第9章 シドニーのオーガニック・マーケットと 日本の世界遺産、白川郷の伝統食

MASUYA GROUP CEO  —KEN定松が歩いた—

食材の宝庫   オーストラリア

第9章 シドニーのオーガニック・マーケットと
日本の世界遺産、白川郷の伝統食

 新鮮で安全、そして世界各国の食材が集まるシドニー。今月は、そのシドニーでスタッフとともに毎月出かけるオーガニック・マーケット、そして日本の三大朝市の1つとして有名な、飛騨高山をご紹介したい。

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ピアモントで行われるシドニー・グロワーズ・マーケット

■シドニーのお薦めマーケット
 毎月第1土曜日にピアモントで行われている「Sydney Growers Market」は、朝7時から食材にこだわるグルメ客で賑わいます。マッシュルーム、ポテト、手作りパン、チーズ、蜂蜜、デザートなど、さまざまな業者が出店していますが、中には片道5時間半もかけて出店するフリーレンジ・ポークの生産者もいます。私がよく購入するのは、20年以上前から知り合いのDarling Mill農場が生産しているオーガニック野菜、オリーブ、そしてナスタチウム(nasturtium)という食用花です。
 マーケットの海側には「Ripples」というオープン・カフェがあります。この店はシドニー湾に臨む絶景ポイント4カ所に店を構える人気店。マーケットを訪れた後にここでお茶をするのもいいし、道を渡ればスターシティ・カジノですので、テラス・バーでグラス・ワインをゆったりと楽しむのもお薦めです。
 シティから西へ2キロ、イタリア人街ライカート近くのリリーフィールドでも、Orange Grove Public Schoolという学校内で「Organic Food & Farmers Markets」が週末に行われています。ここでは、手作りのジュエリーから子ども服、石鹸、ロウソク、コーヒー豆など、野菜、フルーツ以外も販売されています。
 シドニー北部フレンチ・フォレストで行われているマーケットは、日本人が作るお好み焼きや焼き鳥、寿司ロールのほか、ブラジルのシュラスコや、ギリシヤ料理とともにオーガニック・ジュースなども売られています。森の中にあるマーケットですが、近くにはパブもあるので、ダンナさんは昼寝でもして楽しんでください。また、日本の骨董品を集めた店「EDO ARTS」が近くにありますので、駐在員の奥様はぜひ訪れてみてください。私のお薦めです。
 ほかにも、チャッツウッド、レッドファーン、キングスクロスなど、オーガニック・マーケットはシドニー各所で開催されています。日本からの観光客や修学旅行生もぜひ訪れて、マーケットの美味しい朝食とコーヒーを味わってみてはいかがでしょう。ホテルの朝食はきっと2日目には飽きてしまいますので。

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「京や」の岩魚酒

■飛騨高山の朝市
 今回の岐阜県・飛騨高山の旅は、飛騨の郷土料理・鶏ちゃん焼きの店『ねじべえ』を東京で展開する平渡さんに案内していただきました。
 約60の露店が軒を連ねる朝市で有名なこの地は、江戸時代以来の城下町、商家町の姿がそのまま残る歴史の町としても知られています。ずらりと並ぶ露店の後ろには、鯉が悠々と泳ぐ宮川が流れ、山々の景色と一体となった古い街並みは、さすが「飛騨の小京都」と呼ばれるだけあると感心します。そして、ミシュラン・ガイドに取り上げられ、ヨーロッパの観光客で賑わっていることにも納得します。朝市にはトマト、キュウリ、茄子、手作りの漬け物、五平餅、飛騨牛の串焼き、地酒などが売られていました。
 夜、私どもが夕食を取ったのが『京や』さん。捕れたての鮎や、岩魚の炭火焼き、蜂の子、あずきな、ころイモ、にたくもじなどの郷土料理と、手作り赤しそジュース、各種の地酒を美味しくいただきました。家族で経営する同店は、古い佇まいが外国人観光客にとても受けているようでした。鮎は1匹1,500円と高値ですが、やはり地元で地酒やほかの郷土料理とともに楽しめば格別の味となります。

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白川郷の合掌造り

■世界遺産、白川郷を散策する
 15年前に世界遺産に指定されたことで、かつては過疎化に喘いでいた白川郷に、今や日本全国から、そして世界中から多くの観光客が訪れています。四季ごとに色を変える山々を背後に従える合掌造りの集落の姿は、まさに絶景。私どもは和田家、長谷川家などの建築を見学しました。
 各種の材木の特徴を生かしながら、釘を1本も使わず建てられたその家屋は、何百年もの風雪に耐え、そして地震にも強い、優れた構造に特徴があります。黒光りする床といろりの風情、風と光をいかに快適に採り入れるかの知恵は、外国人でなくとも驚かされます。
 都会生活で疲れた私の心にも、心地良い風が吹いた気がしました。
■郷土料理と文化
 私は日本全国の郷土料理とその蔵元が一緒になって、外国や他県からの観光客、そして地元の人とで賑わう店を作ることができればと思います。日本全国からワーキング・ホリデーで来豪している当社のスタッフが、英語力や文化の違い、広い価値観を身に着け、生まれ故郷のその様な店で働いてくれることを熱望します。必要ならば、私の残りの人生30年をかけて、ボランティアででもお手伝いをしたいと思っています。
 次回は、メルボルンのワイナリー巡りとともに、オージーに大人気の居酒屋レストランをご紹介します。

Enjoy your meal!

■Sydney Growers Market
Web: www.sydneymarkets.com.au
■Organic Food & Farmers Markets
Web: www.organicfoodmarkets.com.au
■Ripples
Web: www.ripplescafe.com.au
■京や
Web: www.kyoya-hida.jp


プロフィル
◎日本食レストラン「MASUYA Group」社長。趣味=庭の草刈りと読書。座右の銘=「道のないところに道をつくる」。豪州初の日本食フード・フェアの実施や日本酒の普及促進活動など、日本の食文化の浸透に尽力。また、日本の観光業・外食業との事業提携や人材育成などを進めている。本コラムではオーストラリアのフード・ツーリズムを紹介中。
Web: www.masuya.com.au

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