歯が抜けてすぐに手当てをすれば、付きますすか?

日ごろ怠りがちなデンタル・ケアや、日々進歩する歯科技術など、歯を健康に保つための秘訣を毎月お伝えします。

ハッと驚く歯のはなし

ハッと驚く歯のはなし

Vol. 15
Q
自転車で転んで顔を打ち、前歯が抜けてしまいました。すぐに手当てをすれば、付くことがあったのにと言われましたが本当ですか?

A
 歯は歯茎と骨に支えられていますが、歯をしっかりと骨に固定する役目を果たしているのは歯根膜という組織です。外力によって歯が抜ける場合、この歯根膜のほぼ中央で断裂が起きます。つまり、歯根膜の半分は歯に付いたまま抜けるのです。ここで一番のポイントは、抜けた歯に付いている歯根膜が生きているかどうか。それで抜けた歯が助かるかどうかが決まってきます。もし、生きていれば、抜歯窟という元の場所に戻することで血液がつながり、歯を再生できる可能性があります。しかし歯根膜は乾燥に弱いため、口の中以外の乾燥した場所では30分ほどで死んでしまいます。つまり歯が抜けてから30分以内にそれを歯科医師により元に戻してもらうか、自分で戻すことができれば、歯を再生できる可能性が出てくるのです。
 歯が抜けてしまった場合は、すぐにその歯を探してください。その歯が見つかったら、必ず歯冠の部分(歯の頭の部分)を持つようにして、決して歯根(歯の根元の部分)には触らないでください。もしその歯が汚れていないようなら、抜歯窟に戻してすぐに歯科医師の診察を受けます。もし歯が汚れてしまっていたら、牛乳、それがなければ口の中で汚れを落とすという方法がありますが、水道の水では洗わないよう注意してください。
歯根膜を保つには口の中の状態にしておくことが重要です。牛乳は体内の状態に近いというのが理由です。抜けた歯が抜歯窟に戻らない場合は、乾燥を防ぐためその歯を牛乳に浸して至急歯科医師の治療を受けるようにします。こうすることにより、歯根幕を数時間生かしておくことが可能です。ただし乳歯が同じように事故などで抜けてしまった場合は、抜歯窟には戻そうとはせず、急いで歯科医師の診察を受けるようにします。無理に戻そうとすると、下から生えてきている永久歯を傷つけることになるかもしれないからです。


ハッと驚く歯のはなし

イアン・マラトス
Dr. イアン・マラトス歯科医院

 歯科医歴24年。多数の日本人患者の診察・治療経験を持つ。1年間の日本滞在経験もあり、日本語が堪能。日本の歯科事情はもちろんのこと、日本人社会のシステム、日本文化にも深い理解がある

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