ホバートの朝市「Farm Gate Market」/タスマニア再発見

タスマニア再発見

No.116 ホバートの朝市「Farm Gate Market」
文=千々岩健一郎

「週末の早朝、公共の場所に集まり、持ち寄った農産物や加工品などを売買する市場」というのが日本でおなじみの朝市。タスマニアでは毎週土曜日に開催されるサラマンカ・マーケットが最も有名だが、これは規模も大きく店舗も多種多彩でどうも朝市というイメージではない。その点、今回紹介する「Farm Gate Market」は規模的にもその品ぞろえの内容から言ってもまさに日本の朝市そのものではないか。

毎週日曜日、場所はホバート市内中心部のバザースト通り。エリザベスとマレーに挟まれた通り1ブロック部分で車を遮断して開催される。午前8時半に合図の「Farm Bell」が鳴り響いてスタートするこのマーケットは、店舗数わずかに60店舗ほど。朝市らしい採れたてのオーガニック野菜の店は、ラオスから移民したモン族の人たちが栽培して販売するもので、アジア感溢れる色彩の陳列に目が惹き付けられる。伝統的な手法で作られたバターやヨーグルトなどの乳製品があるのは酪農州のタスマニアらしいところ。

マーケットの中の色彩感豊かな野菜屋さん
マーケットの中の色彩感豊かな野菜屋さん

収穫の秋の時期には、季節感の溢れる果物も多い。木の上で熟するのを待って収穫したばかりのリンゴやベリー類。そんな完熟のフルーツで仕込んだ果実酒の試飲。日本との違いかもしれないのは、ベーカリーが数軒出て焼きたてのサワードウのパンやドーナツ、クロワッサンなどが展開していること。思わず手が出て、立ち飲みのラテか何かと共に楽しみながらぶらぶら歩きを続ける。グルメな加工食品の中には、健康食品の「KONBUCHA」なんて物まであるが、これは日本でもひところ流行った紅茶キノコのことらしい。

飲食コーナーも充実していて、欧風、アジア風の国際的な屋台店舗の前には、週末の遅めの朝食かブランチを楽しむ人たちが集まっている。以前には日本人のおすし屋さんも出ていて人気のコーナーの1つであったが、現在は休止中。季節に応じて店舗の構成や販売される食材が変化するというのも、朝市マーケットの特徴と言っても良いのだろう。

このマーケットの営業は、毎週日曜日午前8時半から午後1時まで。車で出掛ける場合は、ホバート市内立体駐車場の「Central Car Park」に車を入れれば、会場は出口の目の前。ウェブサイトを見ればその週の季節の、あるいはお薦めの食材の一覧がチェックできる。事前にダウンロードしてからお出掛けを。

■Farm Gate Market
Web: www.farmgatemarket.com.au


千々岩 健一郎
1990年からタスマニア在住。1995年より旅行サービス会社AJPRの代表として、タスマニアを日本語で案内する事業の運営を行うと共に、ネイチャー・ガイドとして活躍。2014年代表を離れたがタスマニア案内人を任じて各種のツアーやメディアのコーディネートなどを手掛けている。北海道大学農学部出身。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る