午後3時の甘い誘惑「Flour and Stone」

午後3時の甘い誘惑

誘惑には勝てない編集部員が、今月の「甘くておいしい世界」をご紹介!

こだわりと自信が作り出す、素直なケーキ。

シグネチャー・メニューの「Lemon Driz zle」は濃厚でしっとりしたレモンとアーモンドのケーキ(Photo: Alan Benson)
シグネチャー・メニューの「Lemon Driz zle」は濃厚でしっとりしたレモンとアーモンドのケーキ(Photo: Alan Benson)

第26回 Flour and Stone

シドニーCBD近郊、ハイド・パークやオーストラリア博物館などがありツーリストやビジネスマンでにぎわうエリアの一角にあるのが今回取材で訪れた「Flour and Stone」。一軒家のような佇まいだが、真っ白な外壁に書かれた店名とケーキの香ばしい香りがここをベーカリーだと気付かせてくれるだろう。

同店は、オーストラリアの伝統菓子・ラミントンが美味しいことで有名だ。オーストラリアのラミントンは、前日のスポンジ・ケーキを使うのが一般的だが、同店のラミントンは焼きたてのスポンジをパンナコッタに浸すことで柔らかさを保ち、スポンジとココナッツの食感の違いをより楽しんでもらう事をこだわりの1つとしているそう。

「Baked for love, life and happiness(愛と人生と幸せのために焼く)」というキャッチを外壁やサインに掲げるほど、昔からケーキを焼くことが大好きだというオーナーのナディーンさんのこだわりはこれだけには留まらない。メニューを考案する上でのコンセプトは「トレンドに左右されず、時代を超越すること」。インスタ映えするカラフルなスイーツが増えて来た近年のシドニーでは珍しく、同店のメニューには、何年先も食卓に並ぶようなノスタルジックで昔ながらのケーキが多く見られる。

同店オーナーのナディーンさん(Photo: Petrina Tinslay)
同店オーナーのナディーンさん(Photo: Petrina Tinslay)
ナディーンさんのレシピ本『Flour and Stone』(Photo: Alan Benson)
ナディーンさんのレシピ本『Flour and Stone』(Photo: Alan Benson)

「素朴な食べ物は正直です」と語るナディーンさんからは、素材その物と作り手の腕だけで勝負をしているという確固たる自信が感じられた。

店内は、12席ほどの小さなベーカリーとなっているが、お客さんの思い出に残る商品を1つ1つ丁寧に作りたいというオーナーの思いがそうさせているのだと言う。店の規模を保ちたいが、その事で顧客満足が妨げられるようなことがあってはならず、忙しい人がいつでもケーキを注文できるようにと現在はオンライン販売も行っている。

ナディーンさんがケーキのレシピを思い付くその背景には、人との出会いや特別な場所など、彼女の人生を豊かにしてくれる経験がある。その感動をケーキを通して人に届けるために、日々同じ理想を高く持ったスタッフたちと共にケーキを作り続けている。

同店は、レシピ本の出版やウェブサイトでのレシピ動画の公開も行っている。「減るものじゃないから」というナディーンさん。長年の経験と自信があるからこその余裕と、「愛と人生と幸せのために焼く」という信念があるからこそ成せる業だ。「Flour and Stone」を訪れて、シドニーで“思い出のケーキ”に出合ってみてはいかがだろうか。(リポート:高坂信也・水村莉子)


DATA
●住所:53 Riley St., Woolloomooloo NSW ●営業時間:月~金7AM~4PM、土8AM~2PM、日・祝休 ●Web: www.flourandstone.com.au

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