台風21号 関空被害

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台風21号 関空被害

9月4日、関西国際空港(以下、関空)が開港して24年目のちょうどその日に目を疑うような光景がニュースを通じて入ってきました。高潮による滑走路の水没、ターミナル内の浸水はまだしも、想定外のタンカーの連絡橋への衝突。陸の孤島ではなく、本当の孤島となってしまったのです。

オーストラリアからの関空直行便は、カンタス航空・シドニー⇔関空線とジェットスター航空・ケアンズ⇔関空線の2路線。最大1日630人を超える旅客が両便を利用できなくなり、振り替え便に誘導されたりという事態に陥りました。ジェットスター航空は台風直撃の当日、フライトをあえて5時間程度遅らせ、関空への着陸を試みましたが、努力のかいなく羽田へのダイバートに終わりました。カンタス航空は週3便のため、幸運にも運行がない日でした。一夜明けた4日、関空内には5,000人以上が足止めとなったこと、また、テレビなどの映像から当分関空は機能しないだろうという状況は一目瞭然でした。

5日からの2社の対応に関しては、興味深い相違が出ました。まず、ジェットスター航空は5、6日の2日間成田発の運行便への振り替えを行い対応、7日からはケアンズ⇔関空便のJQ15便をJQ7015という臨時便名を付けて既存のケアンズ⇔成田便に加えて、エキストラ便を運行しました。特に記念旅行や出張などで日程変更ができない旅客にとっては、大阪⇔東京間は自力で移動しなくてはならないものの、成田に行けば臨時便が待っているという安心感は、何物にも変え難いものだったでしょう。また、カンタス航空は、17日に一度だけQF21という臨時便をシドニー⇔成田間に運行させ、シドニー⇔関西間の旅客を同便で成田に運びました。私が知る限りほとんどの旅客が、自己負担でホテルに延泊することなく、同日中に出発ができたそうです。

今回の空港閉鎖は機材繰りや機材故障などではなく、台風という自然災害のため、航空会社は、目的地までの振り替え便を提供しましたが、基本的にホテル代金や延長滞在に掛かる食事代などは全て旅客による自己負担でした。そういう意味では、カンタス航空の粋な計らい、企業努力を今回の振り替え便の手配で強く感じました。

9月18日にオーストリア発関空直行便が復活しました。

シドニーで生活していると、台風や地震などの天災被害に正直少し疎くなっていますが、今回の件で改めて自然の力の脅威を感じました。旅行会社の立場としては、1人でも多くの顧客に訪日旅行を楽しんで頂きたいし、また多くの日本人観光客にオーストラリアを体感してもらいたいという思いです。そのためにも、正しい情報収集の重要さ、初動の迅速さ、航空会社や関係所管とのコミュニケーションなど、より研ぎ澄まされた業務を行っていかねばならないという教訓を得ました。


岩坂亘
H.I.S.オーストラリア・シドニー支店支店長。在豪歴17年。旅行会社勤務23年、筋金入りの飛行機オタク、愛読書『月刊エアライン』購読27年。近年は老眼と体重増との闘い。また、愛犬チワワ2匹と週末はもっぱらペット・カフェ通いの日々を送っている。

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