オーストラリアで話す日本酒のお話【第4回】酒盃の話

オーストラリアで話す日本酒のお話

第4回酒盃の話

新年、そしてサマー・ホリデーのこの時期は楽しい乾杯の機会が増えますね。またホーム・パーティーで和食を囲んで集まることがあれば、オージーに日本酒を紹介する絶好のチャンスです。今回は「盃」を通して、気軽においしく日本酒を勧めるアイデアを幾つかご紹介します。

自宅のお猪口を集めてパーティーに活用
自宅のお猪口を集めてパーティーに活用

ガラスの器ですっきり、繊細な味わいの日本酒を

盃でも小ぶりのワイン・グラスでも、口当たりの薄い酒器で冷酒を味わうと繊細な香りと風味が引き立ちます。ウェルカム・ドリンクであればややアルコール低めのお酒を選んだり、氷を入れてサービスするのも夏らしいですね。

居酒屋スタイルで「お猪口選び」

頂き物やお土産のお猪口が家にたまっていたら、お酒を注ぐ前にゲストに好きな器を選んでもらうと喜ばれます。お猪口の大きさ・形状が変わると日本酒の印象もぐんと違ってきますので、ぜひいろいろなお猪口とお酒のマッチングを楽しんで頂きましょう。一般的にはお猪口の形状が小さいと味の凝縮感を感じ、また平盃(ひらはい)など口径が大きく開いているとより酸味を感じます。もちろん、それぞれの味覚もありますので、ゲストにテイスティング後の感想や好みを話してもらえば、初対面の人が多いパーティーでも、会話の良いきっかけとなります。

ワイン通には「大吟醸」「純米」グラス

リーデル大吟醸グラス(左)と純米グラス(写真提供=リーデル)
リーデル大吟醸グラス(左)と純米グラス(写真提供=リーデル)

ワイン・グラスで名高いリーデル社では、実は大吟醸、そして純米酒に特化したグラスも作っています。筆者は昨年、同社開催のテイスティングに参加する機会に恵まれましたが、お猪口だとすぐには感じ取れなかった大吟醸酒の華やかさ、そして米の繊細な香りが、大吟醸グラスに注がれた途端、花が咲くように立ち上ってきたのが印象的でした。

また純米グラスでの試飲には、独特の風味が魅力的な山廃仕込みの純米酒が使われました。お猪口だとその複雑な香りに嗅覚が引き寄せられてしまうのですが、純米酒グラスに注がれた時は、はちみつやキャラメルのようなそれまで気付かなかった芳香が次々と感じられ、滑らかな口当たりと共に、奥深い味わいをゆっくりと楽しめました。

今年も、お知り合いとホーム・パーティーの機会があれば、ぜひいろいろな飲み方を試してみてください。日本酒というアルコール・カテゴリーのすばらしさを、講釈やうんちくでなく味で理解してもらうチャンスです。


雄町稲穂
在シドニー歴20年。日本での仏・独・豪ワインの輸入販売を経て、シドニーのブティック・ワイン専門会社に入社、日本やアジア諸国へ豪州プレミアム・ワインを輸出。現在は豪州食材を世界に広める企業に勤務。日本酒は勉強不足を痛感し、2017年にTAFEのWSET(Wine & Spirit Education Trust)SAKEコースを受講。レベル3を「優」で卒業したものの、テイスティングは「良」に留まったため、スキル・アップのため実技に励んでいる

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