【特集】知ればもっと好きになるオーストラリア・ワイン講座


ワインを飲み始めたけど、そもそもどのような品種があり、味や香りの特徴はどうなっているのか。おいしく飲むために、料理との合わせ方はどうすれば良いのか。そうした疑問に答えるべく今回、本紙「幸せワイン・ガイド@Australia」でおなじみのフロスト結子さんを講師に迎え、女性向けの「オーストラリア・ワイン講座」を開催。女性参加者3人に、フロストさんが品種の基礎知識から実践的なアドバイスまで、ワインをおいしく楽しむための“ワイン女子力(基礎力)の付け方”をレッスンしてくれた。(講師=フロスト結子、構成=山内亮治)

※ワインの産地、ブドウ品種名などの表記は、オーストラリア連邦政府のワイン振興団体であるワインオーストラリアに合わせています

<講師プロフィル>

フロスト結子◎日本人としての合格者はまだ少ないワインの国際資格WSET® Diploma in Wine & Spirits及び日本酒のAdvanced Certificateを取得。日本でワイン関連商社の貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。現在はオーストラリア国内大手オークション会社であるGraysOnlineのワイン部門でカテゴリー・スーパーバイザーとして勤務する傍ら、フリーランスとしてライティング、ワイン関連の翻訳、市場調査などで精力的に活動中。ワインのコメントは「とにかくおいしそうに書く」がモットー。Web: auswines.blog.jp

品種の基礎知識

ワイン選びは品種の理解から

フロスト:ワインというとよく質問されるのが健康へのメリットのことなのですが、今回のワイン講座ではまず、さまざまなシーンでワインと一緒においしく楽しい食事を演出出来るようになるために、最初に皆さんには代表的なワインの品種について覚えて頂きます。

オーストラリアでは、ワインは品種別に売られています。ですから、各品種の特徴を理解していれば、ボトル・ショップなどでその日の気分に応じて飲みたいワインを品種によって選ぶことが出来るようになります。そして、品種に関しての基礎知識があれば、次に産地や生産者による違いなどを楽しむことが出来るようになり、ワインの楽しみはどんどん広がっていきます。

そこで今回は、赤と白2種類ずつ、まず覚えておいて欲しい代表的な品種をご用意しました。

ソーヴィニョン・ブラン(白ワイン)

フロスト:白ワインで最初に、皆さんに飲んで頂くのは「ソーヴィニョン・ブラン」です。

ソーヴィニョン・ブランの特徴としてまず挙げられるのが、フレッシュな果実味とすっきり、爽やかな味わいです。きりっとした酸味がおいしい品種、それがソーヴィニョン・ブランです。そして、この品種にはライムやレモン、ハーブなどを感じさせる、爽やかで強い香りがあります。特に、ニュージーランド産の物はパッション・フルーツのようなインパクトのある香りが特徴的であり、産地を言われなくてもすぐに分かるほどで、特に女性に人気があります。

ソーヴィニョン・ブランは、爽やかさや軽やかさが魅力の品種なので、あまり熟成をさせず、ジュースのようにフレッシュな内に飲む方がおいしく頂けます。時間を置き過ぎると、野菜のような青臭い匂いが強くなり、フレッシュさを失ってしまいます。そのため、ソーヴィニョン・ブランは買ったらすぐに飲むのがお薦めです。

オーストラリアのソーヴィニョン・ブランの銘醸地は、アデレード・ヒルズ、マーガレット・リヴァー、ヤラ・ヴァレー、タスマニアなどです。

では、このソーヴィニョン・ブランはどんな食べ物と合わせれば良いのでしょうか。ソーヴィニョン・ブランの爽やかな酸味を生かすには、レモンや酸味の効いたドレッシングをかけたらおいしい食べ物と合わることです。例えば、白身の刺身やカルパッチョ、チキンやエディブル・フラワー、フルーツが入っているサラダなども良いですね。レモンをかけておいしい物で言えば、潮の香りのする生ガキや白子、エビのバーベキューやバラマンディ、鯛、タラといった白身の魚ともよく合います。

あと、鶏の唐揚げなどの揚げ物もお薦めです。

参加者Aさん:鶏の唐揚げだと肉料理なので赤ワインと合わせた方が良いんじゃないですか?

