幸せワイン・ガイド「スパークリング・レッド」

今月のワイン:スパークリング・レッド

ワインと温度

夏本番!暑い日が続くようになってきましたので、今月はワインと温度のお話をしたいと思います。初めに覚えておきたいのは、ワインを保管する温度と、そのワインを美味しく飲む時の温度は、必ずしも同じとは限らないということです。

保管中の温度

目にも鮮やか、真っ赤なスパークリング・ワイン
目にも鮮やか、真っ赤なスパークリング・ワイン

ワインの最適な保管温度は、その種類に関わらず13〜15度くらいとされています。基本的には、冷暗所で適度に湿気のある所、さらに温度差が少なく振動のない場所が最適です。ワインセラーがあれば理想的ですが、なければ床下収納などが良いでしょう。

買って1〜2週間以内にすぐに飲んでしまうデイリー・ワインに関しては、そこまで神経質になる必要はありません。しかし、結婚記念やお子様の誕生年のワインなど、しばらく先まで取っておきたい大事な高級ワインは、保存する環境に十分注意しましょう。

飲む時の温度

ワインのスタイルにはそれぞれ引き出すべき個性があり、美味しく飲める温度は、そのスタイルによって異なってきます。「赤は常温、白は冷やして」と聞いたことのある方も多いかもしれません。それは間違いではありませんが、特にこの時期のオーストラリアでは室温が25度を超えることもしばしば。いくら赤ワインでも、もう少し低い温度の方が美味しくいただけます。

基本的に、ワインは温度が上がると香りや味わいが開き、甘味を感じやすくなります。一方で、渋みや苦味を感じにくくなり、まろやかな印象になります。逆に温度が下がると酸味が引き立ち甘味を引き締め、フレッシュでスッキリとした印象になります。

例えば赤ワインでも、ボージョレ・ヌーボーのような軽やかなものは気持ち低めの温度でさわやかに、逆に白ワインでも樽香がしっかりめのシャルドネであれば、やや高めの温度の方が、そのまろやかで複雑に折り重なった味わいを引き出すことができます。

以下は、ワインのスタイル別に見た、大まかな温度の基準です。自分のお好みと併せて参考にしてみてください。

• 重厚な赤ワイン(シラーズ、カベルネなど) 16〜18度
• 軽い赤ワイン(ピノノワール、サンジョヴェーゼなど) 12〜15度
• 複雑な白ワイン(シャルドネ、ヴィオニエなど)10〜14度
• 軽めの白ワイン(リースリング、ソーヴィニョンブランなど)、甘口ワイン、ロゼ、スパークリング 6〜10度

クリスマスのためのワイン

さて、いよいよクリスマス・シーズンです。今回は世界的にも非常に珍しい、オーストラリアの真っ赤なスパークリング・ワインをご紹介します。主にシラーズから作られ、一昔前までは「スパークリング・バーガンディー」と呼ばれていました。が、バーガンディー(英語でフランスのブルゴーニュの意味)という表現がEUの産地表示の規制に引っかかる形となり、現在ではこの名称は使用されなくなっています。一部の年配の方の中には当時の名残から、今でもスパークリング・シラーズを「スパークリング・バーガンディー」と呼ぶ方もいらっしゃるようです。

細やかな泡が立ちのぼる真紅のワイン。その鮮やかな赤い色と、鼻をツンとつく甘いスパイスの香りが、クリスマス・パーティーの食卓を華やかに演出してくれます。シラーズのリッチな味わいと、スパークリング・ワインの飲み心地の良さを併せ持ち、まさに南半球の真夏のクリスマスのためにあるようなワインですね。

昼間からローストやハムなどの、豪勢な食事をいただくオーストラリアのクリスマス・ランチ。今年はぜひキリリと冷やした真っ赤なスパークリング・ワインで、ゴージャスかつ爽やかなひと時を。お薦めは、伝統的なクリスマス・プディングとのマッチング。ランチの後のおしゃれでぜいたくなデザートになります。

それでは皆様、メリー・クリスマス!

暑いクリスマスにぴったりの真っ赤なスパークリング

梅:真夏のレイト・ディナーに

Bleasdale NV Sparkling Shiraz Langhorne Creek/22ドル
酢豚、ダーク・チョコレートなどと
Web: www.bleasdale.com.au

竹:クリスマス・ランチの差し入れに

Domaine Chandon Sparkling Red NV/30ドル
北京ダック、クリスマス・ロースト、プディングなどと
Web: www.chandon.com

松:クリスマス・プレゼント、お歳暮に

Teusner MC Sparkling Shiraz Barossa 2009/60ドル
クリスマス・ハム、ベーコン、クリスマス・プディングなどと
Web: www.teusner.com.au


<著者プロフィル>

フロスト結子
◎日本人としての合格者はまだ少ないワインの国際資格WSET® Diploma in Wine & Spiritsを取得。日本でワイン関連商社の貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。現在はオーストラリア国内大手オークション会社であるGraysOnlineのワイン部門でアカウント・マネージャーとして勤務する傍ら、フリーランスとしてライティング、ワイン関連の翻訳、市場調査などで精力的に活動中。ワインのコメントは「とにかく美味しそうに書く」がモットー。

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