フレシネ・マリン・ファームのムール貝/タスマニア再発見

タスマニア再発見

No.117 フレシネ・マリン・ファームのムール貝
文=千々岩健一郎

最近、フレシネ・マリン・ファームの人気が出て、いつもたくさんのお客でにぎわっている。フレシネ国立公園に向かうハイウェイ(C302)の途中、A3との分岐から約18キロ、コールス・ベイの町の手前約9キロの地点にある同ファームは、本来牡蠣の養殖場で、2004年ごろにメインランドからやって来た若い夫婦が経営を引き継いだ。

当初は専(もっぱ)ら本業の牡蠣の生産のみを行っていたが、奥さんのアイデアで養殖した牡蠣を国立公園を訪問する人たちに食べてもらおうと、自宅の横に牡蠣をむく小屋と屋外のいす席を設け、その場で食べてもらうことを始めた。あくまでも養殖業の手助け的なビジネスとしてスタートしたものだったが、何とこれが年々人気を呼び、本業を上回るようになったとか。

1つには近年のアジアからのお客が増えて、彼らのシーフード好みと見事に一致したということがあるだろう。席数わずかに20席ぐらいだったが、最近では50席以上に拡大。メニューも生牡蠣と蒸したムール貝程度だったが、加熱したキルパトリックやクレイフィッシュ(イセエビ)、エビ、果てはアワビやサラダまで大幅に選択肢が拡大した。同時に近隣のワイナリーで作られたワインやビールも販売しているので、ちょっとしたレストランの気分で楽しめる。

まあ、こんな感じで料理の選択肢が増えたマリン・ファームだが、一番のお薦めは何と言ってもムール貝だ。蒸したてのボールいっぱいのムール貝にレモンを絞って食べる。これはお店のスタート当初からの人気メニューだ。

ぜひレモンを絞って食べて欲しい同店のムール貝
ぜひレモンを絞って食べて欲しい同店のムール貝

最近はチリ・トマト味といったアジア人向けの味付けもあるが、私のお薦めはレモンだけのプレーンの物。海水の程良い塩加減が冷えた白ワインとぴったり合う。もちろん生牡蠣も新鮮だが、ここのは少し痩せていて正直なところあまり好みではない。

同ファームの養殖現場は、このショップから車で更に5分程度奥まったフレシネの名所ハザードを間近に望む所にあり、同ファームのツアーに参加すれば見学ができる。ただし有料かつ人数がそろわないと催行されないので食べるのを優先した方が良いだろう。

お店の場所はハイウェイから数百メートル入った所だが、入り口には小さな看板があるだけなのでうっかり通り過ぎてしまわないよう要注意。営業は週休なしで、夏場は朝9時から夕方5時まで、オフ・シーズンの6月から8月でも朝10時から午後4時まで営業している。


千々岩 健一郎
1990年からタスマニア在住。1995年より旅行サービス会社AJPRの代表として、タスマニアを日本語で案内する事業の運営を行うと共に、ネイチャー・ガイドとして活躍。2014年代表を離れたがタスマニア案内人を任じて各種のツアーやメディアのコーディネートなどを手掛けている。北海道大学農学部出身。

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