フロスト:鶏の唐揚げには、実は白が合うんです。脂っこい唐揚げにも、レモンをかけるとすっきりしておいしくなりますよね。同じ理屈で、てんぷらやトンカツなども白ワインとの相性が良いんです。仮に赤ワインで揚げ物を食べると、口の中がどうしてもベタベタしてしまうのでお薦め出来ません。魚も肉も、揚げ物は白ワインの方がお薦めです。

他には、アスパラガスのグリルとソーヴィニョン・ブランとの組み合わせは特にお薦めです。チーズであれば、少し味が濃く塩気の強い、ゴート・チーズやフェタ・チーズがよく合います。

ソーヴィニョン・ブランのおいしい飲み方

● 基本的に早飲み、ヴィンテージ(ブドウの収穫年)から1~2年が飲みごろ。

● 適温は6~10度くらい(冷蔵庫できりっと冷やす温度)。

● 合わせたい食べ物①:レモンや酸味の効いたドレッシングをかけるとおいしい物(例:白身の刺身、カルパッチョ、サラダ各種、魚のグリルなど)

● 合わせたい食べ物②:味付けがあっさり(塩のみなど)で重過ぎない物(例:アスパラガスのグリル、エビのBBQ、ゴート・チーズ、フェタ・チーズなど)

● 合わせたい食べ物③:潮の香り(生臭さ)がある物、揚げ物(例:生ガキ、白子、野菜のてんぷら、鶏の唐揚げ)

ソーヴィニョン・ブランもシャルドネもシーフードと合わせることでおいしく楽しめる(左)、白い紙の上にグラスを置くことで品種による色味の違いがはっきりと分かった(右)
ソーヴィニョン・ブランもシャルドネもシーフードと合わせることでおいしく楽しめる(左)、白い紙の上にグラスを置くことで品種による色味の違いがはっきりと分かった(右)

シャルドネ(白ワイン)

フロスト:白ワインの2本目の品種は、「シャルドネ」です。

シャルドネは、オーストラリアで最も生産量が多い白ワインで、オーストラリア国内の全ての産地で作られている品種です。また、シャルドネは樽との相性が非常に良い品種なので、良いシャルドネはたいてい樽で熟成されています。樽を使うことは、ワイナリーにとって手間とコストが掛かりますが、それでもおいしさのために樽で熟成させるという工程を経ることが多いんです。そのため、シャルドネは他の白ワインに比べると全体的に価格が高くなる傾向があります。では、シャルドネの香りはどうでしょうか?

参加者Bさん:ソーヴィニョン・ブランよりも鼻にダイレクトに入ってこない、穏やかな香りですね。

同じ品種でも、その産地により香りや味わいが違ってくるのもワインの興味深いところの1つ
同じ品種でも、その産地により香りや味わいが違ってくるのもワインの興味深いところの1つ

フロスト:その通りで、シャルドネの香りはより穏やかで柔らかいですよね。そして、シャルドネは産地によって、香りが大きく異なってくるのが特徴です。冷涼な気候の産地であれば、白桃やリンゴ、レッド・グレープフルーツ、メロンなど果肉の柔らかい果物の香りがします。一方で、温暖な気候で作られたものは、アプリコット、ネクタリン、バナナなど味わいの濃い果物の香りがしてきます。また、シャルドネは樽で熟成されているため、バターやナッツ、バニラなど樽由来の香りがするのも特徴です。味の方はどうですか?

参加者Cさん:飲むと口に余韻が残るのと、ソーヴィニョン・ブランよりも渋みを感じます。

フロスト:この渋みは「タンニン」と呼ばれるもので、白ワインで渋みを感じるのは樽での熟成から来るものです。ちなみに、「フル・ボディ」という言葉を聞いたことはありますか?

ボディというのは、ワインのコクのことを指します。ソーヴィニョン・ブランのようなワインは「ライト・ボディ」と呼ばれ、するするっと抜けていく軽さが特徴です。一方で、このシャルドネは、口に残るコクと深みがあり「ミディアム・ボディ」に当たります。そして、「余韻が残る」と感想がありましたが、それは良いワインであることの指標です。上質なワインは、いつまでも口の中においしさが残り、また、こういったワインの多くはたくさんの香りや味わいの要素を持ち、「複雑なワイン」と表現されます。

