幸せワイン・ガイド@オーストラリア「テンプラニーリョ」

ワインの産地、ブドウ品種名などの表記は、オーストラリア連邦政府のワイン振興団体であるワインオーストラリアの基準に合わせています。

今月の品種:テンプラニーリョ


日豪プレス読者の皆様、明けましておめでとうございます。今年も読者の皆様と、多くのすばらしいワインとの出合いがありますように。
 2017年の最初に紹介したいのはスペイン生まれの黒ブドウ品種、テンプラニーリョ(Tempranillo)です。ソフトな口当たりが魅力で、暑い日が続く今の時期でもするすると飲んで頂ける、飲みやすい赤ワインです。

香りと味わいの特徴

テンプラニーリョには、イチゴやプラム、ブラック・チェリーのような果実味と、レザーのようなしなやかさ、山椒やチャイニーズ・ファイブ・スパイス(五香粉)などのアジア系のスパイスや、ドライ・ハーブのニュアンスがあります。香りも味わいも、カベルネやシラーズと比べると穏やかです。渋味も控えめで飲み心地は柔らかく、どなたでも、どんな時にでも素直に楽しむことのできる赤ワインです。

スペイン生まれのテンプラニーリョ

スペイン由来のワインをチョリソーなどと楽しんでみては
スペイン由来のワインをチョリソーなどと楽しんでみては

テンプラニーリョは、原産国スペインでは最も重要な赤ワインの品種です。スペイン全土、特にリオハ、リベラ・デル・ドゥエロ地方などで生産されています。また、隣接するポルトガルでも大変に重宝されている品種でもあり、ポート・ワインの原料にも使われています。その他にヨーロッパで生産されている地域は、イタリアのシシリア島やフランスのラングドック地方などです。また、新世界(ヨーロッパ以外の新興ワイン国)では、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、アメリカ、南アフリカなど、多くの国々で定着しています。

オーストラリアでも人気は上昇中

オーストラリアでは、近年「オルタナティブな品種」として、イタリアやスペイン系のブドウ品種が台頭してきていますが、テンプラニーリョもその1つです。
 ペンフォールズ(Penfolds)やヤランバ(Yalumba)のような最大手から、今回紹介するジェリコ(Jericho)のような家族経営のブティック・ワイナリーまで、多くの生産者がテンプラニーリョを作り日常的に楽しめるワインとなりました。

冷涼な気候でも適度に熟するブドウ

オーストラリア国内では、バロッサ・ヴァレーやハンター・ヴァレーのような温暖な地域から、より冷涼なマクラーレン・ヴェイルやアデレード・ヒルズなど、さまざまな産地で生産されています。
 テンプラニーリョは温暖なイメージの強いスペイン産の品種ではありますが、その名前はスペイン語の“Temprano”(早い)という言葉に由来する、本来は早期に熟成する品種です。それはつまり、冷涼な気候の中でも十分に熟すことができるブドウということでもあります。冷涼気候で作られたテンプラニーリョには、果実が本来持つ酸がしっかりと保たれ、スパイシーな味わいが生まれます。一方で、温暖な気候で育ったのものはより芳醇(ほうじゅん)に、甘い果実味が引き立ったスタイルになります。

ブレンド、それとも単一品種?

スペインでは、単一品種のワインよりもガルナッチャ(グルナッシュ)やカベルネ・ソーヴィニョンやメルロなどとブレンドされることがほとんどです。オーストラリアでは、他品種とブレンドされたものはもちろんですが、単一品種のワインも多く生産されています。

料理との相性は?

テンプラニーリョは万能性の高い赤ワインで、合わせる料理を特に選ばないのがその魅力の1つですが、せっかくスペインに由来するワインですから、ぜひタパスや中南米料理と一緒に楽しんでみてください。チョリソーなどのソーセージ、ハーブを使ったラムやヤギなどのローストと一緒に。また、ウサギやシカなどのジビエと合わせるのもお薦めです。家庭料理であれば、青椒肉絲(チンジャオロース)や麻婆豆腐といったピリ辛の中華料理(激辛は避けましょう)、すき焼きや肉じゃがなど牛肉を煮込んだ和食ともおいしく頂けます。

万能なテンプラニーリョをさまざまなシーンや料理と合わせて

梅:女子会やデートに

Jericho Tempranillo 2016 Adelaide Hills/$25
タパス、チョリソーのピザ、生ハムと
Web: www.jerichowines.com.au

竹:ワイン会の持ち寄りに

S.C. Pannell Tempranillo Touriga 2015 McLaren Vale/$30
ピリ辛麻婆豆腐、モツの煮込み、青椒肉絲と
Web: pannell.com.au

松:大切な方への贈り物に

Audrey Wilkinson Winemaker’s Selection Tempranillo 2015 Hunter Valley/$40
ラム・ロースト、ヤギ肉のカレーと
Web: www.audreywilkinson.com.au


<著者プロフィル>
フロスト結子
◎日本人としての合格者はまだ少ないワインの国際資格WSET® Diploma in Wine & Spiritsを取得。日本でワイン関連商社の貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。現在はオーストラリア国内大手オークション会社であるGraysOnlineのワイン部門でアカウント・マネージャーとして勤務する傍ら、フリーランスとしてライティング、ワイン関連の翻訳、市場調査などで精力的に活動中。ワインのコメントは「とにかくおいしそうに書く」がモットー。Web: auswines.blog.jp

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