
食いしん坊が行く! シドニーのあの店この店
「Efendy(イフェンディ)」
ちょっと変わった料理を試したくて
文=食いしん坊ママ
親しくしている友人の息子、S君が先日、25歳の誕生日を迎えた。両親が外国旅行中のため、私と夫は親代わりとして彼の誕生日のお祝いをすることになった。現在ロンドンで生活をする我が娘と、ほぼ同じ年齢のS君。私たち夫婦は、ご両親とのお付き合いを通して、小さいころから彼の成長を楽しみに見てきた。今や彼は大学を卒業して医療関係に勤める立派な社会人となり、出世街道を走っている様子。私たちのようなずっと年上が相手でも物おじせず、年齢差を感じさせずに会話ができるS君は、夕食の楽しいお相手だ。
社交的な彼は、バーやレストランに結構出かけることが多いらしい。そこで私たちは、ちょっと変わった料理がいいね、と、バルメインにあるトルコ料理店「Efendy」に予約を入れた。彼は「トルコ料理は食べたことがない。嬉しい」と喜んでくれた。 当日は平日にもかかわらず、1階のレストラン内は既にほぼ満席だった。10人ほどのグループや3~4人のグループ、そしてカップルなど、主にローカル客で満たされている。席に案内された私たちはまず、ワインとビールを注文し、S君の誕生日を祝って乾杯 ! 「僕のことを気にかけてくれてどうもありがとう」と、感謝の言葉を返してくれた。
楽しみにしていたメニューが届く。メニューにはトルコ語に英語が併記されているので分かりやすい。オントレーは日替わりの「Meze」と呼ばれる10品の中から、4品を選んで皆でシェアをするタパス式。メインとデザートは各自がそれぞれ、好きな料理を選ぶ。日替わりのオントレーに興味津々な私たちは、時間をかけてメニューに目を通し、各自食べたいものを1~2品選んだ。
オントレー「Meze」の3品

ざくろのドレッシングがかかった茄子とピーマン炒め「Patkucab Sakata」

「Ciz Koffe」はトマトとオレガノ風味のラム肉団子

「BeyinTava」はハーブとスパイスが利いたラムのブレーン(脳)の唐揚げ
メインでは私は「Balik Sis」というハーブ味たっぷりのソードフィッシュとピラフ、夫は「Efendy Betendi」という4時間かけてゆっくり料理した柔らかいビーフの頬肉の料理をチョイス。S君は「Bodrum Kebabi」という、チリ・バターで味付けされた子牛メダリオン肉の炭火焼きをオーダーした。
シグネチャー・ディッシュとおぼしき「Efendy Betendi」はビーフの頬肉を4時間かけて煮込んだとあり、肉がほどけるような柔らかさ。茄子のピューレとの粋な組み合わせ S君が、不景気といわれるこの時世の中、最近ヘッドハンティング されたことや、新しい車を購入したことなど、近況を話してくれているところに、オントレーが届いた。なるほど、エスニック料理らしい盛り合わせだ。「Cizbiz Kofte」はトマトとオレガノ風味のラム肉のお団子。「Mucver」はガーリックとミント味の、ズッキーニのパンケーキのヨーグルトがけ。「Patlican Salata」は茄子とピーマンの炒めに、ざくろのドレッシングがかかったもの。「Beyin Tava」はラムのブレーン(脳みそ ! )をハーブとスパイス味に揚げたもの。トルコ独特の香辛料を使用しているらしく、いずれも、香りも豊かで、味も、確かにめずらしいものだった。
選んだ4品目すべてが美味しかったのだが、夫はラム肉ブレーンが気に入り、S君は「Cizbiz Koffe」が、私は「Mucver」が一番のお気に入りだった。
クリケットやサッカー、ゴルフのことに話題が移り、S君と夫の男同士の会話が盛り上がる中、メイン料理が届く。ハーブやスパイスが効いた、これまた見るからにエキゾチックなトルコ料理に、わくわくと好奇心が沸いて食べ始めた。香りとスパイスが心地よい味、独特の料理法…、これぞ新しいダイニング・エクスペリエンス。美味しくいただいたメインを終え、ワインを飲み干すまで、夫とS君はスポーツの話で夢中だった。別れ際にS君は「またお友達とここに来てみたい」と、気に入った様子で、私たちにお礼を言って去って行った。
トルコに住んだことがない私は「Efendy」のトルコ料理がどれほどオーセンティックなものかは分からないが、中近東の人らしい客も多く、本場の人にも受けているようだ。ただ1つ残念だったのが、店内にトルコを思わせるような異国情緒がなかったことか。料金は飲み物とチップ込みで200ドルだった。

ソードフィッシュの串焼きとピラフのムール貝詰め「Balik Sis」

「Bodrum Kebabi」は子牛メダリオン肉の炭火焼きをチリ・バター味で
DATA
「Efendy」
79 Elliott St., Balmain NSW
Tel:(02)9810-5466
Web: www.efendy.com
ブランチ土・日9AM~2PM
ディナー火~日6PM~
お値段の目安:
ディナー:オントレー4品+メイン1品$42、メインのみ$30
ブレックファスト:$3~$16(子ども用$6)
ワイン:グラス$10~、ボトル$38~
私の評価:
サービス ★★★
気軽さ ★★★★
家族・友人とともに ★★★★
幼児・子供連れ ★★★☆(ブランチはコートヤードで)
ロマンチック度 ★★★
英語力必要度 ★★★
費用対価値 ★★★☆
シドニーに在住して30年。オーストラリアの食生活はヨーロッパや中近東、アジアからの移民が多く入国して以来、ガラリと様変わりした。モダン・オーストラリアンと言われる、いわばオーストラリアに住む移民たちが持ち込んだ各国の素材や要素を利用し、豪州独自の洗練された料理が創り出され定着し出したのもここ10年くらい。今やいろいろな国の本場料理が楽しめるだけでなく、おしゃれなカフェやバーが続出。中には独創的に工夫されたお店や、抜群の景色を眺めるお店なども。また、話題性の多いシェフがどんどん出現して、シドニーのレストラン事情は大きく変貌し、楽しくなった。「食べる」ことが大好きな私の経験からお薦めのレストランをご紹介するコラムです。
