メルボルン・カップ観戦&必勝ガイド2013

153rd Melbourne Cup Carnival 2013

メルボルン・カップ観戦&必勝ガイド

国中をストップさせる競馬(Stop the Nation)の愛称を持ち、世界の注目を集める「第153回メルボルン・カップ」(1等賞金360万ドル)は、毎年11月の第1火曜日、今年は11月5 日にVIC州メルボルン市内のフレミントン競馬場(芝3,200メートル、フルゲート24頭)で開催される。今年の見所と馬券購入の際のヒントを お届けする。

街中が競馬ムード一色に

メルボルン・カップ・デーのレース当日はVIC州では祝日になるが、ダービー日が祝日になっているのは世界中でもメルボルン・カップ以外に例がない。メルボルン・カップは単なる競馬ではなく、ファッション、歴史、社交文化などを含んだメルボルン最大のビッグ・イベントである。子どもたちでも馬券を買うことを許される家庭もあるが、これはメルボルン・カップを通して社会を知ることが大切であるとメルボルンっ子が考えるからだ。豪州成人の約80%がメルボルン・カップの馬券を購入したことがあるという推定さえあるという。

VIC州では毎年10月、11月にスプリング・レーシング・カーニバルと呼ばれるG1重賞レースが集中して開催される。コーフィールド・カップ(10月19日)、ジローン・カップ(同23日)、コックスプレート(同26日)、ビクトリア・ダービー(11月1日)、メルボルン・カップ(同5日)、オークス(同7日)、VRCステークス(同9日)の7戦を主に指す(カッコ内は今年の開催日)。この3週間に競馬場に足を運ぶ人は延べ50万人にも上り、カーニバルを楽しむための出で立ち(後述)である派手な帽子と華やかファッションに身を包んだ女性が街にあふれ、メルボルンは街中が競馬ムード一色に染まる。

今年の本命はフィオレンテ


170年以上の歴史を誇るフレミントン競馬場

2012年のメルボルン・カップでは5番人気の伏兵グリーンムーン(アイルランド産馬、馬主:ロイド・ウイリアムズ)が直線での一気の伸びで優勝をさらった。英国皇太子が参列し、メルボルン・カップはカミラ皇太子妃からグリーンムーンの騎手ブレット・プレブルに手渡された。

今年の一番人気は、同じアイルランド産馬のフィオレンテ(Fiorente)。昨年は2着に甘んじており、今年は満を持しての本命だ。この馬の調教師ゲイ・マリー・ウォーターハウスはシドニー出身の元女優で、有名調教師であった父に入門した変わり種。豪州競馬界では注目の人物の1人。

もう1人注目の調教師は、昨年の優勝馬グリーンムーンを調教したロバート・ヒックモットだ。AFL(オーストラリアン・フットボール)の名門メルボルン・デーモンズの元選手で、AFLを引退した後、実家で調教を学び、縁あってメルボルンの高名な馬主ロイド・ウイリアムズに見出されたという経緯を持つ。


思い思いの楽しみ方で!

 


会場にファンファーレが響き渡る緊張の一瞬

 


コーフィールド・カップでの1コマ

ロイド・ウイリアムズは豪州最大のカジノ「クラウン」の創設者であり、現在でも厳然とした影響力をギャンブル界や豪州の新聞・テレビなどメディア界にも持つ経済界の大物。メルボルン・カップを過去4回も勝ち取っている有名馬主でもある。

10月19日に、メルボルン・カップの前哨戦といわれるコーフィールド・カップ(1着賞金150万ドル)が開催されたが、コーフィールド競馬場の芝2,400メートルに18頭が出走し、フォークナー(Fawkner、騎手:ニコラス・ホール)が優勝している。コーフィールド・カップとメルボルン・カップの両レースで優勝するとカップス・ダブルと呼ばれ名誉なこととされる。2着には1馬身差でダンディーノ(Dandino)が入っている。

そのフォークナーは、前出の馬主ウイリアムズと調教師ヒックモットのコンビによる馬。コーフィールド・カップでは4番人気から勝利しており、メルボルン・カップでも上位人気になると見られる。

このコンビによる今年の出走馬上位陣では、メルボルン・カップ連覇を狙うグリーンムーン、カップス・ダブルを狙うフォークナー、マスクド・マーベル(Masked Marvel)、シームーン(Sea Moon)の4頭が出走する。