シャルドネのオーストラリアでの銘醸地は、ヤラ・ヴァレー、アデレード・ヒルズ、モーニングトン・ペニンシュラ、マーガレット・リヴァーなど多数挙げられ、本当に全国的な品種であることが分かって頂けると思います。

品種の情報を熱心にメモする参加者
品種の情報を熱心にメモする参加者

シャルドネと食べ物との組み合わせですが、シャルドネはバターといった乳製品の香りがするためパスタであればクリーム・ソース系のものがよく合います。また、ソーヴィニョン・ブランよりもコクと深みのある味わいが特徴なので、シーフードの場合はエビ、ホタテ、ロブスター、ムール貝などリッチな味わいの物と、白身魚でもサワラの西京焼き、脂がしっかり乗ったブリの刺身などの味の濃い料理であれば更においしく頂けます。もちろん、白ワインとしての酸味も持ち合わせているため、エビや白身魚のてんぷらとのマッチングも良いですね。チーズと一緒に飲むのであれば、味が濃くナッツのような味わいのあるチェダー、コンテなどのハード・チーズがお薦めです。また、肉料理とも合います。その場合は、鶏肉や豚肉といった白いお肉と合わせてみてください。

おいしく飲むための適温ですが、シャルドネはソーヴィニョン・ブランよりも少し高めの方がおいしいです。冷やし過ぎると、複雑な味わいが分かりづらくなるので、冷蔵庫から出してすぐに飲むのではなく、20分くらい室温に戻す方が良いですね。ただ、暑い日でしたらキンキンに冷やしても良いですし、臨機応変に楽しんでください。

シャルドネのおいしい飲み方

● 飲み頃はヴィンテージ(ブドウの収穫年)から2~5年、上質な物は10年もしくはそれ以上。

● 適温は、樽熟成のものだと10~13度(冷蔵庫で冷やす温度よりはやや高め)。

● 合わせたい食べ物①:まろやかでコクのあるバター、クリームなどの乳製品が含まれる物(例:クリーム・ソース系のパスタなど)

● 合わせたい食べ物②:白い肉、濃い味付けの魚(例:鶏肉、豚肉、サワラの西京焼き、ブリの刺身など)

● 合わせたい食べ物③:てんぷらなどの揚げ物(例:エビや白身魚のてんぷら)

● 合わせたい食べ物④:味が濃いめの甲殻類(例:エビ、ホタテ、ロブスター、ムール貝など)

● 合わせたい食べ物⑤:ほっこりとした硬いチーズ(例:チェダー、コンテなどのハード・チーズ)

ピノ・ノワール(赤ワイン)

フロスト:それでは、赤ワインを飲んでみましょう。赤ワインで最初に紹介する品種は、「ピノ・ノワール」です。

女性の場合、飲みやすいのでワインは白ワインから入り、ワインに慣れてきたころに「そろそろ赤ワインも」と考えるんじゃないでしょうか。その時、いきなりフル・ボディだと飲みづらいので、最初に飲む赤ワインとしてお薦めするのがピノ・ノワールです。香りですが、イチゴやラズベリーなどのベリー系、スミレやラベンダーなどの花、シナモンなどの茶色いスパイスの香りがします。そして、熟成された物であれば紅茶の茶葉やトリュフなどの土っぽさが香りとして出てきます。

ピノ・ノワールは、果皮が薄く病気になりやすいなど繊細で、栽培に非常に手間の掛かる品種です。そのため、ピノ・ノワールで良い物を飲みたいと思うとどうしても値段が高くなってしまいます。そこで、おいしいピノ・ノワールを飲むために値段は最低25ドルからは出した方が良いでしょう。妥協しないことがポイントです。

産地についてですが、基本的にピノ・ノワールは冷涼な気候の下で栽培されます。オーストラリアでの銘醸地は、ヤラ・ヴァレー、モーニングトン・ペニンシュラ、ギップスランドなどビクトリア州に集中します。ビクトリア州以外だとタスマニア、アデレード・ヒルズも銘醸地に挙げられます。

それでは、食べ物との合わせ方ですが、何と合わせるとおいしく飲めそうですか?

