料理とワインのマリアージュ「貝料理」

料理とワインのマリアージュ〜上手な楽しみ方〜

 ワインといえば「ちょっと気取った飲み物」」「スペシャルな機会に飲む」「イタリアンやフレンチを食べる時に」と思っている人も多いのでは? しかし実は、それは思い込みかもしれません。ワインは、意外とどんな料理にも合わせられるもの。例えば餃子や納豆にだって、実はちゃんと合うワインがあるのです。こうした、ワインと料理とのマッチングを「マリアージュ」と言いますが、本コラムでは、このマリアージュについて楽しく学んでいただきたいと思います。

◆貝料理にはどのワイン?

オーストラリアでも最近ではいろいろな貝を見ることができるようになり、ますます多様な食文化の中でマーケットが成長をしている気がします。こうした貝料理には日本酒を合わせたくなる人も多いようで、この組み合わせは鉄板と言えそうですが、ワインを合わせるとなると一体どのようなものが良いのでしょうか?

ほとんどの白ワインは好相性ですが、木樽を使ったワインだと貝類の磯臭さが増すので注意が必要です。また、貝の噛みごたえに負けないようなワインのしっかりとしたボリュームも大切になってきます。

こういったケースでソムリエとしてお薦めするワインのポイントは、ミネラルの高いものであるということ。特に、ヨーロッパ産のシトラス系酸味がある白をお薦めしています。中でも特筆すべきは、サンセールとシャブリ。サンセールとシャブリは、ともに地名を意味していて、この2つの土地は車で2時間ほどの距離にありますが、それぞれに使われるブドウ品種は異なっています。

これらのワインの味の決め手となる共通点は、品種よりもその地層にあります。この地区は恐竜時代には海の底にあり(現在は大陸の真ん中に位置)、そこにあった甲殻類が1億5,000万年の時を経て養分となり現在も地層深くに眠っているのです。それを地下10メートルまで伸びたブドウの木の根が吸い上げ、そうしてでき上がったワインは、なぜか磯の香がしてたくさんのミネラルを感じることができるというわけです。

これらのワインなら、飲んで楽しむだけでなく、料理の段階から蓋を開けて貝のワイン蒸しなどを作ってみるのもお勧め。そこへ蒸したジャガイモを入れれば、ワインで味の深みを増したスープまでしっかりと吸ってくれて美味しくいただくことができます。また、パセリやディル、コリアンダーなどのハーブを使うことでワインとの相互作用をさらにアップさせることができるでしょう。パンチェッタやベーコンなどを入れても、だしにより深みが増すのでぜひ試してみてください。

カナダ出身のフランス人が作る、ステンレスを使った代表的なシャブリ・スタイルのPatrick Puize
カナダ出身のフランス人が作る、ステンレスを使った代表的なシャブリ・スタイルのPatrick Puize

Vaceronは、火打ち石のようなミネラルにハーブとデリケートな柑橘をあわせたワイン
Vaceronは、火打ち石のようなミネラルにハーブとデリケートな柑橘をあわせたワイン


暑い夏にもぴったりの白ワインと貝のワイン蒸しの組み合わせ


大久保寛行
プロフィル◎COURT OF MASTER SOMMELIER CERTIFIEDの資格を取得し、シドニーのグラスでソムリエとして修行した後、ゴールドコーストのソルトグリルで4年間ヘッド・ソムリエとして活躍。同店はワイン専門誌「デキャンター・マガジン」で3年連続3グラスという最高のワインリストの評価を得ている。現在はフリーのソムリエとしてワイン・イベントや講習、コンサルタントとして活躍中。ワインの質問、もしくはイベントのお問い合わせはこちらまで。
Email: wineevent-goldcoast@hotmail.com

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