料理とワインのマリアージュ「魅惑のグレナッシュ」

料理とワインのマリアージュ〜上手な楽しみ方〜

ワインといえば「ちょっと気取った飲み物」」「スペシャルな機会に飲む」「イタリアンやフレンチを食べる時に」と思っている人も多いのでは? しかし実は、それは思い込みかもしれません。ワインは、意外とどんな料理にも合わせられるもの。例えば餃子や納豆にだって、実はちゃんと合うワインがあるのです。こうした、ワインと料理とのマッチングを「マリアージュ」と言いますが、本コラムでは、このマリアージュについて楽しく学んでいただきたいと思います。

◆魅惑のグレナッシュ

赤ワインをグラスに注ぎ、光にかざしてみると、鮮やかなルビーの液体が反射して、思わず見とれてしまいます。色の濃さはマセラシオンと呼ばれる皮と果実を漬け込む期間や、本来持つそれぞれのぶどう品種の果皮の厚さの違いによって深くなったり、薄く見えたりもします。

温暖な気候を好んで育つ黒ぶどう品種のグレナッシュ。芳醇な香りが特徴で甘いラズベリー・キャンディーのような香りに誘われて、思わずグラスに飛び込みたくなります。オーストラリア国内では、南オーストラリア州が主な産地で、バロッサ・バレーには樹齢100年を超えるオールド・バイン(古木)がいまだにぶどうを生産し続けています。

ひと昔前まで、ほとんどの生産者がワイン造りの時に長い間クラッシュした皮や種と果汁を漬け込む時間を長く取り、皮から深い色を出す、俗に言うビッグなワインに仕上げていました。本来、果皮が薄く、豊かな果汁を含むグレナッシュの特徴を生かし、漬け込みを短縮して可愛らしく軽やかなワインを造る生産者が増えてきます。

ある友人はグレナッシュを“バロッサのピノ・ノアール”(ブルゴーニュ原産の軽めの赤)と呼んでいました。透き通るルビーに甘く赤い果実、さくらんぼ、ほのかに細かく砕いたカカオ豆のような味わい、絹のような舌触りを持つこのワイン。「まるでピノ・ノアールのようだ」という表現は納得できます。

グレナッシュは、マグロや赤み全般のお造り、焼き鳥や鴨をはじめ、いろいろな食に合うでしょう。先日のワイン・ディナーでは、カンガルーのタルタル(右の写真参照)と素晴らしいワイン・マッチングでした。ぜひ、可愛いらしく果実味豊かなグレナッシュお試しあれ。

「Yelland & Papps Second Take Grenach」全総のぶどうを使ったためグリーン・ペッパーなどのキャラクターがあり、優しさの中に複雑味を感じるワイン
「Yelland & Papps Second Take Grenach」全総のぶどうを使ったためグリーン・ペッパーなどのキャラクターがあり、優しさの中に複雑味を感じるワイン
「Red LetterDays」大手トロブレックのワイン・メーカーのグレイグ氏が手がけるグレナッシュ
「Red LetterDays」大手トロブレックのワイン・メーカーのグレイグ氏が手がけるグレナッシュ

 

Paper Daisyの人気メニュー。カンガルーのタルタルとグレナッシュは定番マッチング
Paper Daisyの人気メニュー。カンガルーのタルタルとグレナッシュは定番マッチング

大久保寛行
プロフィル◎シドニーのヒルトン・ホテルにあるハットレストラン、グラスでソムリエとしてキャリアを始める。後にゴールドコーストのヒルトン(ソルトグリル)でヘッド・ソムリエになり3年連続で最高評価の3グラスを獲得。現在は去年6月にオープンした話題のキャバリタ・ビーチのブッティクホテル、ハルシオン・ハウス内のペイパー・ディジー・レストランにて活躍中。定期的なワイン・ディナーも行っています。ご予約を取りたい方はぜひご連絡ください。
Email: sommelier@halcyonhouse.com.au

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