参加者Aさん:赤ワインだから、当然肉料理がの方が良いですよね。

フロスト:そうですね。でも、サーモンやマグロといった脂のある赤身の魚とも、ピノ・ノワールはよく合います。赤と赤、色で合わせるという感じですね。シャルドネは鶏肉と豚肉に合うと説明しましたが、ピノ・ノワールも合います。ただ、ピノ・ノワールの場合だとリッチなソースのかかった物、焼き鳥で言えば塩よりもタレの物との相性が良いです。または、「鶏肉の赤ワイン煮込み」のようなとろっとしたソースがかかった料理も良いですね。チーズであれば、カマンベールやブリーなどとろっとしているものと一緒に飲めば本当においしく頂けます。それから土っぽい香りという言葉が出ましたが、野性味のある物との相性も良いです。例えば、鴨肉やレバーなど少し癖や臭みのあるお肉などともよく合います。一方で、カレーなどの辛い料理に赤ワインを合わせると、辛さにアルコールの強さが相まって、口の中が麻痺してしまいます。辛い料理だと、口の中をクール・ダウンさせてくれる白がお薦めです。

ピノ・ノワールのおいしい飲み方

● 適温は13~15度くらい(室温よりやや低め)。

● バルーン状の大きめのグラスでその複雑な香りを楽しむ。

● 合わせたい食べ物①:軽めの肉料理(例:タレ味の焼き鳥、鶏肉の赤ワイン煮込みなど)、脂の乗った赤身の魚(例:サーモン、マグロなど)

● 合わせたい食べ物②:野性味のある物(例:鴨肉、ハツ、レバーなど)

● 合わせたい食べ物③:とろっとしたチーズ(例:カマンベール、ブリ―など)

● 辛過ぎる料理とのマッチングはNG。

シラーズ(赤ワイン)

フロスト:赤ワインの2種類目は、「シラーズ」です。

オーストラリアを代表する品種で、最も多く栽培され、オーストラリア・ワインの最高峰「ペンフォールズ・グランジ」もシラーズから作られています。

濃い色味が特徴のシラーズ(左)と鮮やかな赤色のピノ・ノワール(右)
濃い色味が特徴のシラーズ(左)と鮮やかな赤色のピノ・ノワール(右)

シラーズは単体でワインが作られることも多い品種ですが、ピノ・ノワールやシャルドネと異なり、カベルネ・ソーヴィニョンやグルナッシュといった品種とブレンドされることもあります。また、シラーズは、スパークリング・ワインや酒精強化ワイン(醸造過程でアルコール「酒精」を添加するアルコール度数の高いワイン)の原料にもなります。

シャルドネ同様、シラーズもオーストラリア全域で栽培されていますが、銘醸地としてはバロッサ、マクラーレン・ヴェイル、クナワラなど主に南オーストラリアの地域が挙げられます。ピノ・ノワールと比べ、色、味や香りの違いはどうですか?

参加者Bさん:ピノ・ノワールよりもずっと色が濃く、香りもより動物っぽさがありますね。

フロスト:確かに、皮革のような動物っぽい香りはシラーズが持つ特徴です。また、オーストラリアのシラーズにはユーカリの香りがする物もあります。フルーツであれば、カシスやブラック・ベリーのような香り、スパイスだとブラック・ペッパーと、色と同様で香りにも「濃い物」が挙げられます。

そして、味の特徴は何と言ってもフル・ボディであること。飲む時は、室温よりも少し低めの温度にしておくと、おいしく頂けます。

シラーズはフル・ボディで味にもボリュームを感じるので、合わせる料理もボリュームがある物が良いですね。ステーキ、ラム・シャンク、ロースト・ビーフ、ビーフ・シチューといった料理とのマッチングがお薦めです。また、野性味のある香りがするので、ラム肉ともおいしく合いますね。

シラーズのおいしい飲み方

● 適温は、室温よりやや低め13~16度。

● 大きめのグラスで飲むのがお薦め。

● 合わせたい食べ物①:ボリュームのある肉料理(例:ステーキ、ラム・シャンク、ロースト・ビーフなど)

● 合わせたい食べ物②:濃いめのソース系の料理(例:ビーフ・シチューなど)

● 合わせたい食べ物③:味の濃いチーズ

● 辛過ぎる料理とのマッチングはNG。

ワインをおいしく楽しむアドバイス(実践編)

グラスを持つ時、グラスに注がれる時

参加者Cさん:ワインを飲む時のグラスの持ち方はありますか?

