Hoarding:溜め込み

コラム 特集
Photo: Rafael Amadoc Deras

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セレブに見る心の病 ケース・ファイル

セレブ・ゴシップなどでは目にするものの、直接自分には関係ないとついつい無関心になりがちな心の病のこと。中身をひも解いてみれば、意外と身近な存在である可能性も。心身ともにより快適な毎日を送るため、その症状や対処法を正しく紹介する。
 

モノが捨てられないセレブとして、服や靴が山積みになった自宅を公開したリンジー・ローハン。TV番組とのタイアップということもあって、演出されている気配もありましたが、病的な溜め込みは笑えない深刻な被害を生む恐れがあります。

Hoarding:溜め込み

捨てないし、捨てられない

溜め込みは別名ゴミ屋敷とも呼ばれ、建物の所有者が溜め込んだモノやゴミが足の踏み場もないほど埋まり、庭や外の道にまであふれている場合もあります。このような状態では清掃もできないので、悪臭とともにネズミや害虫が発生します。ボヤの発生も含めて、その家の住人はもちろんですが、近隣の住民にも被害が及ぶリスクがあります。
 溜め込みの典型的な行動パターンは次の通りです。①モノを次々に買い込む、あるいはどこからか集めてくる。②使うこともなく、そのまま積み上げておく。スペースがなければ、置いてあるものの上にさらに積み上げる。③1度手に入れたものは決して捨てないし、捨てられない。
 溜め込みをする人は、「いつか役に立つと思うから」「1度手放したら2度と手に入らないから」と言います。断舎離を試みたことがある人なら、少し分かるような気がするかもしれませんね。

 

モノがあたかも自分の一部であるかのよう

 心理学の観点から言えば、溜め込みはうつや不安障害を併発している場合が多く、過去に強制的に何かを奪われた経験などが影響しています。また溜め込みをしているご本人は、自分や周囲への影響を自覚していないことが多々あります。そのため、周囲から「片付けなさい」「捨てなさい」と言われると、不当な要求をされていると感じて怒ったり、涙を流して抗議をしたりします。ひしめき合っているモノたちが、あたかも自分の一部であるかのように…。
 対応としては、物理面では片付け専門の業者さんに処分をしてもらうこと。そして精神面では心理療法を通じてモノと自分の関係を見直すことが必要です。
 ご本人の目がモノではなく、自分や人に向けられるように。どちらも踏み切るまでに時間がかかりますが、根気よく取り組むことが大切です。


 

コラム 特集

馬場佐英美 (ばばさえみ)  TownHallClinic

プロフィル◎国際基督教大学教養学部卒。Australian College of Applied Psychologyで心理カウンセラーの資格を取得。NSW州カウンセラー&サイコセラピスト協会臨床会(CAPANSW)、オーストラリア・サイコセラピー&カウンセリング連盟会員(PACFA)。シドニー市内でさまざまな心の悩みの相談に応じている。

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