料理とワインのマリアージュ「サンマとワイン」

料理とワインのマリアージュ〜上手な楽しみ方〜

ワインといえば「ちょっと気取った飲み物」」「スペシャルな機会に飲む」「イタリアンやフレンチを食べる時に」と思っている人も多いのでは? しかし実は、それは思い込みかもしれません。ワインは、意外とどんな料理にも合わせられるもの。例えば餃子や納豆にだって、実はちゃんと合うワインがあるのです。こうした、ワインと料理とのマッチングを「マリアージュ」と言いますが、本コラムでは、このマリアージュについて楽しく学んでいただきたいと思います。

◆サンマとワイン

オーストラリアでは夏のピークが過ぎ秋口に入ろうとしています。猛暑を超えてだんだん過ごしやすい気候になり、ますます食欲がわいてくる頃かと思います。

日本では“食欲の秋”と呼び、旬の食材が目白押しの季節。やはり食べたくなるのがサンマです。残念なことにオーストラリア国内では収穫できない魚ですが、冷凍技術の進歩のおかげで、北海道直送のサンマの刺身をブリスベンの寿司屋で食べた経験があります。日本食材をそろえるスーパーでは気軽に購入することもできますね。

青魚は栄養も豊富で収穫量も多いことから昔から庶民の味方でした。脂がたくさんのっていて、炭火の煙の中で燻(いぶ)されながら、コクと風味が増していきます。食べる時も箸を入れるとスーッと身がはがれて食べやすく、皮のパリパリ感としっとりした身のバランスが素晴らしい。

そんな焼き魚に合わせるのは、日本酒は鉄板なのですが、あえてワインと合わせるなら何を選びましょう?まずは、フランスはロワール地方のミュスカデという白ブドウ品種で造られるワイン。「シュル・リー」というこの地方独自の製法で造られます。冬の間にワインを発酵後の酵母と寝かせ、ワインに酵母の味わいを加えます。辛口のシェリーを思わせるような、パンのような香りと味わいは、クリーミーでどこか塩味に似た風味を感じます。ワインの地元のナント市は漁港で、昔から地元の海産物の牡蠣や焼きイワシなどと飲まれてきたので相性の良さもうなずけます。

他にも意外に、軽めの赤、ピノ・ノアールとも相性が良いでしょう。赤い果実を思わせるデリケートな舌触りとオレンジ・ピールやクローブのスパイスをほのかに感じさせるワインと魚貝類は相性が良いのです。

ただ、ピノ・ノアールでも男性的で木樽のスパイスが強いワインは避けましょう。木からでるタンニン(渋み)が魚臭さを増してしまうのでご注意です。果実味を生かした古樽やステンレスで造られたワインをお薦めします。ぜひ、試してみてください。

「KUMEU RIVER PINOT NOIR VILLAGE」。軽やかな舌触りに野イチゴやラスベリーを思わす果実味が特徴。少し冷やして飲んでもおいしい
「KUMEU RIVER PINOT NOIR VILLAGE」。軽やかな舌触りに野イチゴやラスベリーを思わす果実味が特徴。少し冷やして飲んでもおいしい
ワインと魚貝類の相性は意外にも良いのです
ワインと魚貝類の相性は意外にも良いのです

大久保寛行
プロフィル◎COURT OF MASTER SOMMELIER CERTIFIEDの資格を取得し、シドニーのグラスでソムリエとして修行した後、ゴールドコーストのソルトグリルで4年間ヘッド・ソムリエとして活躍。同店はワイン専門誌「デキャンター・マガジン」で3年連続3グラスという最高のワインリストの評価を得ている。現在はフリーのソムリエとしてワイン・イベントや講習、コンサルタントとして活躍中。ワインの質問、もしくはイベントのお問い合わせはこちらまで。
Email: wineevent-goldcoast@hotmail.com

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