コーフィールド・カップ2着のダンディーノ(騎手:クレイグ・ウイリアムズ)も見逃せない。昨年は、本命視されたクレイグ・ウイリアムズ騎乗のデュナデンが14着と惨敗しているが、同騎手は2011年、コーフィールド・カップ、コックスプレートを制し、あとはメルボルン・カップで勝利すれば史上初の3冠達成となるところを惜しくも逃すほどの名騎手。2011年秋の天皇賞を含め、日本の重賞レースで7勝もしている人気ジョッキーでもある。

ホークスパー(Hawkspur)の人気も高い。本命であったコーフィールド・カップは7着に終わったが、メルボルン・カップで逆転優勝の可能性もある。

ピュイッサンス・デ・ルーン(Puissance De Lune)、ヴェローズ・デ・コーズ(Voleuse De Coeurs)、マウント・アトス(Mount Athos)の3頭のアイルランド産馬も好調だ。特にピュイッサンス・デ・ルーンは人気では2〜3番手に着けており、マウント・アトスは昨年のメルボルン・カップ5着からの雪辱を狙っている。

この辺りを念頭に置いて、直前のオッズを見比べて勝負しよう。

“派手に正装”で楽しむが正解


メルボルン・カップを楽しむ女性たち


ファッション・ショーも見逃せない

メルボルン・カップはレースと同等もしくはそれ以上にファッションが重視されている。1965年に世界的にミニ・スカートが大流行したのも、メルボルン・カップに英国の有名なファッション・モデル、ジーン・シュリンプトンが当時としては超ミニの膝上10センチという出で立ちで参加し、世界中の注目が集まったことが発祥とも言われている。

男女とも英国流に正装しての観戦が基本だが、リラックスしたオージーのこと、色とりどりの大胆なファッションに身を包む。男性でも個人やグループで全身青色や赤色のスーツなど奇抜な正装を楽しんでいる。特に女性の派手なファッションや帽子は有名。メルボルン・カップ直前には、帽子が半額ほどに値下がるので前日などにデパートに行ってみよう。

女性用の帽子は、マイヤーをはじめ大手デパートや市内のどこでも買えるが、男性用となると数少ない。メルボルンきっての名門店はフリンダース駅ドーム口隣りにある「シティ・ハッターズ(City Hatters)」。メルボルン・カップの公式帽子店で、1910年にフリンダース駅が開業された際に同時に開店したという。オーストラリアを代表するブッシュ・ハットであるアクーブラなどをこの際奮発して買ってみるのも、思い出に残っていいかもしれない。

メルボルンの老舗デパート、マイヤーが開催するファッション・コンテストは、豪ファッション界の最高峰でもある。全国各州で予選を行うが、VIC州ではダービーなどで予選を行い、オークス・デー(11月9日)に優勝者が決定する。家族、ジュニア、シニアのそれぞれ男女の部門がある。

ファッション・コンテストは、各カップ・デーの午前11時半からレース場内に設けられたマイヤーのブースで行われる。プロ部門とアマ部門に分かれるが、華やかなファッションと奇抜な帽子に圧倒されるに違いない。

■バラとメルボルン・カップ

 メルボルン・カップが開催されるフレミントン競技場の芝生や生垣は、この日のためにまさに完璧に仕上げられる。その中でも注目はバラの花で、巨額の費用と数十名の専属ガーデナーの努力によって美しい数万本のバラが咲き乱れる様は圧巻。世界中の約200種類以上のバラがベストな状態に仕上げられる。
 メルボルン・カップは黄色のバラ、オークス・デーはピンクのバラ、VRCステークスは赤いバラなどに特徴付けられ、このバラの色が当日の女性のファッションにも取り入れられるため、会場がより華やかに彩られる。

 

■メルボルン・カップ・デー

 メルボルン・カップ・デーにはメルボルン・カップを含め10レースが行われる。
 第1レースは午前10時20分から。メルボルン・カップは第8レースで午後3時に出走。第6レースではトヨタがスポンサーしている「レクサス・ハイブリッド・プレート(賞金総額15万ドル)」が行われる。メルボルン・カップに向けて第4レースくらいから馬券を買って腕試しをしてみるとコツが呑み込める。
 一般観客席(芝生席)には臨時馬券売り場が並ぶので、馬券の買い方が分からない場合は、売り場のおじさんに相談してみると面白い。複勝(Place)は当たる確率が高いのでこれを数レース試してみるのがお薦め。メルボルンには競馬専門新聞はないが、当日朝のThe Age紙またはHerald Sun紙には特集ページが組んであるので、最新情報を入手できる。

