帆立シーズンの「Manning Reef Cafe」/タスマニア再発見

タスマニア再発見

No.120 帆立シーズンの「Manning Reef Cafe」
文=千々岩健一郎

今回は我が家の近くの極めてローカルな食い処(どころ)を紹介しよう。その名は、マニング・リーフ。ホバートはサンディー・ベイの湾岸道路沿い、ちょうどマニング通りへの曲がり角にある小さな店だ。

正式名称は「Manning Reef Cafe」だが、ピザとフィッシュ&チップスを組み合わせたお手軽レストランで、サンディー・ベイ住宅地の住人の間で人気が高い。気張った店ではないので、手抜き外食や持ち帰りの店として訪れる人が多い。今回取り上げたのは、特にこの季節「スキャロップ・フェスティバル」と銘打って帆立の料理をいろいろと楽しませてくれるからだ。

スイートポテト・チップスの天ぷら帆立
スイートポテト・チップスの天ぷら帆立

タスマニアで採れる「Scallop」は日本の「ホタテガイ」とは品種が異なり、実際には「イタヤガイ」と呼ばれる物。日本の帆立よりもずっと小ぶりで、この時期スーパーの店頭でも貝柱とオレンジ色の卵巣が付いたむき身で販売されている。

イタヤガイは資源が枯渇寸前で、州政府が毎年収穫量と漁期のコントロールを行っている。例年ほぼ7月中旬から12月末までがシーズンなので、それに合わせ同フェスティバルを開催しているのだ。

期間中、提供する帆立メニューは5種類。中でも最も人気があるのが、天ぷら帆立&チップス。早い話がフィッシュ&チップスの一種だが、衣を付けて短時間で揚げた帆立の味はなかなかのものだ。タスマニアでの人気の屋台メニューに天ぷらマッシュルームがあるが、実はこれを初めて提供したのが同店で、カラッと揚がった衣の歯ざわりに定評がある。

付け合わせのポテト・チップスの揚がり具合もなかなかだが、同店にはスイートポテトのチップスがあって2ドルの追加料金でそちらに変えてもらうことができる。その他の帆立メニューには、モルネー・ソース、ガーリック・スキャロップ、カレー・ソースで頂く物、そしてお薦めの「Curried Scallop Pizza」もある。

調理場には小さな薪オーブンがあって、注文を受けるとすぐさま焼き上げてくれる。パイ生地は薄くカリッと焼き上がっていてあっさり楽しめるピザだ。イタヤガイをおいしく食べるポイントは過熱し過ぎないことだが、このホタテのピザはまさに絶妙な焼き加減でその味を楽しむことができる。また、同店の定番メニューの1つに「姿焼きのカレイ」があり、薪オーブンで焼き上げたカレイは火の通り具合が絶妙で、簡単に骨から身を外しながら味わうことができる。

帆立に飽きたら、次回はぜひこのカレイの姿焼きも試してみて欲しい。


千々岩 健一郎
1990年からタスマニア在住。1995年より旅行サービス会社AJPRの代表として、タスマニアを日本語で案内する事業の運営を行うと共に、ネイチャー・ガイドとして活躍。2014年代表を離れたがタスマニア案内人を任じて各種のツアーやメディアのコーディネートなどを手掛けている。北海道大学農学部出身。

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