス全豪見どころガイド


今年ベストテン入りを目指す錦織圭
世界が注目するテニスの祭典
2014年 全豪オープン
見どころガイド

 2014年4大大会グランド・スラム(GS)初戦、全豪オープンがメルボルン市内のメルボルン・パークで1月13〜26日、行われる。ナダル、ジョコビッチ、マレーの3強時代となるのか、フェデラーの復活や錦織圭のトップ10入りが果たせるかなど、男子シングルスの注目度は高い。女子シングルスでは最強のセリーナや全豪連覇を目指すアザレンカのほか、クルム伊達公子など日本勢4選手が本戦の出場を予定し、見逃せない試合が予想される。
 

強者ぞろいの男子シングル

2013年GSでは、ラファエル・ナダル(スペイン:27歳、世界ランク1位)が全仏と全米を制し2勝、ノバク・ジョコビッチ(セルビア:26歳、2位)が全豪、アンディ・マレー(英国:26歳、4位)は地元全英ウィンブルドン大会で悲願の初優勝を達成している。

14年全豪の優勝候補筆頭は、ジョコビッチ。オールラウンド・プレーヤーでパワーもあり、11年から連続優勝中で、4連覇なるかが一番の見どころ。先だっての13年全米では準優勝と好調で、暑い夏のメルボルンを熟知するジョコビッチが今年も最有力だ。

世界ランキング1位で昨年GS2勝のナダルだが、全豪は苦手としている。センター・コートのロッド・レーバー・アリーナに倒れ込むナダルの姿を覚えているファンも多いだろう。強烈な暑さと連戦の疲労はナダルほどの強者をも苦しめる。全豪1勝(09年)、全仏8勝をはじめGS13勝の勇士ナダルは、決勝まで進めれば十分に勝機はある。

三強の一角アンディ・マレーはシードにより若干不利なのは否めない。昨年全英では、近代テニス発祥の国に1936年のフレッド・ペリー以来77年ぶりとなる優勝をもたらした。英国系で応援も多い全豪での活躍が期待される。

上記3人とともにBIG4と呼ばれたロジャー・フェデラー(スイス:31歳、6位)は多少衰えたとはいえども依然として優勝候補の一角にいる。GS優勝17回と抜群の実績を誇り、熟練したオールラウンド・プレーヤーだけに優勝の可能性は十分ある。単にテニス選手に留まらないスポーツ界の大スターの、洗練されたプレーやスタイルを堪能したい。

今年は3強+フェデラーに誰が絡んでくるのかが注目されている。

次世代の筆頭は、ダビド・フェレール(スペイン)。31歳と遅咲きだが、昨年の全仏決勝でナダルと争うなど力を着け、世界ランキング3位と全豪で優勝を狙える位置にいる。フアン・マルティン・デル・ポトロ(アルゼンチン、25歳)も早くから注目されている選手。2009年の全米で優勝するなど、今大会での躍進を狙っている。


4連覇がかかる優勝候補筆頭ノバク・ジョコビッチ

地元豪州期待の星バーナード・トミック
トップ10入りを目指す錦織

世界の強豪がひしめく中で、錦織圭(23歳、17位)の全豪での戦いに日本中の期待が集まっている。13年は目覚ましい活躍を見せ、全豪と全仏ではベスト16に進出。6月末の世界ランクでは最高位となる11位を獲得し、錦織自身、14年の目標は世界トップ10入りと明言している。

今大会でベスト8以上を獲得して11位前後まで上がれば、14年後半には10位以内が見えてくる。

豪州のサーフェスは、コートの建設当時からハードコートなのが特徴だが、ボール・スピートが速く、よく弾む特性を、錦織は苦にせず利用することができる。問題は、メルボルン特有の暑さ対策。開幕第1週の1〜3回戦を、ストレート勝ちなどで体力を消耗することなく勝ち上がることが鍵となる。

今年もシードは確実。ナダルやマレーなどトップ選手とセンター・コートで戦うことにも慣れ、一流選手としての風格も感じられる成長を遂げている。イージー・ボールをジャンプしてスマッシュする錦織の得意技として有名なエア・ケイは、上位相手には使うことはまずないので、1・2回戦で下位選手相手の際に繰り出されるだろう。


5年ぶりの優勝を狙うラファエル・ナダル

地元ファンの多さNo1アンディ・マレー
豪選手の注目株

オーストラリアからは、バーナード・トミック(21歳、51位)、レイトン・ヒューイット(32歳、60位)、マリンコ・マトセビッチ(28歳、61位)、マシュー・エブデン(26歳、68位)の4人が出場する。

豪州期待の星トミックは、昨年の全豪では3回戦に進みフェデラーに敗れた。世界を狙える逸材であり、3回戦の壁を突破したいところ。今年はGSベスト8、世界ランク20位入りを目指している。

ヒューイットは、かつての世界ランク1位。長く豪州テニス界を引っ張ってきた大御所でもある。豪州で最も尊敬される選手であり、現役として努力し続けるその姿には感動させられる。

 

日本勢4人出場の女子シングルス

女子シングルスの注目は、セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ、32歳、1位)。GS優勝回数17回と圧倒的な経験と実力を誇り、昨年は全仏と全米など11タイトル優勝、78勝4敗、勝率95%、獲得賞金1,238万ドルはほかの追随を許さないダントツの成績。

