【新連載】幸せワイン・ガイド@Australia

美味しいワインの世界へようこそ

日豪プレス読者の皆様、初めまして。フロストと申します。これまで日本とオーストラリアで通算約8年、ワイン業界に携わり、現在はインターネット・オークション会社のワイン部門に勤務しております。どうぞよろしくお願いいたします。

まずは、私自身とワインの出合いから、少しご紹介したいと思います。この業界に身を置いていると「何をきっかけにそんなにワインが好きになったの?」と聞かれることが頻繁にあります。正直なところこれといってドラマチックなエピソードはないのですが、初めて「美味しい!」と思ったワインの記憶だけは、鮮明に残っています。

それは今から10年以上も前のこと。高校生時代にお世話になったホスト・ファミリーに会いに、オーストラリアを2度目に訪れた時でした。再会した時には成人していた私に、「あなたも飲んでみない?」とホスト・ファミリーが白ワインをついでくれました。

そのワインが何であったかすら、今となってはよく覚えていません。場所はクリスマス直前のクイーンズランド北部、うだるように暑い夏の日でした。キリリと冷えたそのワインを口にした瞬間、ほとばしるようなフルーツの香りが口の中いっぱいに広がりました。グレープフルーツやレモン、パッション・フルーツ――。いろんなフルーツの味と香りがじゅわっと広がって、同時にキリリとした酸味がとっても爽やかで……それはそれは、本当に美味しいワインでした。


あの時のワインはおそらくソーヴィニョン・ブランだった気がします

決して高級ワインなどではなかったはずです。ただ、そのキラキラとしたお日様をそのままボトルに閉じ込めたような淡い金色の飲み物は、当時の私にはただただ衝撃的だったのです。

それまでの私にとってワインとは、渋くて酸っぱくて小難しくて、とにかく近寄りがたいお酒でした。大人にしか許されないたしなみ、そんな聖域のようなイメージすらありました。そんなワインの近寄りがたいイメージを覆し、「ワインって、本当は美味しいんだ」と、そう最初に素直に思わせてくれたのが、オーストラリア・ワインでした。

今思うと、その1杯の白ワインがきっかけで、いつのまにかライフ・ワークになったワインという不思議な飲み物。スマートフォンもタブレットもなかった当時、小さなメモ帳にブドウ品種を1つ1つ書いて、基本的な味の特徴や原産地を覚え始めました。そしてそのまま果てしないワインの世界へと引き込まれていき、数えきれないほどのたくさんの素晴らしいワインと出合い、今日に至ります。当時、ただの貧乏学生だった私でも、こうやって気軽にワインの世界に入っていけたのは、とにかく親しみやすいことが魅力のオーストラリア・ワインが始まりだったから。その背景には、例えばこんなことが理由に挙げられます。

① ブドウ品種がラベルに明記してある
② 低価格帯のものでも安定した品質である
③ 法律の縛りがヨーロッパに比べ、ゆるやかである
④ 開閉のしやすいスクリュー・キャップ

ヨーロッパがすっぽりと入ってしまうほど広大で、自然豊かなオーストラリア大陸。さまざまな気候風土と作り手の自由なインスピレーションが合わさり、実にさまざまなスタイルの、また高品質なワインがこの国では作られています。香り豊かでまろやかなマーガレット・リバーのシャルドネや、芳醇でどっしりとコクのあるバロッサのシラーズ、エレガントなヤラ・ヴァレーのピノ・ノワールに、官能的なほどに甘美なデザート・ワイン、そしてオーストラリア独特の、真っ赤なスパークリング・ワインも有名です。

誰もが肩肘を張らずに気軽にワインを楽しみ、それが日常生活に密着しているオーストラリア。さまざまなご縁があって今この国で暮らす読者の皆様にとって、このコラムが、ワインをより気軽に美味しく楽しむためのきっかけとなればと思います。

今回は、オーストラリアに到着したばかりの、初めてワインを飲む若い女性たちのための3本をセレクト。

梅:自宅でルームメイトと

Innocent Bystander Pink Moscato(375mL)15ドル
チェリー・タルト、クリーム・チーズとイチジクなど、甘ずっぱいおつまみと
Web: www.innocentbystander.com.au

竹:BYOディナーに

Pikes Traditionale Riesling 24ドル
タイや、ベトナム、中華、韓国料理などのスパイシーな料理とともに
Web: www.pikeswines.com.au

松:お呼ばれの手土産に

Penfolds Bin 23 Adelaide Hills PinotNoir 45ドル
チキンの赤ワイン煮込み、北京ダックなどとともに
Web: www.penfolds.com


<著者プロフィル>

フロスト結子
◎日本人としての合格者はまだ少ないワインの国際資格WSET® Diploma in Wine & Spiritsを取得。日本でワイン関連商社の貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。現在はオーストラリア国内大手オークション会社であるGraysOnlineのワイン部門でアカウント・マネージャーとして勤務する傍ら、フリーランスとしてライティング、ワイン関連の翻訳、市場調査などで精力的に活動中。ワインのコメントは「とにかく美味しそうに書く」がモットー。
Web: auswines.blog.jp

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