歯槽膿漏の治療を受けており、たばこはよくないと言われました。

ハッと驚く歯のはなし

ハッと驚く歯のはなし

Vol. 22
日ごろ怠りがちなデンタル・ケアや、日々進歩する歯科技術など、歯を健康に保つための秘訣を毎月お伝えします。
Q
 歯槽膿漏の治療を受けており、たばこはよくないと言われました。歯槽膿漏が悪化することはありますか?

A
 喫煙が健康に与える悪影響についてはさまざまな報道がありますが、歯槽膿漏などの歯周病の危険因子としても注目されています。たばこの煙にはニコチンやシアン化合物、一酸化炭素など2,000種類を越える有害物質が含まれています。たばこは白血球の機能を半減させ、体の免疫機能に変化を起こし、細菌と戦う力を急激に衰えさせます。そのため、歯周組織の破壊も進行し、歯周病になったり、歯周病を悪化させたりします。ビタミンCが破壊され、細胞組織の破壊が始まり、同様の症状が起こります。喫煙者は非喫煙者に比べて3倍も歯周病にかかりやすく、治りにくいと言われています。
 たばこの有害物質として代表的なニコチンは、血管を収縮される作用があり、歯肉への血液の流れを悪くします。これにより歯肉は炎症を起こしていても出血が抑制され、「出血」という歯周病の症状が隠され、気付かないうちに症状が悪化することが多いのです。また酸素や栄養分の欠乏により歯肉が繊維化します。そうなると歯肉は硬くなり弾力性を失い、細菌に感染しやすくなり、歯周病をひき起こす危険性を高くします。ニコチンは歯の根を覆っているセメント質とよく結びつく性質もあるため、クリーニングを行っても、ニコチンがまたすぐ歯の根元に結合してしまいます。そうすると、クリーニングの効果も台無しになり、ひいては歯周病を引き起こしやすくしたり、悪化させたりすることになります。
 発ガン物質でもあるタールは、一般にたばこのヤニと呼ばれます。歯の着色、黄ばみといった色素沈着はタールが付着するためです。タールが歯面に付くと、そこに歯垢がこびり付きやすくなり、歯のザラザラ感として認識されます。ヤニは歯ブラシではなかなか取れず、ヤニ取り歯磨き剤を使うと歯を痛めます。歯垢がたまりやすくなり、歯周病を引き起こしたり、悪化させたりすることもあります。


ハッと驚く歯のはなし

イアン・マラトス
Dr. イアン・マラトス歯科医院

歯科医歴24年。多数の日本人患者の診察・治療経験を持つ。1年間の日本滞在経験もあり、日本語が堪能。日本の歯科事情はもちろんのこと、日本人社会のシステム、日本文化にも深い理解がある

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る