ヨーロッパ旅行フランス編 ー りんごとガレット

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ベン・ホルトの豪州ワイン物語
ヨーロッパ旅行フランス編 ー りんごとガレット

ワインのコラムだけれど、今回はりんごの話をさせてもらってもいいかな?読者の皆さんに好奇心を広げてもらう、ということで大目に見ていただきたい。

先週、東京の神楽坂でちょっとしたフランス地区を作っているという、フレンチ・レストランが集まる場所へ冒険に出掛けた。そこで僕の人生を価値あるものにしてくれるような、素晴らしい「瞬間」に出会った。実は、フランス・ワイン紀行の次なる目的地をどこにしようかと、何か良いひらめきを求めて出掛けてみたのだが、完全に違う飲み物「りんごシードル」の新信者となって帰ってきてしまった。笑わないでほしい、本当の話だ。とてもおいしい飲み物を発見してしまったんだ!

さあ、ローヌからフランスの北西部ブリタニーへ、ななめ方向に跳んでみよう。イギリス海峡へと突き出したフランスの角だ。現代フランスの一部ではあるものの、ケルト文化を起源にした、異なる文化を持っている。ノルマンディーとの境にあるモンサン・ミッシェルがある地方と言った方が皆さんにはお馴染みかもしれない。

さて、ここブリタニー地方では(そしてノルマンディー地方も)たくさんの種類のりんごが作られている。ほとんどはシードルを造るためだけに植えられたりんごで、少し苦みと渋味がある種類だ。ワインを造る行程と同じく、りんごが収穫された後は、りんごを切った時に見られる褐色化を避けるため、還元状態(生物が関わる現象で酸素の介在を伴わない状態)の中で洗われ、潰される。ジュースは混じり気のない香りを保つよう低温で発酵される。発酵が完了する直前にジュースは吸い上げられ、瓶詰めされる。全ての発酵は大体3カ月ほどかかり、時にはもう少しかかることもある。

高品質のシードルはシャンパン方式で造られている。その結果、おいしいシードルのアルコール度数は4〜8%になる。飲みやすく、暖かい日の、のんびりしたい午後にピッタリな飲み物だ。すべての飲み物の歴史と伝統として、それに合う食べ物が世の中には存在している。この場合は、そば粉のクレープ「ガレット」だ。卵やハム、チーズと一緒に味わうのが最高においしい。シードルを冷やして、お楽しみあれ。

オーストラリア人が東京からオーストラリアに住む日本人に向けて、しかもワイン・コラムにも関わらず、りんごシードルについて書いているなんて、かなり変だということは重々承知している。でも、世の中ではもっと奇妙なことも起きているからね。

ワインについての皆さんの質問を受け付けています。日豪プレスのフェイスブック、メール(viceditor@nichigo.com. au)までお送りください。

ベン・ホルト
◎ヒルトン・ワールドワイド・マーケティング統括本部長(日本・韓国・ミクロネシア地区担当)。QLD大学で文学修士(日本語と韓国語)ならびに科学修士を取得後、在豪日系企業などで食品輸出、商品取引、マーケティングに従事。2002年~07年にオーストラリア・ワイン事務局日本代表、12年5月までオーストラリア政府観光局日本地区マーケティング本部長を務めた後、現職。

Web: www.holt-blog.com
Twitter: Mr_Riesling
www.facebook.com/Ben.Holt.69
 

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