幸せワイン・ガイド「シャルドネ」

今月の品種:シャルドネ

オーストラリアで最も生産量の多い白ワイン
 早くもクリスマス・カラーが街を彩る時期がやってきましたね。暑くなってきたので、そろそろ爽やかな白ワインをご紹介させていただきます。

 今月の品種は、オーストラリアで最も生産されている白ワインの品種「シャルドネ(Chardonnay)」です。シャルドネは、オーストラリアだけでなく世界中のさまざまな地域で生産されている品種です。ほかの多くの品種に比べぐっと幅広い土壌や気候に適応し、また作り手にとっては、さまざまな醸造方法に応えてくれる、変幻自在のとても面白い白ワインです。

 ですのでひと言でシャルドネといっても、フレッシュでフルーティなものからまろやかで複雑な味わいのものまで、実に多様なスタイルが存在します。特に、醸造の過程の違いによって、全く別のワインに仕上げられることから、「真っ白なキャンバス」ともよく例えられます。

 涼しい気候で育ったシャルドネは、レモンやグレープフルーツのような爽やかなシトラス系のフルーツの香りがし、より温かな気候で育ったものは、桃やメロンのような果肉の厚い甘い果物の香りがします。さらに濃厚なシャルドネになると、バナナやトロピカル・フルーツのような香りを感じられるものもあります。

樽熟成によって複雑さを増す

ワインに影響を与える樽
ワインに影響を与える樽

 また、シャルドネは樽との相性が非常に良い白ワインとしても知られています。醸造の過程で樽で熟成されたシャルドネは、ヨーグルトのように柔らかい酸味があり、まろやかで複雑な、ナッツやバニラ、クローブ、ココナッツ、バター、トーストなどの香りや味わいがします。

 樽がどのようにワインへ影響を与えるかは、使用する樽の大きさや原産地、樽の新旧によって大きく異なってきます。樽が大きいものより小さいものの方が、また、古いものより新しいものの方が、樽熟成による特徴がワインに出やすくなります。
 その一方で、熟成に樽を一切使わないタイプのシャルドネもあります。このスタイルの場合、ピュアで爽やかな果実味が前面に出るように仕上げられています。「Unoaked」もしくは「Unwooded」という表記とともに売られているのがこのスタイルのシャルドネです(ただし、そう明記されていなくてもこのスタイルで作られたシャルドネもあります)。樽の香りがするシャルドネが苦手という方は、まずはこちらのタイプのシャルドネを試してみてください。
 育った環境に加え、どんな樽を使うか、あるいは樽を使うか使わないかなど、作り手によって全く違う「絵」が出来上がるシャルドネ。さまざまなスタイルの中から、自分に合う1本を、ぜひ探してみましょう。

変わりつつあるオーストラリアのシャルドネ

 実はオーストラリアのシャルドネというと、少し前までは、アルコール度数が高く、“がっつり”と樽の香りのする「ビッグな」ワインが主流でした。ですがここ最近は、もっと線が細く、樽使いも上品なスタイルに急速に変化しつつあります。
 この傾向は、シャルドネだけでなくオーストラリア・ワイン全体に見られるトレンドです。これは「Cool Climate Style(冷涼な気候のスタイル)」と呼ばれるスタイルで、こうしてエレガントで洗練されたワインを作る生産者が、今増えています。
 ワインのスタイルの幅が広がり、今後も美味しいオーストラリア・ワインがたくさん出てきそうですね。

シーフード全般からチキン、ポーク、濃厚なチーズにも

 シャルドネに合わせたいのはまずシーフード全般。樽を使っていないタイプのものであれば、あっさりとしたカルパッチョや生ガキを。
 樽を使ったまろやかなものであればクリーム系のパスタやソースに、鶏肉や豚などの白いお肉のグリル。チーズはチェダーやコンテなど濃厚なハード・チーズがお薦めです。日本食であれば、白身魚や貝のお刺身、おでんなどがお薦めです。

作り手によって異なる多彩な顔ぶれを食卓に

梅:平日おうちご飯

Devil’s Lair The Hidden Cave Chardonnay Margaret River/16ドル
シーフードBBQ、イカのリングフライ、クリーム系パスタと
Web: www.devils-lair.com

竹:お客様が来る日のディナーに

Stonier Chardonnay Mornington Peninsula/25ドル
ローストチキン、シザーサラダ、ポークチョップと
Web: www.stonier.com.au

松:頑張った日のご褒美に

Shaw & Smith M3 Chardonnay Adelaide Hills/44ドル
コンテチーズ、ロブスターと
Web: www.shawandsmith.com


<著者プロフィル>

フロスト結子
◎日本人としての合格者はまだ少ないワインの国際資格WSET® Diploma in Wine & Spiritsを取得。日本でワイン関連商社の貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。現在はオーストラリア国内大手オークション会社であるGraysOnlineのワイン部門でアカウント・マネージャーとして勤務する傍ら、フリーランスとしてライティング、ワイン関連の翻訳、市場調査などで精力的に活動中。ワインのコメントは「とにかく美味しそうに書く」がモットー。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る