前歯にクラウンをすると言われました

ハッと驚く歯のはなし

ハッと驚く歯のはなし

Vol.30
Q
前歯にクラウンをすると言われました。これは差し歯のことですか。また、インプラントが新しいと聞いたのですが、どんなものですか。

A
「差し歯」という言葉は歯科用語にありませんので、その理解には人によって違いがあるようですが、「継続歯」と呼ばれるものと考えるのが適切でしょう。これは歯が根だけになってしまった場合の治療方法の1つで、クラウン(一般に被せ物と呼ばれる人工歯)の先に出ているポスト(合釘)と呼ばれる金属の釘を、歯の根の穴に差し込むというものです。しかし、歯根に大きな負担がかかり、ひびが入ったり折れたりする危険性が高く、オーストラリアではあまり行われません。最近は日本でもあまり行われなくなっているようです。
 これとは別の治療法もあります。ポストとコアおよびクラウン装着というものです。前述の方法ではポストとクラウンが一体化していますが、この治療法ではポストとクラウンが別になります。
 まず、ポストを歯根の上にセメントし、それを支柱のようにしてコア(芯)を作ります。これにより歯は強化されます。さらに、コアを土台として上にクラウンを被せます。つまり、ポストとコア、その上にクラウンという2層状態になるのです。ポストとクラウンが別々であるため、歯根にかかる負荷は軽減されます。また、クラウンは単独で作るので、精度の高いものになります。さらに、前述の「継続歯」では歯がある程度残っていても歯肉のレベルまですべて削る必要がありますが、この方法の場合は歯をより多く残すことも可能です。
 インプラントとこうした治療法を混同される方もいるようですが、インプラントは歯を完全に抜いた場合の治療方法の1つであり、歯根が残っている場合に行う治療とは大きく異なります。インプラント治療では、歯根がない状態の歯槽骨にチタン金属製のネジのような人口歯根を埋め込み、その上にクラウンを装着します。インプラントには、見た目・感触・機能において自分の歯との違いを感じさせず、また耐久性に優れているという利点があります。


ハッと驚く歯のはなし

イアン・マラトス
Dr. イアン・マラトス歯科医院

歯科医歴24年。多数の日本人患者の診察・治療経験を持つ。1年間の日本滞在経験もあり、日本語が堪能。日本の歯科事情はもちろんのこと、日本人社会のシステム、日本文化にも深い理解がある

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る