フロスト:飲む時には、一応「ステム(脚)」を持ちます。これには、手の温度がワインに伝わるのを防ぐことが目的などと言われることがありますが、私は単にそのように持った方が女性は手が美しく見えると思うので、そうお薦めしています。特にグラスを持つ手に指輪をされていると指が美しく見えますよね。あとは、グラスの表面に指紋が付くのも防ぐことが出来ます。

参加者Aさん:ワインを注ぐ時はどこまで注げば良いといったマナーはありますか?また、逆に注いでもらう際の注意点はありますか?

フロスト:プロのソムリエはお客様にラベルが見えるようにしてワインを注ぎます。

レストランでワインを注いでもらう時は、基本的にはグラスに触れずに、お店のスタッフに任せましょう。

また、注ぐ量ですが、グラスで言えばちょうど真ん中あたり、一番円が大きなところまで注ぐと良いのではないでしょうか。そうすると、グラス自体が美しく見えます。ただ、家で飲む時はどう注ぐのかや、どこまで注ぐかなんて気にしないでください。「こうしなければ」と飲み方を気にしてしまうとおいしく飲めないですから。

ワインをおいしくするグラス選び

実験のために用意されたグラス①(上)とグラス②(下)。同じワインでもグラス1つで香りや味わいは驚くほど変わる
実験のために用意されたグラス①(上)とグラス②(下)。同じワインでもグラス1つで香りや味わいは驚くほど変わる

フロスト:ワインをおいしく楽しむために、実はどういったグラスで飲むのかといったことも重要な要素なんです。

そこで、1つ面白い実験をしてみましょう。今回ピノ・ノワールには飲み口の薄い、大きなグラス①を用意しました。それを安価で飲み口の分厚い、小さなグラス②に移してみてください。

参加者Bさん:うわ、香りも味わいも広がらない。全く違う味わいになりますね。

フロスト:ワインの香りや味わいの伝わり方は、グラス1つで赤ワインでも白ワインでも大きく変わります。その理由は、グラスの厚みの違いにあります。安価で飲み口の分厚いグラスに比べ、ある程度の値段の良質なグラスだと、グラス自体が薄いため、するーっとワインが口の中に入ってくれます。人間の舌は当たる所で味覚の感じ方が異なります。分厚いグラスで赤ワインを飲んでしまうと、どうしても苦みだけを感じてしまう傾向にありますし、小さすぎるグラスでは香りや味わいが十分広がらないのです。逆に例えば、酸味の強い白ワインを縁が広がり過ぎたグラスで飲んでしまうと、より酸っぱく感じてしまいます。ワインを飲む時にはグラスもすごく重要な要素になるんです。これからおいしくワインを楽しみたいという方は、良いグラスをそろえてくださいね。

良いグラスをそろえることもワインを楽しむ上では欠かせない
良いグラスをそろえることもワインを楽しむ上では欠かせない

ワインのオーダーのための3ステップ

フロスト:ワイン・ショップやレストランでワインを頼む時にどのように頼むかですが、決めなければならないことは基本的に3つです。

まず、大前提として「赤か白か」。次に「軽めか重めか」。この「軽めか重めか」で「フルーティー」か「ドライ」かといったワインの基本的な味わいが決まってきます。よく「どのワインが甘いんですか」と聞かれるのですが、今回ご紹介したワインは全て辛口に含まれます。甘口に含まれるのはデザート・ワインかモスカートぐらいです。恐らく、日本人の多くの方が言われている甘口というのは、「フルーティー」という意味だと思います。今回のワインの中で言うと、ソーヴィニョン・ブランが一番「フルーティー」なタイプですね。軽いワインはたいていフルーティーなので、ライトかフルかをまず決めてください。ソーヴィニョン・ブランのようなワインを飲みたいと思えば、「白ワイン」で「ライト」、そして「フルーティー」と頼めば良いでしょう。逆にシラーズのようなワインを飲みたい時は、「赤ワイン」で「フル・ボディ」で意図が通じます。

あと、決めないといけないことは、もちろん予算です。幾らまで払いたいのか、このことをはっきりと伝え、見栄を張らないことです。

上記の3つに加え、ぜひワイン選びでもう1つ覚えておいて欲しいことは、「お店の人に変に対抗しない」ということです。お店の人からのお薦めはあまり構えずに、素直に信じることです。知識が十分に無いのなら、なおさら小難しいことを聞かない方が得策です。相手はプロですから、予算の範囲で好みのワインを上手に選んでくれます。