膝に爆弾を抱え、故障がちで好不調の波が大きいが、勢いに乗ったセリーナを止められる選手はいない。パワーあふれるストロークとプレー中に物議を醸す発言や罰金、派手なウエアなどでマスコミ・ネタが尽きない。膝の故障さえなければ、一番の優勝候補と言える。

ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ、24歳、2位)は、12年と13年の全豪を制しており、3連覇がかかる。昨年、右足首や背中を痛めているのが気がかり。

その美貌からファンも多いマリア・シャラポア(ロシア、26歳、4位)は、12年全仏を制して生涯GSを達成。昨年の全豪1回戦と2回戦で1ゲームも落とさない“ダブルベーグル”を連続するという珍しい記録を達成している。シャラポワは、全体としては好調な13年であったが、1度もセリーナに勝っていない。昨年の全米を棄権しており、全豪の不参加も懸念される。

オーストラリアからは、11年全米で念願のGS初優勝を飾ったサマンサ・ストーサー(29歳)に期待がかかる。長くベストテン上位を位置したが現在は18位。豪州女子ではストーサーに続く若手が育ってないのが厳しい実情である。

日本人選手では、クルム伊達公子、森田あゆみ、奈良くるみ、土井美咲の4選手が本戦から出場する。

クルム伊達公子は、昨年、全豪と全仏で3回戦まで進出、ともに最年長勝利記録を更新した。43歳にして世界ランク65位は、まさしく驚異的な成績であり、今年も伊達の1勝に世界が注目している。

森田あゆみ(23歳、60位)は、全豪とは相性が良く、昨年も11年に続いて3回戦入り。GSでの経験も深めてきた今大会では3回戦突破を目指している。

奈良くるみ(22歳、75位)、土居美咲(22歳、90位)の若い2人にも期待したい。奈良は、昨年の全米で3回戦入りを果たし、土井は昨年4GSにすべて参戦して経験値を増やしている。昨年の全豪では日本人の男子3人、女子3人の全員が1回戦を突破する快挙を達成。今年は男子1人、女子4人の本戦参加だが、全員の初戦突破を期待したい。


洗練されたプレーの王者ロジャー・フェデラー

女子最強のセリーナ・ウィリアムズ
車いすテニス界の日本人王者

国枝慎吾(29歳、2位)は、GS10勝と車いすテニス界の王者。全豪では過去6回優勝している。昨年は全仏と全米でステファン・ウデ(フランス、43歳、1位)に決勝戦で負けているが、全豪は相性が良く、ぜひ今回も優勝を勝ち取ってもらいたい。決勝戦は、1月25日に一般コートで行われる。

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2週間と長い全豪ではどの日を見たらいいのかを迷うところだが、できるだけ早い日程をお薦めする。特に初日と2日目で全選手が登場する。後半はベスト8など良いカードが集中するが試合数は少なくなる。

朝から効率よく会場を回れば、10試合以上は回ることが可能。

錦織など世界のトップ選手でも1回戦では一般コートで試合をすることが多い。ベスト10選手以外の試合はグラウンド・パスで十分に楽しめる。

全豪では時に異常な高温に見舞われることがあるため、水分補給、帽子、サングラス、日焼け止めはお忘れなく。

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全豪では、1回戦の賞金が2万7,600ドル、2回戦では4万5,500ドルと日本の大会の優勝賞金並みで、ランキング・ポイントも大きい。世界中から賞金とランキング・ポイント獲得を目指して若いテニス・プレーヤーが集まり、初日から熱戦が展開される。真夏のメルボルンでパワー溢れる熱戦を楽しんで。
 

全豪オープン・データ
■会場
 会場のメルボルン・パークには、ロッド・レーバー・アリーナとハイセンス・アリーナの2つの開閉式屋根付きのセンター・コートがある。現在、屋根付きのセンター・コートはウィンブルドンに1つあるだけで、全仏、全米は計画中。第3コートであるマーガレット・コート・アリーナは、15年の全豪には屋根付きになり観客席も大幅に増やされる。
 ハイセンス・アリーナ側のグランドスラム・オーバル催事場には協賛企業が設置した娯楽テントや、ライブ・バンドが楽しめるビア・ホールなど楽しい催し物も。化粧品会社のお土産付き無料メイクアップ・コーナーは女性に人気。ランチ・タイムや試合の空き時間にぜひ行ってみよう。
 ガーデン・スクエアでは選手によるサイン会も開かれ、錦織などトップ選手も登場する。ロッド・レーバー・アリーナの隣にショップがあり、この会場でしか買えない全豪ロゴ入り特選グッズを購入すれば観戦記念にもなる。

■アクセス
 会場のメルボルン・パークまでは、トラム、電車、バスなどの移動手段があり、全豪チケットを持っていれば無料。フリンダース駅から歩いて10分ほどなのでヤラ川の散策を兼ねて歩くのも悪くない。

■チケット
 一般チケット(グラウンド・パス: $34など)では、2つのセンター・コート以外はすべて入れる。午後5時以降に入れるチケット($25)や、3日間有効券($85)、5日券($125)、家族券($90など)など多種の入場券がある。ロッド・レーバー・アリーナの入場券は約$70から。

■Australian Open
会場:Melbourne & Olympic Park Trust, Batman Ave.,Melbourne
日程:1月13日(月)〜26日(日)
Web: australianopen.com


文・写真=イタさん(板屋雅博)
日豪プレスのジャーナリスト、フォトグラファー、駐日代表
東京の神田神保町で叶屋不動産(http://kano-ya.biz/)を経営
 

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