テッペンは短いけど、ビジョンは長い2人の男

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

テッペンは短いけど、ビジョンは長い2人の男

彼らが造るワインはしっかりした酸味があるからかもしれない。冷涼な気候のせいだからかもしれない。きめ細かく、清潔に、正確にワインを造っているからかもしれない。よく分からないけど、僕の好きなワイン・メーカーたちの何人かは、禿頭(とくとう)だ。

例えば、リースリングの帝王、ジェフリー・グロセットに、SA州アデレード・ヒルズ出身で世界を股に掛けるワインメーカー、マイケル・ヒル・スミス。それに、マイケルのいとこでワイナリーの共同経営者、マーティン・ショウも禿頭。2人の名字を併せたら、そう、「ショウ&スミス」。

マーティンはオーストラリアが世界のワイン業界に多大な貢献をする中、最先端の役割を担ってきた。彼は優れたワイン製造の技術を世界各地で普及する、空飛ぶワインメーカーの1人だ。一方、マイケルは、ワイン関係者なら誰もが憧れる「マスター・オブ・ワイン」の称号を与えられた初のオージーで、多くの海外マーケットでオーストラリアのワインを紹介し続けている。

アデレード・ヒルズは、段々畑のような斜面となだらかな丘が広がる風光明媚な地域。2人の禿頭は、この産地の畑のみからワインを造っている。他所よりも冷涼で土壌の種類も豊富。そして日光の当たり方も畑によって違う。このような環境のため、2人が造るのは類まれなるワインだ。

まずは、ソーヴィニヨン・ブランを試してみて。これならオーストラリアがニュージーランドに「僕らもソーヴィニヨン・ブランを造れるんだぜ。僕らなりのスタイルで」って言える自信あり。新鮮で、快活。ピンクのグレープフルーツを思い浮かべて、若いうちに飲もう。


マーティン・ショウ(左)とマイケル・ヒル・スミス

次は、M3シャルドネ。このワインはオーストラリアのシャルドネがどんなものかという認識を改めさせている。エレガントで程よい口当たりは繊細な味の層を引き出し、アデレード・ヒルズのワインによくある酸味は長く後味を残す。

彼らのワイナリー建物はシックでモダン。訪れて、その清潔さと香りに驚かされた。日本人なら「彼らはA型だ」、オージーなら「完璧主義者だ」と言うだろうね。僕はこれに「先見の明がある」と付け加えたい。2人はオーストラリアン・ワインの新しい領域を開拓している。

■Web: www.shawandsmith.com


ベン・ホルト

オーストラリア政府観光局日本地区マーケティング本部長。クイーンズランド大学で文学修士(日本語と韓国語)ならびに科学修士を取得後、在豪日系企業などで食品輸出、商品取引、マーケティングに従事。2002年から07年9月までオーストラリア・ワイン事務局日本代表を勤めたのち、現職。

Web: www.australia.com
(オーストラリア政府観光局)
Twitter: Mr_Riesling
Facebook: http://bit.ly/crsglP

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