ワイン・ショップやレストランでより自分の好みに合うワインを頼むための便利なキーワードを、以下にご紹介します。

●すっきり:Crisp、Cleansing、Refreshing、Lively、Vibrant
●まろやか:Round、Soft、Creamy
●動物っぽい、うま味がある:Savoury、Gamey
●複雑な、Complex
●香りが高い:Aromatic、Fragrant
●飲みやすい:Easy-drinking、Smooth
●果実味がある:Fruity
●しっかりとしている:Bold
●渋味がある:Tannic
●ハーブのような:Herbaceous

ワイン“女子力”を付けるために

ワインと人のマッチング

フロスト:料理とのマッチングを説明してきましたが、ワインの楽しみ方で一番大切なのは「人とのマッチング」です。今回はいろいろなワインを飲みましたが、「いつ飲むのか」、「誰と飲むのか」、「何のために飲むのか」が実は、ワイン選びにおける重要なポイントです。

パートナーと飲む時、親と飲む時、女友だちと飲む時など、その都度選ぶワインは変わってくるはずです。一緒に飲む相手が、どんな食べ物が好きか、どれぐらいワインに詳しいかなど、さまざまな要素で選ぶワインは自ずと変化します。

テイスティングに加え、パワーポイントを使い要点を詳しく解説してくれたフロストさん
テイスティングに加え、パワーポイントを使い要点を詳しく解説してくれたフロストさん

食べ物や洋服選びで考えてみると分かりやすいのではないでしょうか。ご両親に作ってあげる料理と、女友達で集まった時に作る料理って違ってくるはずですよね。また、遊びに行く時と面接に行く時の服装が同じってことはありませんよね。ワインに詳しいワイン仲間とワイン会をする時は少し変わったワインを持って行こうと思うでしょうが、一方で近所でバーベキューをする時は、誰もが知っている奇抜でないワインを持っていくはずですし、お酒を飲み慣れていない友人とのディナーであれば、飲みやすい軽めのワインを自然と選ぶでしょう。同じ料理を食べるとしても、一緒に飲む人が変わればワイン選びも変わります。

さまざまなワインと料理の組み合わせを説明しましたが、「食事そのものを楽しむ」ことがワインを飲む上で何よりも大切なことです。その日の気分で白ワインを飲みながらステーキを食べても良いですし、カレーを食べながら赤ワインを飲んでも良いんです。というのも、一番大切なことは、食べ物よりも相手との相性、一緒に飲む人に楽しんでもらうことだからです。そうすれば、自分がパーティーのホストになって誰かをもてなそうとする時などは、相手により料理をおいしく楽しんでもらえるでしょうし、きっと自分自身も楽しめますよね。

ワインはとにかくおいしく、楽しく飲むことが一番大事です。まずは、やっぱり自分の好きな品種を見つけられると良いですね。好きな品種を知り、同じ品種同士でいろいろと飲み比べたり、違う産地や生産者で比べたりと、楽しく知識を深めていくことが出来ます。

ワイン講座を受けての感想


参加者Aさん:ワインは、今までなんとなく名前しか知らなかったのですが、どういう料理に何のワインが合うかを分かるだけでワイン選びがすごく簡単に感じました。次回からボトル・ショップやレストランでワインを選ぶ時は、今回学んだことを参考にしたいと思います。


参加者Bさん:自分は、今までワインは苦手で飲めないと思い込んでいました。しかし、自分の好みの食べ物があるように好みのワインがちゃんとあるんだと、今回のワイン講座で分かりました。これからは、自分の好みにあったワインをいろいろと楽しみたいと思います。


参加者Cさん:今までボトル・ショップやレストランに行っても、ワインの見方は白か赤かしか分からず、値段でしかワインを選べませんでした。知らなければ詳しい方に聞けばいいと今回分かりましたし、これからはワイン選びを不安に思わなくて良いんだと感じました。

ピックアップ・ワイン

Leeuwin Estate Art Series Sauvignon Blanc 2015
Margaret River/$30
Web: leeuwinestate.com.au


Stonier Chardonnay 2015
Mornington Peninsula/$25
Web: www.stonier.com.au


Paringa Estate Peninsula
Pinot Noir 2016/$29
Web: www.paringaestate.com.au


Spinifex Miette Shiraz 2015
Barossa Valley/$24
Web: www.spinifexwines.com.au

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