多国籍なオーストラリアの簡単で美味しいレシピを紹介。
夏バテに負けない「ツナとトマトの冷たい和風パスタ」
(文・写真=ランス陽子)

寒い地域からやってきたイギリス移民が建国した国であるせいか、オーストラリアにはうだるような暑い季節にぴったりの食べ物が少ないと感じる人も多いのではないだろうか。冷たいシーフードやサラダにも飽きたし、そうめんやそばではスタミナがつかない……という時にぜひ作ってみたいのが、今回ご紹介する冷製パスタ。「ざるそばに使うような麺つゆにツナとトマトをたっぷり入れて冷たいパスタにかけると、簡単であっさりした和風の冷製パスタになりますよ」と教えてくれたのは、1980年代後半からゴールドコースト在住の雅子さん。
「トマトの赤とバジルの緑が鮮やかで、カラフルな見た目も食欲が出る理由の1つ。魚が苦手なオーストラリア人でもツナ缶は好きという人が多く、このレシピは日本の方はもちろん、オージーにも好評です」と言う。オーストラリア人は冷たいパスタを食べる習慣がない人が多いので、この料理を作ってあげるとそのおいしさに驚かれることが多いそうだ。
まずは、ざるそばを作る時のように麺つゆを作る。「我が家で受け継がれている麺つゆの基本は、醤油1、酒1、砂糖1弱、だし4の割合で沸騰させて酒のアルコールを飛ばしてから冷やすのですが、時間がない時は市販の麺つゆでもOKです」と雅子さん。
オーストラリアのツナ缶には油ではなく水を使用しているものが多く、レモンやチリなどで味付け済みの製品もあるが、このレシピにはオリーブ・オイルを使用しているツナ缶が一番合うとのこと。
「ツナ缶の油を切って使うと、ツナに少し残ったオリーブ・オイルがソースに混ざってちょうど良い風味になります。また、あっさりした麺つゆベースですが、ニンニクとブラック・オリーブを入れることで味に広がりが出ます。ニンニクも、面倒な時はハーブ売り場に並んでいるチューブや瓶詰めを活用してくださいね」
バジルの香りが苦手な人は、生の葉ではなくチューブ入りや乾燥のものを少なめに使うと香りがマイルドになって良いそうだ。
麺つゆと材料を混ぜ合わせたら冷蔵庫に入れてキンキンに冷やしておき、麺をゆでた後も冷水で洗ったら最後に氷水につけて冷やす。
さっぱり冷たいパスタで、今年の夏を乗り切ろう。
自分で作ってみよう!
(2人分)
トマト | 2個 |
ツナ缶 | 中1個(約170g)または小2個 |
ブラック・オリーブ(スライス) | 大さじ2 |
麺つゆ | 100cc |
バジル(みじん切りまたはペースト) | 大さじ1 |
ニンニク(すりおろし) | 大さじ1 |
パスタ | 200g |
塩(パスタのゆで汁用) | 適量 |
作り方
① 麺つゆをざるそばの時と同じ程度の濃さで100cc用意する。
② トマトは小さめにざく切りし、ツナ缶の油を切る。トマト、ツナ、オリーブ、麺つゆ、バジル、ニンニクを全てボウルに入れて軽く混ぜ、冷蔵庫で冷やす。
③ 鍋に湯を沸かす。沸騰したら海水程度の濃さになるまで塩を入れ、パスタをゆでる。
④ パスタがゆで上がったら冷水で洗い、完全に冷ます。最後に氷水につける。
⑤ パスタの水を切って手早く皿に載せ、②のソースをかける。

雅子さん
大阪出身、ゴールドコースト在住。料理は手早く簡単にをモットーにしており、たこ焼き、お好み焼き、焼きうどんなどの粉ものも得意。甘えん坊の2匹の猫たちに癒される毎日。