幸せワインガイド「カベルネ・ソーヴィニョン」

今月のテーマ:カベルネ・ソーヴィニョン

シドニーでも、そろそろ秋の気配が感じられるようになってきて、じっくりとおいしい赤ワインを飲みたい時期がやってきました。今回は、カベルネ・ソーヴィニョンをご紹介します。

舌を噛みそうに長い名前のカベルネ・ソーヴィニョンは、フランスのボルドー地方を原産とする品種で、他にもオーストラリア、カリフォルニア、チリ、イタリアのトスカーナなど、世界中で最高品質のワインを生み出しています。

あなたはどちら派?

エレガントで女性的なピノ・ノワールに対し、がっしりとした印象のカベルネ・ソーヴィニョンは、よく男性的だと例えられます。対局的なワインを造る2つの品種。それぞれフランスの有名なワイン産地である、ブルゴーニュとボルドーを原産とし、どちらも高級赤ワインを造る品種として知られることから、赤ワインの愛好家も「ピノ・ノワール派」と「カベルネ・ソーヴィニョン派」に分かれるようです。もちろん、どちらも大好き、という博愛な方もたくさんいらっしゃいますよ。

カシス、葉巻、ミント

カシス、葉巻、ミント……複雑なカベルネの香りのパレット
カシス、葉巻、ミント……複雑なカベルネの香りのパレット

カベルネには、カシスやブラック・ベリーのような甘い香り、葉巻、スギの木、コーヒー、削りたての鉛筆といった芳ばしい香り、そしてミントやユーカリ、ローズマリーのような清涼感のあるものもあります。

カベルネは果皮が厚く、小さな粒をしています。この分厚い果皮から強いタンニン(渋味)が抽出され、長期熟成にも耐えることのできるワインが生まれます。また、樽との相性も良く、樽熟成されることによってバニラやスパイスなどのより複雑な風味が加わります。

オーストラリアの銘醸地は?

熟成に長い日照時間を必要とするカベルネには、暖かい環境が必要です。南オーストラリア州のクナワラ地方は、オーストラリア国内でも最高品質のカベルネ・ソーヴィニョンを生み出す産地として世界的にも有名です。

クナワラには「テラ・ロッサ」と呼ばれる赤い土壌が広がり、このテラ・ロッサがカベルネ・ソーヴィニョンの栽培に理想的とされています。他には、同じ南オーストラリア州のマクラーレン・ベール、西オーストラリアのマーガレット・リバーなども上質なカベルネ・ソーヴィニョンを作ることで定評があります。また、ビクトリア州のヤラ・バレーでは、比較的エレガントなスタイルのものが作られています。

ブレンドの魔法

カベルネの渋味がどうも苦手という方は、メルローやシラーズとブレンドされたものから試してみてください。実はカベルネは、骨格がしっかりとしている一方で、口に含んだ時の味わいに欠けるところがあります。そのため、よくメルローやシラーズといった、よりソフトな口当たりのある品種とブレンドされます。これによりワインに果実味がプラスされることで渋味が緩和され、口当たりが優しくぐっと飲みやすくなるのです。絵で言えばカベルネが額縁の、メルローやシラーズが中身の絵画の役目を果たすというわけです。ちなみに、カベルネとシラーズとのブレンドは、実はオーストラリアから始まった配合でもあります。

カベルネはラムと一緒に

カベルネと相性が良いのは赤身のお肉で、特にお薦めなのはラム肉です。そう、ラムといえばミント・ソース。ミントの香りがするカベルネ・ソーヴィニョンとは抜群の相性です。他にもステーキやビーフ・シチューなどもグッド。お肉の脂味とカベルネの渋味が口の中で溶け合い、脂身はスッキリと、渋味はまろやかになります。カベルネ・ソーヴィニョンとラムの組み合わせ、今晩、さっそくいかがでしょうか?

カベルネはがっつりとしたお肉料理と合わせて

梅:自宅で家族やルーム・メイトと

Peter Lehmann The Portrait Cabernet Sauvignon Barossa/18ドル
ラム・ケバブ、焼肉、青椒肉絲と
Web: peterlehmannwines.com

竹:週末デートに

Leeuwin Estate Prelude Cabernet Merlot Margaret River/27.50ドル
ラム・チョップ、ランプ・ステーキと
Web: leeuwinestate.com.au

松:ロースト・ディナー・パーティーのお持たせに

Wynns Coonawarra Estate Black Label Cabernet Sauvignon/45ドル
ラム・ロースト、Tボーン、和牛ステーキと
Web: www.wynns.com.au


<著者プロフィル>
フロスト結子
◎日本人としての合格者はまだ少ないワインの国際資格WSET® Diploma in Wine & Spiritsを取得。日本でワイン関連商社の貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。現在はオーストラリア国内大手オークション会社であるGraysOnlineのワイン部門でアカウント・マネージャーとして勤務する傍ら、フリーランスとしてライティング、ワイン関連の翻訳、市場調査などで精力的に活動中。ワインのコメントは「とにかく美味しそうに書く」がモットー。Web: auswines.blog.jp

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