オーストラリアで話す日本酒のお話【第7回】冬に楽しむ日本酒の話

オーストラリアで話す日本酒のお話

第7回冬に楽しむ日本酒の話

日本と比べればずっと過ごしやすいシドニーの冬ですが、それでも風の冷たい夕べには、冬らしい食事やお酒が恋しくなるもの。今回は、寒い季節に楽しむ日本酒についてお話ししましょう。

寒い季節のホーム・パーティーには燗した日本酒がぴったり
寒い季節のホーム・パーティーには燗した日本酒がぴったり

意外と「燗好き」なオージー

こちらで日本酒を勧めると「ありがとう。これCold、それともWarm?」と聞いてくる人がいませんか。最近のスキーや観光人気で、日本で燗酒を体験したオージーも増えています。また、こちらでホーム・パーティーに呼ばれると、寒かろうが風が吹こうが皆が集まっておしゃべりしているのはバルコニーかBBQのある庭先という光景もしばしば。そこで「次はうちに集まりましょう!」と声を掛けることになったら、その際はぜひ燗した酒をすてきな徳利で振る舞ってみてください。軽やかなスタイルの本醸造や辛口純米酒を上燗(45度程度)から熱燗(50度程度)で試してもらうと、気持ちも胃袋も温まり、寒い屋外での会話も弾みます。

温め方にはそれほどこだわらず……

日本酒通には「電子レンジ反対派」もいるものの、やはり手軽で早い利点があります。そこで温度のムラをなくすため、徳利にラップを掛け20秒程度加熱した後、取り出して軽く振ってあげましょう。その後レンジに戻して再加熱してください。鍋であれば、湯を沸かして細かい泡が出てきた時点で火を止め、徳利を入れて5分程度温めます。酒器のタイプによって温まり方も違いますし、猪口に注ぐとそこで温度が数度下がるので適温はお好みで。その他、酒燗器(湯煎をする外側の陶器と徳利のセット、写真参照)を使ったり、徳利を大胆におでん鍋に直接入れ込んだりと、楽しみ方はさまざまです。

うまみが沁(し)みる燗酒はメインと合わせて

湯煎のための陶器と徳利から成る酒燗器
湯煎のための陶器と徳利から成る酒燗器

宴もたけなわ、いよいよメインの料理が登場となりましたら、厚みのある味わいの純米、山廃、あるいは原酒などを燗で出してみましょう。脂の乗った焼き魚、鍋料理、ステーキなど、冬はうまみ溢れる料理と燗酒をマッチングさせる絶好の季節です。同じお酒を常温と燗の両方でトライしてもらい、味わいの違いを発見してもらうのも楽しいですね。

オーストラリアでは「Christmas in July」と称して、夏には暑すぎるクリスマスの料理を7月に楽しむ習慣もあります。お正月 in July、というわけでありませんが、冬ならではの味覚とおいしい日本酒に乾杯!


雄町稲穂
在シドニー歴20年以上。日本での仏・独・豪ワインの輸入販売を経て、シドニーのブティック・ワイン専門会社に入社、日本やアジア諸国へ豪州プレミアム・ワインを輸出。現在は豪州食材を世界に広める企業に勤務。日本酒は2017年にWSET(Wine & Spirit Education Trust)のSake Level 3、19年にSSI(Sake Service Institute)国際唎酒師を受講・合格。引き続きスキルアップのため「テイスティング」に励んでいる

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