バイロン・ベイ・ワインの旅①

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

ベン・ホルトの豪州ワイン物語

バイロン・ベイ・ワインの旅①

ワインの旅にしては珍しい場所だが、バイロン・ベイへの最近の旅行では“初心に戻る”ことを念頭に、初心者の視点から再度ワインに接近してみることにした。ワインに限ったことではないが、これは大切なことだと思う。

好奇心というものは、年齢とともにどれだけ減衰してしまうことか。年老いてからもなお、子どものような探究心を持ち続けている人はなかなかいない。真実であるにせよそうでないにせよ、「知識」というぬるま湯に浸かっていたくなってしまうものだ。

僕はこれまで、ブラウン・ブラザーズについてたくさん書いてきた。オレンジ・マスカット&フローラ、モスカート、それからかの独特なタランゴについて、皆さんも耳にしたことがあるのではないだろうか。基本をおさらいしていると、このワイナリーにかならず辿り着く。

今回そのようにして遭遇したのは、ブラウン・ブラザーズのクルーシャン・リースリング。

このワインは、その名が示唆する通り、2つの白ブドウ種のブレンドだ。1つはフランス原産のクルーシャン、そしてもう1つはドイツ、モーゼル・バレーのリースリング。クルーシャンがワインにボディとジューシーなメロンの味わいで深みを与え、僕の一番好きな単一品種、リースリングが酸味とレモン/ライムの香りをもたらす。最高に美味しい組み合わせだ。

このワインは、お友達をワインの世界に足を踏み入れてもらうため紹介するのにうってつけだ。ほのかに甘く、約10%とアルコール度も低い。夏真っ盛りなので僕はいくつか氷を入れて飲むが、読者の皆さんにもこれはお薦めだ。

しかし驚いたことに、近所のワイン・ショップを探索中に赤ワインと思われるボトルをチルド・セクションで見つけた。好奇心満々でよく見てみると、イタリアとフランス2カ国のミックスだった。ピエモンテ原産のドルチェット(ご想像通り“ちょっぴり甘い”の意)と皆さんもご存知のシラーズ(フランスではシラーと称される)。

ブラウン・ブラザーズのドルチェットとシラーはほのかに甘い赤ワインで、若干の炭酸が口内の奥までその甘味を運ぶ。ブラックベリーや赤いグミに微量のスパイスが加わった感じだ。冷やしてインド・カレーやタイ料理にぜひ合わせていただきたい。

そうとはいえ、オーストラリア随一の美しさを誇るバイロン・ベイで「ひと仕事」を終えた後は、やはり何と言っても冷えたビールをパブで飲むのが最高なのですが!


ベン・ホルト
◎ヒルトン・ワールドワイド・マーケティング統括本部長(日本・韓国・ミクロネシア地区担当)。QLD大学で文学修士(日本語と韓国語)ならびに科学修士を取得後、在豪日系企業などで食品輸出、商品取引、マーケティングに従事。2002年~07年にオーストラリア・ワイン事務局日本代表、12年5月までオーストラリア政府観光局日本地区マーケティング本部長を務めた後、現職。

Web: www.holt-blog.com
Twitter: Mr_Riesling
www.facebook.com/Ben.Holt.69
 

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