第7章 ハンター・バレーで絶品ワインと食のグルメ体験

MASUYA GROUP CEO  —KEN定松が歩いた—

食材の宝庫   オーストラリア

第7章 ハンター・バレーで絶品ワインと食のグルメ体験

 今回訪れたのはシドニーから車で2時間、白のセミヨン、赤のシラーズで有名なワインの里、ハンター・バレー。地産食材とワイン、そして音楽とアートを融合させたフード・ツーリズムは、日本からぜひ見学に来てもらいたい取り組みである。

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Petersons Champagne Houseでのひとコマ

■Fresh Oysterにはピンク・シャンパン
 まず最初に訪れたいのが、ハンター・バレーの入り口にある観光案内所。こちらでは約100軒に及ぶワイナリー、宿泊施設、アトラクション、ギャラリー、そしてワイナリーでの挙式情報など各種情報が手に入ります。施設にはワインの試飲コーナーもあるので、味見をしてからワイナリー見学の行き先を決めてもいいでしょう。
 我々が最初に訪れたワイナリーは、豪州の特産でもあるピンク・シャンパンで有名な「Petersons Champagne House」。各種赤ワイン種の葡萄から作られたピンク・シャンパンは、とても可愛らしい容器ばかりがユニークにディスプレイされ、お洒落にこだわる日本人ならきっと購入したいと思うでしょう。
 ワイナリー内のレストラン「Cuvee」は、ハンターからほど近いポート・スティーブンス産の新鮮な生牡蠣とともに地産のチーズやオリーブなどを楽しむのがお薦めです。

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Scarboroughでのテイスティング

■ブティック・ワイナリーで朝食を
 次に訪れた「Scarborough」は白ワインにこだわったブティック・ワイナリー。こちらのワインはカンタス航空ファースト・クラスの機内ワインに採用されたこともあります。実は今から5年前、私と妻はこちらの招待を受け、貯蔵庫内でケータリング・フードを楽しみながら、シドニーのワイン関係者らとともに夜中まで飲み明かしたことがあります。翌朝にワイン畑の中に置かれた真っ白のクロスがかかったテーブルで朝食をいただいたことが、一生の思い出となりました。
 予約をしてからテイスティングに訪れると、1人ひとりのグラスに8種ほどのワインを説明しながら注いでくれます。辛口の白は、日本食好みの食通にお薦めです。

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Country Style Cafeのサイン

■庭園でBBQランチもよし
 さて、ランチ・タイムに訪れたのは25ヘクタール以上の敷地に12のテーマ・ガーデンがある「Hunter Valley Gardens」。ここは駐車場の側にBBQ施設があり、そばのスーパーマーケットでビーフやラム肉、チーズなどを買ってランチを楽しめます。
 また、庭園を見学した後に「Country Style Cafe」でのんびりとランチするのもお薦めです。こちらではオージーの“Soul Food”のビーフ・シチューやラム・シャンク、BBQソーセージ、そしてジャンボ・ミルク・シェイクが楽しめます。
■ぜひ泊まりがけで
 その後は、豪州が世界に誇る「Tyrrell’s」やスタイリッシュなセラー・ドアやチーズ・ショップを持つ「Tempus Two」、ゲストハウスで優雅なティー・タイムを過ごせる「Peppers 」などを巡りました。ハンター・バレーにはほかにも数多くの秀逸ワイナリーがあるので、日帰りと言わずぜひ泊まりがけで訪れていただきたいと思います。
 ちなみにこの6月、「Margan」ワイナリーでは「スロー・フード・マンス」と題した、自社農園で採れた野菜をメニューに取り入れたワインとのマリアージュが提供されていました。季節ごとのさまざまな催しも要チェックです。

■日本酒は“観光立国・日本”実現のための切り札

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「月の桂」の酒蔵、増田徳兵衛商店

 先日、シドニーの陶芸家マルコム・グリーンウッド氏、アジア建築に精通した建築設計士ロバート・トーランド氏らとともに、日本酒の酒蔵を巡る日本視察ツアーを敢行しました。一行6名を率いて、京都の「月の桂」、富山の「満寿泉」、新潟の「市島酒造」、金沢の「福光屋」など名酒の酒蔵を訪れる旅は苦労もありましたが、参加したオージーたちの笑顔は、彼らが一生の日本酒ファンになったことを物語っていました。
 道中、豪州初の日本酒専門の小売店、オージーが楽しめる「Sake Bar」のオープン構想のほか、オージーにうける酒カクテル、大吟醸の薦め方、純米酒の熱燗のパフォーマンス、料理との合わせ方、器づくりなどさまざまな夢を酒を酌み交わしながら語り合いました。今年中にはワイナリーのオーナーやオージーのレストラン・オーナーとともに再度訪れる予定です。
 反対に、日本各地にある酒蔵の皆さんには、ぜひとも豪州のワイナリーを視察していただきたい。どのようにして酒をテイスティングしてもらい、楽しんでもらうかのアイデアがきっと生まれるはずです。そして、地域の観光局は地元食材を生かしたレストランを増やしたり、観光案内所を設置したり、外国語にも対応できる観光ガイドを育てるなど、海外からの観光客を意識した地方の活性化を目指してみてはいかがでしょう。
 今や日本食は世界中で大ブーム。この先、日本酒もきっと世界でブームになるはずです。そこで地域活性化の核になるのが、全国に1,000軒以上ある日本酒の酒蔵です。地域の個性化は国内観光客にもアピールするに違いありません。
 また、外食産業で働く皆さんも、ぜひ海外のホスピタリティーとは何かを学んでいただきたい。それができるのが、ワーキング・ホリデー制度のある多民族国家オーストラリアだと思います。
 さて、次回はWA州パースのフリーレンジ・ポーク、そしてマーガレット・リバーを代表するワイナリー「Leeuwin Estate」とともに、アボリジニー・アートのご案内をします。
Enjoy your meal !


プロフィル
◎日本食レストラン「MASUYA Group」社長。趣味=庭の草刈りと読書。座右の銘=「道のないところに道をつくる」。豪州初の日本食フード・フェアの実施や日本酒の普及促進活動など、日本の食文化の浸透に尽力。また、日本の観光業・外食業との事業提携や人材育成などを進めている。本コラムではオーストラリアのフード・ツーリズムを紹介中。
Web: www.masuya.com.au

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