料理とワインのマリアージュ「マクラーレン・ベールのワインに歴史あり」

料理とワインのマリアージュ〜上手な楽しみ方〜

ワインといえば「ちょっと気取った飲み物」」「スペシャルな機会に飲む」「イタリアンやフレンチを食べる時に」と思っている人も多いのでは? しかし実は、それは思い込みかもしれません。ワインは、意外とどんな料理にも合わせられるもの。例えば餃子や納豆にだって、実はちゃんと合うワインがあるのです。こうした、ワインと料理とのマッチングを「マリアージュ」と言いますが、本コラムでは、このマリアージュについて楽しく学んでいただきたいと思います。

◆マクラーレン・ベールのワインに歴史あり

アデレードから海の方向へ南化すること約1時間。今、僕は南オーストラリア州の歴史あるワイン産地、マクラーレン・ベール(McLaren Vale)のワイナリーに来ています。可愛らしい黄色の花が咲き乱れ、春の訪れを知らせてくれています。畑にこんなにも多くの草や花々が生い茂っているのは、除草剤を使わずに長きにわたって無農薬農法に徹してきた畑が「いかに健康か」ということ。

マクラーレン・ベールは、同じく南オーストラリア州に位置するバロッサ・バレー(Barossa Valley)と良きライバル関係にあると言っていいでしょう。どちらのワイナリーでも力強いシラーズを造っています。海の影響を受けたワイナリーで造られるワインは、潮風を受けてほんのりと塩キャラメルのような味わいになる他、夕方に吹く冷ややかな海風の影響で、タンニン(渋みの成分)が優しく女性的になるようです。

今回は、ワイン・メーカーのお誘いでワイナリーを何軒か訪れました。印象に残ったのが「KAY BROTHERS」。1890年創立のマクラーレン・ベールではパイオニア的な存在で、コスト・パフォーマンスの高いワインです。シラーズは、甘いココナツのような魅惑の香りと凝縮したブルーベリー・ジャムの味わいが特徴的。

甘いココナツの香りはアメリカ樽で熟成した証で、フランス産の樽と混合することによってバニラやカルダモン、シナモンなどのドライなスパイスも加わり、味わいに深みが増します。凝縮した果実味とブルーベリーのような味わいは、ファインなシラーズの証。一方、ダーク・チョコレートやコーヒー豆のようなビターな味わいは、大人のワインに仕上がってる証拠です。料理はハード系チーズ全般、黒オリーブ、すき焼きやステーキ全般が合う他、オーストラリアで人気の牛ほほ肉の煮込みとの相性も抜群です。

海岸に面して魚介も豊富。数多くの質の高いレストランに加え、新種のブドウ品種を先駆けて育てる探求心、ワイン生産者団体の結束力も強いマクラーレン・ベールのワイン・メーカーたちに力強い未来を感じた、そんな旅でした。観光にも素晴らしい場所なので、ぜひ機会があれば立ち寄ってみては。

ジェントルにプレスされたシラーズ。KAY BROTHERSのフラッグシップ・ワイン
ジェントルにプレスされたシラーズ。KAY BROTHERSのフラッグシップ・ワイン
ヒルサイドはブロック6で造られるシングル・ビンヤードのシラーズのトップ・レンジ
ヒルサイドはブロック6で造られるシングル・ビンヤードのシラーズのトップ・レンジ
黄色の花がワイナリーに春の訪れを知らせる
黄色の花がワイナリーに春の訪れを知らせる

本コラムは今月号で連載を終了させて頂きます。今後もワイン情報を発信していきますので、Facebookでフォロー頂くか、直接メールをお送りください。ご愛読ありがとうございました。


大久保寛行
プロフィル◎シドニーのヒルトン・ホテルにあるハットレストラン、グラスでソムリエとしてキャリアを始める。後にゴールドコーストのヒルトン(ソルトグリル)でヘッド・ソムリエになり3年連続で最高評価の3グラスを獲得。現在は去年6月にオープンした話題のキャバリタ・ビーチのブッティクホテル、ハルシオン・ハウス内のペイパー・ディジー・レストランにて活躍中。定期的なワイン・ディナーも行っています。ご予約を取りたい方はぜひご連絡ください。
Email: sommelier@halcyonhouse.com.au

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る