人気上昇中のコール・リバー・バレー/タスマニア再発見

タスマニア再発見

No.126 人気上昇中のコール・リバー・バレー
文=千々岩健一郎

前回取り上げたロス村と並びホバート郊外のジョージア様式の町「ジョージアン・ビレッジ」として知られているのがリッチモンドだ。ロス村にも古い橋があったが、このリッチモンドには1823年に造られたという豪州最古の石橋があって人びとからの人気がある。

リッチモンドを中心に、ホバート郊外ケンブリッジから31号線のハイウェーを通じてコールブルックに至るエリア「コール・リバー・バレー」が、最近注目を浴びている。リッチモンド橋の下を流れるコール川の灌漑(かんがい)用水に恵まれた農業地域で、近年、ブドウの生産が盛んになり、タスマニア南部のワイン醸造地帯として発展しているのだ。

ハイウェー沿いに食事を楽しめるワイナリーが増えると同時に、チーズ工場、観光ファームなどもできた。街の入り口のコロニアル・アコモ「プロスペクト・ハウス」が全面的に改装され、高級プライベート・ホテルとして生まれ変わり、街中には動物のふん(Poo)をテーマにした施設「Pooseum」ができて話題になっている。

ツーリストのみならず、週末には地元の訪問者も増えているこのエリアから、食い処(どころ)を1つ取り上げよう。タイトルから言えば、人気のワイナリーにあるスタイリッシュなレストランを紹介すべきだろうが、今回はあえてランチかティー・タイムに気軽に訪問できるカフェを。古い石橋につながる目抜き通り、ブリッジ・ストリート34番にある「アッシュモア・オン・ザ・ブリッジ・ストリート(Ashmore on the Bridge Street)」だ。

カフェ「Ashmore on the Bridge Street」
カフェ「Ashmore on the Bridge Street」

うまいコーヒーが売り物で、リッチモンドらしい古びた2階建ての白壁の建物にある。同店のオーナーによれば「気楽に本格コーヒーを味わえる街角カフェと、モダンな食べ処とのバランス」。そのモットーにたがわず、メニューには単なるカフェ以上の洒落た料理が数多い。

朝食とランチの店なので、営業は午前8時半から午後4時30分まで。ホバートに住む私には同店で朝食を楽しむチャンスはあまりないが、たまにははるばる足を運んでみたくなるほどメニューは充実している。私がいつも楽しんでいるのがランチ・メニューにある「Creamy Chicken & Mushroom Pot Pie」。鶏の胸肉とブラウン・マッシュルームの取り合わせが絶妙で、意外とさっぱり味わえるのが良い。

小さな店で席数は少ない。満席だったら少し時間をずらして訪問しよう。


千々岩 健一郎
1990年からタスマニア在住。1995年より旅行サービス会社AJPRの代表として、タスマニアを日本語で案内する事業の運営を行うと共に、ネイチャー・ガイドとして活躍。2014年代表を離れたがタスマニア案内人を任じて各種のツアーやメディアのコーディネートなどを手掛けている。北海道大学農学部出身。

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