Semi-Hikikomori:準引きこもり

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セレブに見る心の病 ケース・ファイル

セレブ・ゴシップなどでは目にするものの、直接自分には関係ないとついつい無関心になりがちな心の病のこと。中身をひも解いてみれば、意外と身近な存在である可能性も。心身ともにより快適な毎日を送るため、その症状や対処法を正しく紹介する。

「家にいる時間がとっても長くて、引きこもっているのよ」と語ったアンジェリーナ・ジョリー。女友達も数人いるけど、語り合う相手はブラッドだけとか。仕事以外では超内向的なアンジェリーナは準引きこもり?

Semi-Hikikomori:準引きこもり

安心できる場所に退避する状態

イギリスのBB Cが日本の「引きこもり」を取材した番組がきっかけで、この症状は2010年にオックスフォード英語辞典にも「hikikomori」という表記で収録されました。

「準引きこもり」については、06年に富山国際大学の樋口康彦教授が論文をまとめています。引きこもりは、仕事や学校に行かず、家族以外とほとんど交流をせず、6カ月以上続けて自宅に引きこもっている状態です。準引きこもりは仕事や学校に行っているという点で異なります。ひと言で言えば、「安心できる場所に退避する状態」です。これはオーストラリアで使われている定義です。

この状態自体は病気や障害ではありません。引きこもる原因は、うつや不安障害の場合もあれば、極端に疲労が溜まっていたり、対人関係が苦手で面倒という気持ちからだったりとさまざまです。

 
安心できる場所に退避する状態

体力的にも気持ち的にも余裕がない時は、しばらくの間やることを減らしたり、少し休んだりすることが望ましいですね。アンジェリーナも複雑な生い立ちなので、今はブラッドと子どもたちだけの世界で、癒しを得ているのかもしれません。ただ、こういう状態が長期化して、自分の世界が物理的にも気持ち的にも狭くなっていくと、立ち直るきっかけがつかみにくくなります。

自分や家族の力だけでの打開が難しい場合は、心理療法が有効です。精神障害を併発しているのであればそれに対処します。そうでない場合は、セラピストの助けを借りながら、自分が他人を避けたいと思う背景を振り返って、対人関係で自分が安心できるようになる方法を考えます。安心できる場所を自宅から他人との接触もある外の世界へと広げていくプロセスに、ゆっくり取り組んでみてください。


 

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馬場佐英美 (ばばさえみ)  TownHallClinic

プロフィル◎国際基督教大学教養学部卒。Australian College of Applied Psychologyで心理カウンセラーの資格を取得。NSW州カウンセラー&サイコセラピスト協会臨床会(CAPANSW)、オーストラリア・サイコセラピー&カウンセリング連盟会員(PACFA)。シドニー市内でさまざまな心の悩みの相談に応じている。

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