【特集】シドニー・ラーメン特集2014 製麺工場へ潜入!


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オーストラリアのラーメン業界を裏で支える麺と餃子のプロフェッショナル

オーストラリアのラーメン業界を支える陰の立役者として、製麺工場の存在がある。そこで今回は、多くのラーメン店や日本料理店に麺、そして餃子やしゅうまいなどを卸している日系企業「WPM JAPAN」(以下WPM)の製造工場へ行き、その製造過程とオーストラリアのラーメン業界事情を伺った。

1日の生産数、麺8,000食、餃子6万個、しゅうまい1万5,000個。日系製麺工場としてはオーストラリア一の規模を誇る製造工場WPM。同社の商品は現在、JFC(ジャパン・フード・カンパニー)オーストラリアを通してシドニー、ブリスベン、メルボルン、ゴールドコースト、アデレード、パースの主要6都市に運ばれているという。そのうち、シドニーに卸している分だけでも半分強というから、人口やアジア系人種が多いのもあるが、シドニーでラーメンや日本食の人気がいかに強まってきているかが分かる。

差別化が進むオーストラリアのラーメン


一尺ロールに通して粗麺帯に。粉はオーストラリア産の最高級のプライムハードを使用


麺の種類によって豊富に取りそろえられた麺の切り歯

日本では、自家製麺を使用するラーメン店がかなり増えてきた。というのも、日本のラーメン業界は行き着くところまで行き着いてしまった感があるので、スープや具材の差別化だけでは飽き足らず、麺も各店舗で差別化をしないと勝ち残れない時代に突入しているからである。一方、オーストラリアのラーメン業界の現状はどうだろうか。

シドニーの中心部、特にチャイナ・タウン辺りでは、軽く数えただけでも10件ほどのラーメン店が存在する。そのため、十数年前はただ珍しいというだけで売れていたラーメンも、ようやく美味しくなければ生き残れない食べ物になってきたとWPM代表取締役の根建氏は言う。

「少しずつですが、オーストラリアのラーメンも麺が差別化されてきています。実際に、自家製麺を作り始めている店主さんもいます。ただ、『自家製麺を作る』と言ってもその環境作りはとても大変で、毎日同じ品質の麺を作り続けるのはかなり難しい作業なのです。そのため、知識の有無だけでなく人件費や機械などコストの面から考えても、まずプロに任せるのが1番良いと思います」

同社は製造している麺の種類もかなり豊富。麺のデザインは機械に設置する「切り歯」によって変化させることができるのだが、既に現在でも約30種類程度の異なるデザインの麺を提供しているというから驚きだ。麺の種類に関してもシドニーが1番進んでいたが、最近ではほかの都市もラーメンの認知度が徐々に上がってきているため、各地から「新しい麺ができないか」というリクエストが届くという。


一定時間熟成させた後、最後に切り刃ロールを通り生麺の状態に

通常は1食ずつ丸めて、5食ずつパッキングし専用冷蔵庫に移しさらに熟成させる

「日本では九州から北海道までご当地ラーメンがあり、各土地のラーメン・スタイルに合わせた麺を提供しています。太めのもっちりした麺から、バリカタの細麺まで。弊社ではそのようなさまざまなスタイルの麺のリクエストに対応できるようにしています」

提供先は、経営者の国籍にこだわらず、ラーメンや餃子を必要としている店であればすべてが対象だと言う。そのため、中には日本のラーメンの作り方を知らない店もあるので、そういった店には出向いて質問に答えることもあるという。

多人種のオーストラリアだからこそ必要となる、日本ならではのきめ細やかなサービスも定評だ。

安心・安全から生まれる美味しさ

気温・湿度に弱い小麦粉のために、工場ではさまざまな工夫がなされている。毎日同品質の麺を造るために一定の温度に保たれた水だけを使い、大量の麺を適切な温度で保管するための設備など、個人店ではかなり難儀しそうな繊細な作業を行っているという。


同社の徹底した安全管理の象徴とも言える金属探知機

また、「安全なものを安心して食べていただくことが使命」と言う同社では、「ハサップ(HACCP=Hazard Analysis and Critical Control Point)」と呼ばれる世界基準の食品衛生管理規格の認証を得ている。金属探知機の導入を始め、必要な部分は必ず人の目で行う細かなチェックなど、ほかにも徹底した安全管理を行う同社は、常に行政から満点に近い評価を得ているという。安全でなおかつ美味しいものを提供するという信念をもつ同社が、オーストラリアでの日本食の地位をこれからも上げていってくれるに違いない。


現在は業者専用に卸している同社の冷凍餃子や冷凍しゅうまい。店頭に並ぶ日はそう遠くないという

製造後は大型冷蔵庫で保存され、その後オーストラリア各地へ送られる

そんな同社は、オーストラリアではまだ少ない小売用の2食入り冷凍生麺の販売を開始するという(9月中に発売開始予定)。ポイントは、簡単に作れるのに、プロが作ったと間違えるほどの本格的な味のスープ。生麺の販売が始まれば、オーストラリアでも日本のように家に居ながら手軽に本格ラーメンを楽しむことができるようになる。

「日本の味」として認知され始める海外のラーメン

オーストラリアで飲食店を経営するからといって、現地の人の味覚に合わせるのではなく、日本食の本来の味を提供することが大事だという根建氏。彼が25年前に渡豪した時は、オーストラリア人の好みに合わせた甘いだけの照り焼きチキンなどが多かったと振り返る。しかし、今では本来の日本の味で提供している店が少しずつ増えてきたと言う。

日本政府観光局(JNTO)の調べでは、ここ何年か外国人が好きな日本食のトップに「寿司」「刺し身」「てんぷら」だけでなく、ラーメンがランクインしているという。ようやく自信をもって、ラーメンも立派な日本食と言っていい時が来たのではないだろうか。

 
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