 

■メルボルン・カップへはお洒落して行こう

 メルボルン・カップはメルボルン最大のお祭り。早朝から人々が競馬場へ着飾って出かける。一般入場者にはドレスコードはないが、正装に準じる服装が主催者から求められている。着物や浴衣姿の日本人も最近は増えている。

 

■交通

 大半の観客は電車を利用する。フリンダース駅(8番、9番ホーム)は、午前9時ごろから普段では見られない混雑となるので、できるだけ午前中の早い時間に出発しよう。午前11時を過ぎると大混雑となる。サザンクロス駅(14番ホーム)にも停車するが既に列車は超満員である。トラムは、エリザベス通りとフリンダース駅から57番トラム。

 

■そのほかのアドバイス

 一般入場券(74ドル)は、必ず前日までにインターネットやフェデレーション・スクエアの特設売り場、フリンダース駅、サザン・クロス駅などで購入しておくこと。当日には競馬場でも購入できないし、そもそもフレミントン駅では入場券がないと駅から外へ出られない。
 会場へはアルコール飲料や危険物は持ち込めない。会場でアルコール飲料を買う場合には免許証などの証明書を見せてリストバンドを入手すること。
 会場に着いたら、まずレース・コースのすぐ前に陣取ることがコツ。メルボルン・カップ会場は大きなパーティー会場と化しており、思い思いに芝生の上に場所を陣取ってパーティーを始めている。昼過ぎにはレース・コース前の良い場所は塞がってしまうので、午前中の早い時間に場所を確保すること。開場は午前8時半。
 家族連れのエリアもあり、子どもたちも楽しめる施設もある。アルコール禁止区域なので安心して楽しめる。

■馬券購入ガイド


至る所でパーティーが

 馬券はレース会場、フェデレーション・スクエア特設馬券売り場、クラウン・カジノのほか、全国の競馬場やTAB、インターネットなどさまざまな場所・方法で購入が可能。日本では競馬に縁がなかった人でも、国中がお祭り騒ぎになるこの機会にぜひ1枚購入したい。

 

●Win(単勝):1着の馬を当てる

 フィオレンテ、ダンディーノ、ホークスパーなどの、1着の可能性のある人気馬を買ってみよう。人気の程度は当日のオッズで確認。オッズが低いほど人気が集中しているという意味。人気馬を選んだ場合は配当は低いが勝つ確率は高いので初心者でも楽しめる。アイルランド産馬、ロイド・ウイリアムズが馬主の馬などを集中して買うのも一手。

 

●Place(複勝):3着までに入る馬を当てる

 3着までに入れば当たりという馬券。グリーンムーン、フィオレンテ、ピュイッサンス・デ・ルーンなど。

 

●Each Way(単勝と複勝の組み合わせ):1着の馬を当て、かつ3着までに入る馬を当てる

 Win同様に1着を人気馬で予想、もう1頭は3着まで入る可能性を予想する。3着までなら入ってくれるかもという中穴程度の馬を選んでもおもしろい。

 

●Quinellas(馬連複):1着、2着を順不同で当てる

 フィオレンテ、ピュイッサンス・デ・ルーンなどを軸としてダンディーノ、ホークスパー、マウント・アトスなどの流し買い。高配当かつ当たる可能性もそれなりに高いので、お薦め。

 

●Trifectas(3連単):1着、2着、3着を着順通りに当てる

 これを当てることは相当に難しく、その分高額配当。お遊びで数枚買ってみるのも面白い。昨年は1ドルの馬券に対して4万6,000ドルの配当がついた。

 

●Carnival Combo:メルボルン・カップで開発された新馬券

 TrifectasとEach Wayを組み合わせたもので、4頭の馬を選ぶ。1馬券20ドル。

■Melbourne Cup 2013
会場:Flemington Racecourse(400 Epsom Rd., Flemington VIC)
日程:11月5日(火)3PM出走
Web: www.melbournecup.com

文・写真=イタさん(板屋雅博)
日豪プレスのジャーナリスト、フォトグラファー、駐日代表
東京の神田神保町で叶屋不動産(http://kano-ya.biz/)を経営
 

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る