料理とワインのマリアージュ「シャリー酒」

料理とワインのマリアージュ〜上手な楽しみ方〜

ワインといえば「ちょっと気取った飲み物」」「スペシャルな機会に飲む」「イタリアンやフレンチを食べる時に」と思っている人も多いのでは? しかし実は、それは思い込みかもしれません。ワインは、意外とどんな料理にも合わせられるもの。例えば餃子や納豆にだって、実はちゃんと合うワインがあるのです。こうした、ワインと料理とのマッチングを「マリアージュ」と言いますが、本コラムでは、このマリアージュについて楽しく学んでいただきたいと思います。

◆シャリー酒*

※シェリー酒。著者希望でシャリー酒としています。

南スペインのアンダルシア地方にあるヘレス・デ・ラ・フロンテーラはフラメンコで有名な街。降り注ぐ太陽の光の下、情熱的なスパニッシュ・ギターが響き、雑踏と土ぼこりの中を踊る人々が目に浮かんできます。

この街でもう1つ有名なのがシャリー酒。その昔、シャリーは、酸化や劣化を防ぐためにブランデー(ブドウを原料に造られる蒸留酒)を混ぜるという、長持ちさせるための独自の製法から生まれました。酒精強化酒(フォーティファイドのワイン)とも言います。シャリー酒には何種類もあり、その特徴を分かっていればフード・マッチングにはかなり万能なツールでもあるのです。

フィノ(Fino)は軽めのテクスチャーです。発酵後に生まれる酵母の膜(フローラ)が液面をカバーして酸化を防ぎます。クリーミーで複雑味のある極辛口ワインで、日本酒のような印象も感じます。アルバリサ(アルバはスペイン語で白色の意)と呼ばれる白い土壌はたくさんのカルシウムとミネラルを含み、牡蠣の殻のような香りがするのが特徴。生牡蠣、むし貝、青魚の塩焼きといった魚介全般と相性が良いのです。

オロロソ(Oloroso)は辛口から甘口まであるのですが、とてもリッチでフル・ボディーのシャリーになります。強いて言えば、フィノは白ワインでオロロソは赤ワインに近い深さと濃さがあります。アルコールが高いためにフローラが育たず樽の中で酸化することによって複雑味と深みが出るのが特徴です。当然合わせる料理も変わってきます。ある本によれば、あんずでできた中国の杏露酒に似ていることから、中華料理と相性が良いとされています。個人的には、OXテールや黒トリュフとビーフ・ストックを使った、味のしっかりした料理に合わせると味わいが増していくと感じます。

ペドロ・ヒメレス(PX)は甘口のシャリー。天日干しのレーズンから造られるため、しっかりした甘さがあります。多様なチーズとも相性が良いので、ぜひ試してください。

まろやかな干しブドウの香りの「ペドロ・ヒメネス・サン・エミリオ・シャリー」(Pedro Ximenez SAN EMILIO SHERRY)
まろやかな干しブドウの香りの「ペドロ・ヒメネス・サン・エミリオ・シャリー」(Pedro Ximenez SAN EMILIO SHERRY)
スペインを代表する辛口シャリー酒「LA GOLA(ラ・ゴヤ)」
スペインを代表する辛口シャリー酒「LA GOLA(ラ・ゴヤ)」
チーズがどんどん進むシャリー酒
チーズがどんどん進むシャリー酒

大久保寛行
プロフィル◎COURT OF MASTER SOMMELIER CERTIFIEDの資格を取得し、シドニーのグラスでソムリエとして修行した後、ゴールドコーストのソルトグリルで4年間ヘッド・ソムリエとして活躍。同店はワイン専門誌「デキャンター・マガジン」で3年連続3グラスという最高のワインリストの評価を得ている。現在はフリーのソムリエとしてワイン・イベントや講習、コンサルタントとして活躍中。ワインの質問、もしくはイベントのお問い合わせはこちらまで。
Email: wineevent-goldcoast@hotmail.com

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