ヨーロッパ旅行フランス編 ー 右派、それとも左派?

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ヨーロッパ旅行フランス編 ー 右派、それとも左派?

僕はまだシードルを飲んでいる。皆さんは飲んでみたかな?今月は、冬の夜にぴったりな「偉大なるボルドー・ワイン」について話そう。

マルゴー、ラトゥール、ムートン・ロートシルト、ラフィット・ロートシルト、オー・ブリオン、ペトリュス。このうちのどれかを聞いたことがあれば、もうすぐそこだ。これらシャトーは、ほかの多くのシャトーとともに最も有名なワイン地方で、何千という生産者からなる、恐るべきピラミッドの頂点を作っている。

まずは、ボルドー・ワインはメルローとカルベネ・ソーヴィニヨンのブレンドと理解しておくとよい。プチ・ヴェルド、マルベック、カルベネ・フランなど、ほかの赤ワインを1、2種類加えることも多い。ワイナリーが目指すスタイルや、一定の味の輪郭があり、品種のブレンド割合はボルドー地方の場所やワイン製造者でも変わる。もちろん、ぶどうの栽培状態によっても変わる。

メルローは一般的にフルーティー(プラムのような)でアルコール度が高く、若いうちは味が丸くて(タンニンが柔らかい)飲みやすいワインだ。一方、カルベネ・ソーヴィニヨンは完熟したタンニンで、より味に深みがあり(ブラック・カラントを連想させる)、その本来の味を発揮させるには少し時間を要する。この2種類をバランスよく混ぜると、若いうちでも、熟成させても飲みやすいワインになる。カルベネ・フランのような品種が加わると、さらに味が良くスパイシーになる。

地理、地質を見れば、ボルドー・ブレンドにどんな味を期待すべきかが分かる。大西洋から入ると、ジロンド川はフランス南西部を半分にした後、2つに分かれる。ガロンヌ川は西へ、ドルドーニュ川は東へと流れているのに気付くはずだ。ジロンド川とガロンヌ川の西側は「左岸」、東側は「右岸」と言われ、ジロンド川が分かれた真ん中の部分はアントル・ドゥ・メル(2つの海の間)と呼ばれている。左岸の地質は、メルローよりカルベネ・ソーヴィニヨンに向いていて、ワインは味に厚みがあり、より長く保管できる。メドックや、グラーヴなどがまさにそれだ。右岸は反対にメルローのブレンドに合う、つまり、もっとジューシーで早くから楽しめる、とても飲みやすいワインだ。ポムロールやサン・テミリオンなどがそうだ。ボルドーは赤ワインばかりではない。甘口ワインが好きであれば、左岸のソルテーヌ地区、ボルドー市の南地区がお馴染みだ。シャトー・ディケムは、貴腐ぶどうから造られる甘口ワインの最高峰と言っていい。飲み手が期待で身震いする、甘く、滑らかで、まさに飲む黄金そのものだ。今度、ボルドーワインを見かけた時は、右か左かを見分けて、どちら側が好きかを試してほしい。この地域に長くいれるといいんだけどね。

ワインについての皆さんの質問を受け付けています。日豪プレスのフェイスブック、メール(viceditor@nichigo.com. au)までお送りください。

ベン・ホルト
◎ヒルトン・ワールドワイド・マーケティング統括本部長(日本・韓国・ミクロネシア地区担当)。QLD大学で文学修士(日本語と韓国語)ならびに科学修士を取得後、在豪日系企業などで食品輸出、商品取引、マーケティングに従事。2002年~07年にオーストラリア・ワイン事務局日本代表、12年5月までオーストラリア政府観光局日本地区マーケティング本部長を務めた後、現職。

Web: www.holt-blog.com
Twitter: Mr_Riesling
www.facebook.com/Ben.Holt.69
 

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